≪下地氏の政府入り・第4弾≫「保守一本化」の次はポストか?地元の反発に、党本部は説明せよ!
選挙では「保守一本化」。選挙が終われば、政府のポストなのか。
下地幹郎元衆院議員の政府起用案をめぐり、自民党沖縄県連が党本部に強い反対を突き付けた。

10月28日付の琉球新報は、県連が党本部に起用反対を申し入れた一方、断念の確約は得られなかったと報じている。
これは、単なる党内の好き嫌いで片付けられる話ではない。知事選で掲げた「保守一本化」と、その後に浮上した政府人事。その関係を、有権者に説明できるかという問題である。
27日、県連会長の西銘恒三郎衆院議員らは、西村康稔選対委員長に下地氏を政府の役職に起用しないよう申し入れた。西銘氏によれば、22日に西村氏から「内閣府の参与」への起用を検討していると伝えられたという。県連は、不出馬に至った経緯も含め、取引があったとの疑念を招くとして反発している。

身内の県連から、ここまでの異論が出ている。党本部は、この重さをどう受け止めるのか。
西村康稔選対委員長も、党本部も下地幹郎氏がここまで沖縄で嫌われているとは知らなかったようだ。
下地氏が知事選への出馬を取りやめ、自民党本部と政策協定を結び、古謝玄太氏の支援に回った。その後に政府起用案が浮上すれば、県民が両者の密約を疑い、関係を問うのは当然である。
ただし、起用案が出たことだけで、不出馬の見返りが約束されていたと断定することはできない。西村氏も、政策合意した4項目以外の約束はないと説明し、人事についても決定していないとしている。
だからこそ、必要なのは具体的な説明である。
「決まっていない」は、決定状況の説明にはなる。しかし、誰が、いつ、何のために起用を提案したのかという疑問への答えにはならない。
政策協定を実現することと、協定を結んだ政治家本人を政府の役職に就けることは、別々に理由を説明すべき話だ。
下地氏の起用が政策実現に必要だというなら、どの政策について、どのような職務を担わせるのか。なぜ下地氏なのか。既存の行政組織や地元選出議員との役割分担はどうなるのか。
そこを示さずに人事の話だけが進めば、「政策のための起用」なのか「選挙協力への処遇」なのか、疑問は残り続ける。
しかも、説明の足並みも見えにくい。
26日の自民党公式記者会見で、鈴木俊一幹事長は、具体的に話が進んでいるわけではなく、幹事長室で決定を前提とする議論をした事実もないと説明した。政府内の起用案について党本部が把握しているかとの質問にも、把握していないと答えている。
一方、西銘氏は、それに先立つ22日に西村氏から起用検討の説明を受けたとしている。
両者が直ちに矛盾するとまでは言えない。検討の段階や、情報を共有する範囲が違った可能性もある。だが、それならなおさら、党本部が経緯を整理して説明すべきではないか。
地元には起用検討の話が届き、幹事長は把握していないという。一体、誰がこの人事案を動かしているのか。
党本部に求める説明は、明快である。
一つ。下地氏の政府起用を、最初に提案したのは誰か。
一つ。提案されたのは、知事選の不出馬をめぐる協議の前か、後か。
一つ。不出馬の協議で、本人の役職や処遇が話題になったことはあるのか。
一つ。起用する必要性と職務内容を、地元の反対にどう説明するのか。
政策合意以外の約束が一切ないというなら、その説明を具体的な協議経過で裏付ければよい。下地氏自身も、政府の役職について誰から、いつ、どのような話を受けたのかを説明すべきである。
地元の県連に異論があるから、政府人事がすべて否定されるわけではない。しかし、選挙を支えた地元組織が強く反対している以上、その声を押し切る側には、相応の説明が求められる。
「保守一本化」を掲げた党本部が、選挙後の人事で地元との亀裂を深めてどうするのか。
県民が託したのは、沖縄の暮らしと県政の未来である。特定の政治家の処遇まで、白紙委任したわけではない。
「保守一本化」の次はポストか。
この問いを打ち消したいなら、党本部は経緯を示せ。下地氏も、自らの言葉で説明せよ。
沖縄のための政策合意だったというなら、まず県民の前に示すべきものは、ポストではなく、政策の進捗と説明責任である。
下地幹郎氏は内閣府の参与云々の前に、あの那覇~久米島間を走るジェットフォイル(つむぎ)を正常に運航させることに専念するべきである。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次





