【茨城】大勝建設が自己破産申請、負債29億円 公共工事続くも関係会社への貸付9億円が重荷
茨城県神栖市の土木建築工事業「大勝建設(株)」と、関係会社の「(株)大勝」が2026年9月24日、水戸地裁に自己破産を申請した。
負債は大勝建設が約29億円、(株)大勝が約16億円で、2社合計約45億円。
大勝建設は国土交通省や茨城県、神栖市、千葉県、銚子市などの公共工事を数多く手がけてきた地域の有力建設会社。2026年3月には神栖市の津波避難施設を完成させるなど、自己破産申請の約半年前まで公共工事の施工実績が確認できる。
一方、財務面では関係会社への約9億円の貸付金が固定化。売上高も2021年6月期の約31億9,900万円から2026年6月期には約20億2,300万円まで減少し、資金繰りが悪化していた。
公共工事を主力とした神栖市の老舗建設会社
大勝建設は1949年4月創業、1969年1月に法人改組された土木建築工事業者。茨城県神栖市を本拠に、茨城県と隣接する千葉県を主な営業基盤としていた。
土木・建築工事を中心に、とび・土工、舗装工事などを手がけ、国土交通省をはじめ、茨城県、神栖市、千葉県、銚子市などの官公庁工事で実績を積み重ねてきた。
施工実績には神栖市立波崎第一中学校校舎改築工事、神栖市波崎地区防災拠点施設建設工事、神栖市役所分庁舎建設工事などがある。
土木分野でも利根川の築堤工事や道路改良工事などを施工し、地域の公共インフラ整備を担ってきた。
直近でも公共工事の施工は続いていた。神栖市では大勝建設が施工した津波避難施設「舎利浜生命の丘」が2026年3月27日に竣工している。
同施設は津波発生時の避難場所として整備された防災施設で、自己破産申請の約半年前まで公共工事の施工実績が確認できる。
売上高は5年間で約11.8億円減少
業績面では2021年6月期に、過去20年間で最高となる売上高約31億9,900万円を計上していた。
その後は売上規模が縮小し、2026年6月期の売上高は約20億2,300万円まで減少した。
5年間の減少額は約11億7,600万円。減少率にすると約36.8%となる。
| 項目 | 金額・比率 |
|---|---|
| 2021年6月期売上高 | 約31億9,900万円 |
| 2026年6月期売上高 | 約20億2,300万円 |
| 5年間の売上減少額 | 約11億7,600万円 |
| 売上減少率 | 約36.8% |
| 大勝建設の負債 | 約29億円 |
| 負債/直近年商 | 約143%(約1.43倍) |
直近年商約20億2,300万円に対して負債は約29億円となり、負債額は年間売上高の約1.43倍に相当する規模まで膨らんでいた。
関係会社への貸付金約9億円が固定化
資金繰りを圧迫した要因の一つが、関係会社に対する多額の貸付金だった。
大勝建設では関係会社への資金貸付が膨らみ、その貸付先の業績不振によって資金の回収が困難となった。固定化した貸付金は約9億円にのぼった。
約9億円は、2026年6月期売上高約20億2,300万円の約44.5%に相当する。また、大勝建設の負債約29億円と比較すると約31%の規模となる。
| 財務指標 | 比率 |
|---|---|
| 関係会社向け貸付金/直近売上高 | 約44.5% |
| 関係会社向け貸付金/負債総額 | 約31.0% |
同社は金融機関に返済条件の変更を要請して資金繰りを維持。その後も金融機関の支援を受けながら改善を図ったものの、取引先への支払いで手形払いの割合を増やすなど支払い条件の変更を求める状況となっていた。
売上高の減少に加え、年商を上回る規模の負債と関係会社向け貸付金の固定化が重なり、資金繰りが限界に達した。
「犬吠テラステラス」運営会社も自己破産申請
同時に自己破産を申請した(株)大勝は1982年4月設立。千葉県銚子市犬吠埼の複合商業施設「犬吠テラステラス」の運営を主体としていた。
犬吠テラステラスはショップや飲食店、展望スペースなどを備えた犬吠埼の観光施設で、(株)大勝が運営会社となっている。
また、国のサービス付き高齢者向け住宅登録情報では、(株)大勝は銚子市犬吠埼の「マークガーデン犬吠埼」の運営事業者としても登録されている。
ただし、大勝建設から関係会社に貸し付けられていた約9億円について、犬吠テラステラスやマークガーデン犬吠埼など特定の事業に使われたことを示す資料は確認できていない。
(株)大勝の負債は約16億円。大勝建設と合わせた2社の負債総額は約45億円となっている。
犬吠テラステラスの営業終了は確認されず
2026年9月25日時点では、犬吠テラステラスの公式サイト上に閉館や営業終了を知らせる告知は確認されていない。
運営会社が自己破産を申請したことと、犬吠テラステラス自体の営業状況は分けて見る必要があり、現段階で施設が閉館したとすることはできない。
大勝建設と大勝の概要
| 法人名 | 大勝建設株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 茨城県神栖市 |
| 法人番号 | 5050001020979 |
| 創業 | 1949年4月 |
| 資本金 | 5,000万円 |
| 事業内容 | 土木・建築工事など |
| 2026年6月期売上高 | 約20億2,300万円 |
| 負債 | 約29億円 |
| 手続き | 2026年9月24日、自己破産申請 |
| 法人名 | 株式会社大勝 |
|---|---|
| 所在地 | 茨城県神栖市 |
| 法人番号 | 3050001020980 |
| 設立 | 1982年4月 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 事業内容 | 犬吠テラステラス運営など |
| 負債 | 約16億円 |
| 手続き | 2026年9月24日、自己破産申請 |
2社の負債総額は約45億円となっている。
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