【埼玉】コールセンター・EC運営代行のCross Communityが破産 県のテレワーク導入事例にも掲載
コールセンター業務やECサイト運営代行などを手掛けていた(株)Cross Community(クロスコミュニティ、埼玉県さいたま市中央区)が、2026年10月8日、さいたま地裁から破産手続開始決定を受けた。事件番号は令和8年(フ)第1690号で、破産管財人には谷垣智之弁護士が選任された。負債総額は明らかになっていない。
同社は2017年12月設立の業務受託会社。企業からの問い合わせ対応やコールセンター運営、データ入力、事務処理、ネットショップ運営代行などを展開していた。埼玉県が公表した「テレワーク業種別ガイドライン」では、サービス業におけるテレワーク導入事例として取り上げられ、在宅オペレーターの活用や新規取引先の獲得などの取り組みが紹介されていた。
2017年設立、コールセンターや事務処理の受託代行を展開
Cross Communityは2017年12月に設立。さいたま市を拠点に、企業のコールセンター業務や事務作業などの受託・代行事業を手掛けていた。
2018年10月に公開されたEC業界専門メディア「ECのミカタ」の取材記事によると、同社はコールセンター業務を中心に、データ入力、報告書作成、ネットショップ運営、音楽制作などにも対応していた。
コールセンター業務では、駐車場の精算トラブルやパソコンに関する問い合わせ、化粧品販売に伴う電話業務などを取り扱っていた。
また、中小企業の人手不足や業務負担の軽減を目的に、電話対応と事務処理を組み合わせたサービスを展開。企業が営業や本来の業務に専念できるよう、外部から支援する事業モデルを特徴としていた。
特徴的だったのが、少ない入電件数でも利用できるコールセンターの共同利用型サービス。1人のオペレーターが複数の小規模案件に対応する仕組みにより、問い合わせ件数の少ない企業でも比較的低コストで電話対応を外部委託できるとしていた。
夜間の問い合わせ対応や繁忙期だけのデータ入力など、必要な業務を組み合わせたスポット対応も紹介していた。
ECサイト運営代行や動画・音楽制作にも対応
同社はコールセンター業務に加え、インターネットショップの販売代行やメールサポート、各種事務処理、音楽・動画制作なども事業内容に掲げていた。
2019年2月の企業経営者インタビューサイト「BusinessPlus」では、コールセンター受付、メールサポート、事務処理の委託代行、インターネットショップ販売代行、音楽・動画制作代行などを手掛ける企業として紹介されている。
同記事に掲載された当時の従業員数は7人。主要取引先として日信電子サービス、ロイヤルグリーンランドジャパン、笠倉出版社の3社が紹介されていた。
また、2021年には日本通販CRM協会のオンライン勉強会にも参加しており、通信販売関連の事業者との関わりが確認できる。
ただし、これらは当時の企業情報であり、2026年10月の破産開始決定時点における従業員数や取引関係を示すものではない。
埼玉県のテレワーク導入事例に掲載、在宅勤務率30~40%
Cross Communityは、埼玉県が公表した「テレワーク業種別ガイドライン」のサービス業編にも、導入事例企業として掲載されている。
同資料では、在宅勤務による業務改善と生産性向上を図った企業として同社を紹介。掲載当時の従業員数は15人で、主な事業は委託・代行業務とECサイト運営とされている。
同社は、コールセンター業務を自宅から行えるようにするため、チャットツールや電話アプリを導入。在宅オペレーターと管理者が情報を共有できる仕組みを整備した。
また、クラウド上でのパソコンのセキュリティ管理、在宅勤務に対応した就業規則の改訂、業務マニュアルやシフト管理情報の集約などを進めていた。
埼玉県の事例紹介によると、こうした取り組みにより、県外居住者2人の雇用につながったほか、新規取引先2社との契約を獲得したという。
在宅勤務の割合も全体の30~40%まで高まったとされ、出社せずに電話対応や事務作業ができる体制を整えていた。
コールセンターでは、在宅勤務者と管理者との情報共有や、顧客情報の管理が課題となるが、同社はクラウド型の管理システムなどを活用して対応していた。
なお、これらの従業員数や在宅勤務率、取引先獲得実績は、埼玉県のガイドラインに掲載された当時の成果であり、破産開始決定時点の事業規模や営業状況を示すものではない。
埼玉県の健康経営関連資料にも掲載
同社は、埼玉県の健康経営関連事業にも名前が掲載されていた。
埼玉県が公開した「健康経営実践事業所取組事例2026」には、2026年1月末時点の「埼玉県健康宣言事業所」一覧が収録されており、株式会社Cross Communityが掲載されている。
健康宣言事業所は、従業員の健康保持・増進に取り組むことを宣言した事業所で、健康経営実践事業所としての認定を目指す企業などが登録されている。
ただし、健康宣言事業所への掲載と健康経営実践事業所の認定は異なる。同社が2026年10月時点で認定を受けていたかどうかは確認できていない。
10月8日に破産開始決定、負債額や破綻原因は未判明
コールセンターの業務受託やECサイト運営代行を手掛け、テレワークの活用にも取り組んでいたCross Communityだが、2026年10月8日、さいたま地裁から破産手続開始決定を受けた。
破産管財人には谷垣智之弁護士が選任され、財産状況報告集会、廃止意見聴取、計算報告などの期日は2027年1月20日午前10時40分に指定されている。
直近の売上高や負債総額、具体的な経営悪化の経緯については明らかになっていない。また、事業停止日や破産開始決定時点の顧客契約、受託業務の引き継ぎ先についても確認できていない。
なお、過去の企業取材ではさいたま市中央区本町東を本店所在地としていたが、その後、法人公開情報には同区鈴谷への所在地変更が記録されている。
過去の取材記事や埼玉県の公式資料には同社の事業実績が残っているものの、これらは破産開始決定後の事業継続を意味するものではない。
会社概要
| 法人名 | 株式会社Cross Community(クロスコミュニティ) |
|---|---|
| 所在地 | 埼玉県さいたま市中央区 |
| 法人番号 | 7030001123501 |
| 設立 | 2017年12月 |
| 主な事業 | コールセンター業務受託、問い合わせ対応、事務処理代行、ECサイト運営代行、音楽・動画制作代行 |
| 従業員数 | 7人(2019年の企業取材掲載値)、15人(埼玉県テレワーク事例掲載時の数値) |
| 公的資料への掲載 | 埼玉県テレワーク業種別ガイドライン、健康宣言事業所一覧 |
| 破産開始決定 | 2026年10月8日・さいたま地裁 |
| 負債総額 | 確認できず |
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