産地偽装の(株)五島商会「住民監査請求」から「刑事告発」へ 第5弾

「品質に問題がなければいい」では済まされない
この問題に対し、「砂の品質が基準を満たしていれば、産地がどこであっても問題ない」という声が出るかもしれない。
しかし、それは論点のすり替えである。
長崎県産海砂の使用が設計図書、特記仕様書、材料承認などの条件とされていたのであれば、産地は契約内容の一部である。
長崎県産として承認を受けながら、実際には佐賀県唐津産などの県外産であったなら、「品質さえ良ければいい」で片付けることはできない。
ましてや、県産品の利用促進、地域産業の保護、地産地消などを理由として県産材の使用を求めていたのであれば、産地を偽る行為は、その政策目的まで踏みにじることになる。
県内産業を守るという看板を掲げながら、県外産の材料が県産品に化けて公共工事へ入り込んでいたとすれば、正直に事業を行ってきた県内業者ほど馬鹿を見ることになる。
それを行政が見抜けなかったのか。
あるいは、見抜こうとしなかったのか。
長崎県は、この根本的な疑問に答えなければならない。
試験結果報告書は「材料の身分証明書」である

公共工事に使用される細骨材については、粒度、密度、吸水率、塩化物量など、品質や安全性を確認するための試験結果が重要な判断資料となる。
いわば、試験結果報告書は、使用する材料の「身分証明書」である。
その報告書が別会社の試験結果を流用したものだったとすれば、極めて重大である。
表紙だけを付け替えたのか。
会社名や採取場所、試料名を変更したのか。
元になった試験結果と、実際に納入された海砂は同一のものだったのか。
試験を実施した機関は、報告書の流用や書き換えを承知していたのか。
そして、その書類は何件の公共工事に提出されたのか。
仮に、実際に納入された海砂とは異なる試料の試験結果を使って材料承認を得ていたならば、県の担当職員や施工業者は、存在しない検査結果を前提に判断させられていた可能性がある。
問題は、五島商会一社の一度限りの行為なのか、それとも長期間にわたり繰り返されてきた慣行なのかという点である。
疑惑が30年以上に及ぶのであれば、県は過去の関係書類を可能な限りさかのぼって調査すべきである。

JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次





