アイコン 数字でみる【スポーツの日】60代の体力は向上、40代女性は低下 運動週1回51.7%、ジム倒産26件


10月12日は「スポーツの日」。健康づくりへの関心が高まる一方、日本人の体力や運動習慣には世代によって異なる傾向が表れている。

スポーツ庁が11日に公表した2025年度の「体力・運動能力調査」では、60代の体力が長期的に向上する一方、30~40代女性は低下傾向となった。また、成人のうち週1日以上スポーツを実施している人は51.7%にとどまる。

こうした中、フィットネスクラブ業界では2026年1~8月の倒産が26件に達し、前年同期の2.6倍に急増した。JC-NETでも今年、スポーツクラブ運営会社から地域のスポーツ用品店まで、関連企業の破産を相次いで報じている。

数字でみる日本人の運動とフィットネス業界

成人の週1日以上の運動実施率
51.7%
2025年度調査
20歳以上の男女
40代女性の体力指数
93.6
2001年度=100
2025年度の指数
フィットネスクラブ倒産
26件
2026年1~8月
前年同期の2.6倍

※体力指数は2001年度を100とする比較値。スポーツ実施率、体力指数、企業倒産件数はそれぞれ異なる調査による。

60代の体力は向上、働き盛り世代では低下傾向も

スポーツ庁が2026年10月11日に公表した令和7年度体力・運動能力調査では、2001年度から2025年度までの約25年間について、年代別の体力合計点の変化が分析された。

2001年度を100とする指数で比較すると、2025年度の30代女性は96.3、40代女性は93.6となり、長期的な低下傾向が確認された。40代男性も98.8となっている。

一方、60代を含む高年齢層では男女とも体力の向上傾向がみられ、働き盛り世代との違いが表れている。

今回の調査では、スポーツクラブなどへの所属状況や運動習慣と、体力の関係についても分析が行われた。

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成人のスポーツ実施率は51.7% 女性と働き盛り世代で低水準

スポーツ庁が2026年3月に公表した「スポーツの実施状況等に関する世論調査」では、20歳以上で週1日以上スポーツを実施している人の割合は51.7%だった。

男女別では男性が55.0%、女性は48.8%で、女性の実施率が男性を下回った。年代別では20~50代の子育て世代や働き盛り世代が低い傾向となっている。

1週間あたりの運動・スポーツ実施時間の中央値は69.0分。特に20~50代女性は週30~40分程度と短く、同年代男性と比べても運動時間が少ない。

仕事や家事、育児などと運動をどのように両立させるかが、健康づくりを進める上での課題となっている。

フィットネスクラブ倒産は26件 前年同期から2.6倍に急増

運動習慣の定着が課題となる一方、運動の場を提供するフィットネスクラブ業界でも企業の経営破綻が増えている。

2026年1~8月のフィットネスクラブの倒産件数は26件となり、前年同期の10件から2.6倍に増加。同期間としては過去最多を更新した。

倒産原因別では「販売不振」が19件で全体の73.0%を占めた。また、倒産した企業のうち23件は従業員5人未満の小規模事業者で、全体の88.4%に上っている。

フィットネス市場では、24時間営業の小型ジム、低価格サービス、個別指導型施設など、さまざまな業態が展開されている。利用者が施設を選択できる環境が広がる一方、既存事業者を含めた競争が厳しくなっている。

倒産企業の約9割は従業員5人未満

2026年1~8月に倒産したフィットネスクラブ26件のうち、23件が従業員5人未満の企業だった。大規模チェーンだけでなく、地域の小規模ジムや事業者の経営環境にも目を向ける必要がある。

※負債1,000万円以上、日本標準産業分類「フィットネスクラブ」の倒産を対象とした集計。

JC-NETでも相次ぐスポーツ・フィットネス関連企業の倒産

JC-NETが2026年に報じた倒産事例をみると、フィットネスクラブ運営会社のほか、地域のスポーツ用品販売会社やスポーツスクール関連事業者にも破綻が広がっている。

富山県高岡市のオーパスは5月に破産。負債総額は約8億2,000万円で、高岡市と滋賀県甲賀市でスポーツクラブを運営していた。

東京都渋谷区のBVEATSは6月29日に破産を申請し、翌30日に破産開始決定を受けた。2022年11月期に約4億円あった売上高は2025年11月期に約1億2,000万円まで減少し、負債総額は約2億3,000万円となった。

京都府舞鶴市のPEPは8月31日に破産開始決定を受けた。地元で長年フィットネスクラブやカルチャー教室を展開し、「ライブステーション&スタジオPEP」は19年8カ月の営業を経て閉店していた。負債額や詳しい破綻原因は確認できていない。

スポーツ用品販売では、山形県寒河江市の老舗スポーツ館が9月11日に破産開始決定を受けた。同社は1962年創業で、学校・官公庁向けの用品販売も手掛けていた。負債総額は約1億1,200万円。

さらに9月30日には、大阪府河内長野市のスポーツ用品関連企業ノリノコーサーと、福岡県柳川市のサッカースクール関連企業Sulestrela Ajudaが、それぞれ破産開始決定を受けた。

2026年の主なスポーツ関連倒産・JC-NET掲載事例

企業名・所在地 事業内容 破綻時期 負債総額
オーパス
富山県高岡市
スポーツクラブ運営 2026年5月 約8億2,000万円
BVEATS
東京都渋谷区
会員制フィットネスジム 2026年6月30日 約2億3,000万円
PEP
京都府舞鶴市
フィットネス・カルチャー教室 2026年8月31日 確認できず
スポーツ館
山形県寒河江市
スポーツ用品販売 2026年9月11日 約1億1,200万円
ノリノコーサー
大阪府河内長野市
スポーツ用品製造・卸売 2026年9月30日 確認できず
Sulestrela Ajuda
福岡県柳川市
サッカースクール関連 2026年9月30日 確認できず

※JC-NETが2026年に掲載した主な関連企業の事例であり、網羅的な倒産件数ではない。破綻時期は原則として破産開始決定日を示し、オーパスは月単位で記載した。用品販売やスポーツスクールなどを含むため、フィットネスクラブ倒産26件の集計対象とは一致しない。

地域の運動施設からスポーツ用品店まで

富山のオーパスや京都のPEPは地域で運動機会を提供してきた事業者だった。一方、山形のスポーツ館は学校や官公庁にも用品を販売していた老舗企業。業態や事業規模、破綻に至る経緯はそれぞれ異なり、個別の原因を一律に説明することはできない。

また、福岡のSulestrela Ajudaについては、関連するジュニアユースクラブ全体が解散・活動終了したと確認されたわけではない。

スポーツの日に問われる運動機会と施設経営の両立

最新の体力調査では、高年齢層の体力向上と、働き盛り世代の一部にみられる体力低下という対照的な動きが確認された。成人のスポーツ実施率も約半数で推移しており、運動習慣を広げる余地は大きい。

一方、フィットネスクラブ業界では市場の拡大とともに事業者間の競争が激しくなり、2026年は小規模事業者を中心に倒産が増加している。

ただし、運動実施率の低迷が直接フィットネスクラブの倒産増加を招いていると確認されたわけではない。利用者の運動習慣と施設の経営環境は、区別して検証する必要がある。

10月12日のスポーツの日は、体力づくりの大切さに加え、誰もが継続して運動できる環境と、それを支える民間事業者の持続可能な経営について考える機会ともなる。

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