【建設】万博背任事件で竹中工務店への入札停止相次ぐ 滋賀県1カ月、豊中市は6カ月
大阪・関西万博の工事を巡る背任事件を受け、大手ゼネコンの(株)竹中工務店に対する公共工事の入札参加停止・指名停止措置が各地で相次いでいる。
滋賀県は2026年9月14日、竹中工務店について9月15日から10月14日まで1カ月間、入札参加を停止すると発表した。同社の従業員が大阪・関西万博の工事を巡る背任容疑で大阪府警に逮捕されたことを理由としている。
同じ事件を受け、福島県や静岡県、豊中市、北九州市、掛川市、富士宮市なども相次いで措置を実施。停止期間は自治体によって1カ月から6カ月まで差が出ている。
滋賀県、竹中工務店を1カ月入札参加停止
滋賀県によると、対象となったのは大阪市中央区に本店を置く(株)竹中工務店。
同社の使用人が2026年8月19日、大阪・関西万博における工事について背任容疑で大阪府警に逮捕されたことから、県は工事などの契約相手として不適当と判断した。
滋賀県建設工事等入札参加停止基準別表第2第20号を適用し、9月15日から10月14日までの1カ月間、県発注工事などへの入札参加を停止する。
竹中工務店は滋賀県大津市にも営業拠点を置いているほか、県内でも建築工事を手掛けてきた。
福島県は3カ月、豊中市は6カ月 各地で入札停止
今回の事件を理由とする入札参加停止・指名停止は滋賀県だけではない。各自治体が公表している措置を確認すると、竹中工務店に対する入札停止が全国各地で相次いでいる。
| 発注機関 | 停止期間 | 期間 |
|---|---|---|
| 福島県 | 2026年8月31日~11月30日 | 3カ月 |
| 大阪府豊中市 | 2026年9月4日~2027年3月3日 | 6カ月 |
| 静岡県 | 2026年9月8日~10月7日 | 1カ月 |
| 静岡県掛川市 | 2026年9月8日~10月7日 | 1カ月 |
| 福岡県北九州市 | 2026年9月8日~10月7日 | 1カ月 |
| 静岡県富士宮市 | 2026年9月11日~10月10日 | 1カ月 |
| 滋賀県 | 2026年9月15日~10月14日 | 1カ月 |
停止期間は各発注機関の入札参加停止基準や判断によって異なる。豊中市は「不正又は不誠実な行為」に該当するとして6カ月間、福島県は3カ月間の措置を取っている。
なお、これらは各自治体・発注機関が個別に行っている措置であり、竹中工務店が全国一律ですべての公共工事への入札を停止されているわけではない。
大阪・関西万博「大屋根リング」西工区などを施工
事件の舞台となった大阪・関西万博では、竹中工務店・南海辰村建設・竹中土木共同企業体が、会場のシンボルとなった「大屋根リング」の西工区を施工していた。
竹中工務店の公式資料によると、大屋根リング西工区は同社が実施設計を担当し、同JVが施工。全体の延床面積は6万6900平方メートルで、日本の伝統的な貫接合を現代技術で応用した大規模木造建築として整備された。
大阪府警は8月19日、当時万博工事の総括作業所長を務めていた竹中工務店の従業員を背任容疑で逮捕した。
報道によると、万博会場工事を巡り下請け業者に工事費を水増し請求させ、竹中工務店に約1300万円の損害を与えた疑いが持たれている。
大阪府の吉村洋文知事は事件当日の記者会見で、損害を受けたのは竹中工務店であり、日本国際博覧会協会に直接の損害が生じたものではないとの認識を示している。
竹中工務店の従業員は9月9日に起訴
竹中工務店は8月19日、従業員が背任容疑で逮捕されたことを公式に発表。捜査に全面的に協力し、事実関係を確認した上で厳正に対処するとしていた。
その後、同社は9月9日、逮捕されていた従業員が大阪地方検察庁から起訴されたことを公表した。
竹中工務店は、再発防止に向けて内部統制や管理体制、教育を強化し、コンプライアンスの徹底に取り組むとしている。
今回、刑事事件を受けた入札参加停止措置が複数の自治体へ広がっている。各発注機関による停止期間には大きな差もあり、今後さらに他の国・自治体などが同様の措置を公表するかが注目される。
※今回の入札参加停止は、竹中工務店の従業員による事件を理由として各発注機関が講じた措置です。竹中工務店自体が背任罪で起訴されたものではありません。





