【東京】創業50年超のダイヤ冷ケースが破産 菓子店向け冷蔵ショーケース製造、「むさしのルビー」は5月閉店
菓子店向け冷蔵ショーケースの製造・販売を手がけるダイヤ冷ケース(株)(東京都世田谷区)が、8月26日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。
同社は1972年9月設立。資本金4,000万円、従業員数は50人で、東京都武蔵村山市に本社・東京工場、大阪府吹田市に大阪支店を構えていた。
創業から50年以上にわたり、洋菓子店や和菓子店向けの冷蔵ショーケースを専門に製造。店舗レイアウトの提案から特注ショーケースの設計・製造、納入後のメンテナンスまで一貫して手がけていた。
同社によると、生産するショーケースの約9割が菓子専門店向けで、前面ガラスを開閉できる独自機構「PAOS」や、清掃性を高めた「CLAS」などの商品を展開。全国の洋菓子店、和菓子店への納入実績を積み重ねていた。
公式サイトには200件を超える導入事例が掲載され、2026年に入ってからも東京都、神奈川県、愛知県、静岡県などの菓子店への納入実績を更新していた。5月27日には東京都町田市の洋菓子店への導入事例を掲載するなど、破産開始決定の約3カ月前まで本業に関する情報発信を続けていた。
一方、近年は新分野への進出も図っていた。
事業再構築補助金第4回で「冷凍ショーケース事業からスイーツショップ事業への新分野展開」が採択され、最終的な補助金交付額は約4,624万円となった。
この事業の一環として2022年10月、東京都武蔵野市にプリンやグルテンフリー焼き菓子などを販売するスイーツ店「むさしのルビー」を開店した。
同店は単なる飲食・小売事業への進出ではなく、自社製ショーケースを実店舗で使用し、商品の陳列方法や販売現場から得た情報をショーケース開発へ反映する「生きたショールーム」としての役割も担っていた。
しかし、「むさしのルビー」は2026年5月2日をもって閉店。開店から約3年半で営業を終えた。閉店理由については「諸般の事情」としており、詳細は明らかにされていない。
同社は過去の経営方針でも、原材料価格の上昇や主要顧客であるケーキ店の減少など、事業環境の変化を課題として挙げていた。こうした環境を踏まえ、新商品開発や新市場の開拓、スイーツ店事業などに取り組んでいた。
その後も本業のショーケース事業では5月下旬まで導入実績を更新していたが、東京地裁は8月26日、同社について破産手続き開始を決定した。
破産管財人には宇田川博史弁護士が選任されている。債権届出期間は9月24日までで、財産状況報告集会などは11月27日午後2時に予定されている。
今回の破産に伴う負債総額や具体的な事業停止時期、直接的な破綻原因については明らかになっていない。
また、原材料高や菓子店の減少、新規事業への投資、「むさしのルビー」の閉店と今回の破産との直接的な因果関係も確認されていない。
半世紀以上にわたり菓子専門店向けショーケースを手がけ、新分野への進出も進めていた専門メーカーが、破産手続きに入ることとなった。
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