アイコン 浦上ダム工事の「JVの正体」


根〆

西海建設と田浦組の関係
前回、浦上ダム建設工事(貯水池掘削工1工区)の入札について触れた。
予定価格
1,803,678,000円
契約金額
1,825,321,300円
予定価格を
21,643,300円上回るという信じられない契約。
通常ではほとんど聞かない暴挙と呼べる結果である。
そして落札したのは西海建設・黒瀬組・田浦組 特定建設工事共同企業体ここで一つの疑問が浮かぶ。
「このJVの実態はどうなっているのか」である。

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1、JVの中身を見る
公共工事では、複数企業が組む特定建設工事共同企業体(JV)は珍しくない。
大規模工事ではむしろ一般的だ。
しかし今回のJVには、業界ではよく知られた事情がある。
構成企業のうち
• 西海建設株式会社
• 株式会社田浦組
この2社は株主が同一親族で構成されている企業グループとされている。
つまり簡単に言えば実質的には身内企業という関係だ。
もしそうであれば、「複数企業による競争力強化」というJV本来の目的とは
かなり性格が違ってくる。
2、形式的JVという問題
公共工事では昔から形式的JVという言葉がある。
これは
• 実質的には同一グループ企業
• あるいは強い資本関係の企業
が、形式的に別会社としてJVを組むケースだ。
もちろんすべてが問題とは言えない。
しかし状況によっては独占禁止法の観点から問題視されることもある。
なぜなら、実質的競争が存在しない可能性が出てくるからだ。
3、西海建設の存在感
今回のJVの中心企業は西海建設株式会社である。
そしてこの会社は長崎県建設業協会の会長企業でもある。
建設業協会は県内公共工事を担う建設会社の最大の業界団体だ。
そして政治との関係を見れば2022年の知事選で誕生した大石賢吾
県政との密接な関係を指摘する声もある。
もちろん、これだけで何かを断定することはできない。
だが、
• 予定価格を上回る契約
• 親族企業JV
• 業界団体トップ企業
これらが同時に並ぶとき、疑問を持つ人が出てくるのは当然だろう。
4、浦上ダム工事はまだ入口
浦上ダム工事をめぐる問題はまだ入口にすぎない。
むしろ注目すべきは長崎県の公共工事の構造そのものだ。
誰が工事を受注し、どのような企業関係があり、どのように発注が行われているのか、また、分母(5年間の受注実績)と分子(一年間の受注)に関係などを見ていくと、また別の景色が見えてくるのだ。
次回は「浦上ダム工事はなぜ一括発注だったのか」という点も見ていきたい。
公共工事の世界では、発注方法がすべてを決めることもあるからだ。

JC-net日刊セイケイ編集長中山洋次

[ 2026年3月12日 ]
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