飲食・食品関連業倒産

アイコン 【香川】「味匠お届け料理センター」が事業停止 年商2.7億円も食材高・東京の焼肉店火災で資金難


香川県坂出市で仕出し料理や弁当の製造・販売を手がける株式会社味匠お届け料理センターが、2026年11月2日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことが分かった。負債総額は約9000万円。

同社は、2018年に経営破綻した旧「味匠」から事業を引き継いだ企業の仕出し部門を分離し、2020年に設立された。2026年6月期には約2億7000万円の売上高を計上していたが、仕出し需要の低迷や食材価格の高騰に加え、東京都内で取得した焼肉店の火災に伴う費用負担が資金繰りを圧迫した。

 

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旧「味匠」破産後に事業再編、2020年に設立

味匠お届け料理センターの事業は、1988年に設立された旧株式会社味匠にさかのぼる。

旧味匠は仕出し弁当の製造を出発点に、焼肉店「カルビ屋大福」などの飲食店、ホテル、結婚式場、香川県宇多津町のアミューズメント施設「プレイパークゴールドタワー」などへ事業を拡大。2012年9月期には約41億2500万円の売上高を計上していた。

しかし、その後は事業の縮小や業績悪化が進み、2018年6月に第二会社方式による事業再建に着手。新会社の株式会社さぬきに事業を譲渡するとともに、旧味匠はSK産業へ商号を変更した。

SK産業は同年7月12日に高松地裁丸亀支部から破産手続き開始決定を受けた。当時の負債総額は約30億円だった。

その後、事業を承継した株式会社さぬきから仕出し料理部門を分離する形で、2020年1月に株式会社味匠お届け料理センターが設立された。

今回事業を停止した味匠お届け料理センターは、2018年に破産したSK産業とは法人番号の異なる別会社であり、当時の負債額と今回の負債額は別のものとなる。

冠婚葬祭向け仕出しを展開、2026年3月には価格改定

新会社は坂出市の製造拠点を中心に、冠婚葬祭や法要、各種イベント向けの仕出し料理、弁当、オードブルなどを製造・販売していた。

公式サイトでは、お膳料理、折詰弁当、寿司、オードブルなどを幅広く紹介。法要や祝事での料理配達に加え、配膳や後片付けにも対応するサービスを展開していた。

しかし、コロナ禍を経て家族葬が増加するなど、冠婚葬祭における料理需要が縮小。弁当や仕出し料理の受注が伸び悩むなか、米やその他食材の仕入れ価格上昇も採算を圧迫した。

同社は2026年3月2日、原材料費とエネルギーコストの高騰により従来価格での提供が難しくなったとして、3月1日から販売価格を改定したことを公式サイトで発表していた。

さらに同年7月には、9月1日から料理カタログを改訂することを告知。新カタログで各種お膳料理や弁当、オードブルなどの商品を紹介していた。

2026年6月期には年間売上高約2億7000万円を計上していたものの、売上規模の維持だけでは収益面や資金繰りの問題を解消できなかった。

東京の焼肉店事業へ進出、火災の費用負担が重荷

同社は仕出し事業に加え、2024年に東京都内の焼肉店の経営権を取得し、飲食店事業にも参入していた。

会社公式サイトには、東京都北区赤羽に焼肉事業部の拠点が掲載されている。

また、東京都北区が公表した2026年3月末時点の食品関係営業許可施設一覧には、「芝浦市場焼肉ホルモン匠 赤羽店」の営業者として株式会社味匠お届け料理センターの名前が記載されている。

同店は、以前「神保町食肉センター 赤羽店」として営業していた焼肉店で、2025年4月には「芝浦市場 焼肉ホルモン匠」としてリニューアルオープンしていた。

一方、同じ所在地には別法人名義の営業許可記録も存在し、現在の店舗運営主体や事業承継の詳細については確認できていない。

経営面では、取得した東京都内の焼肉店で火災が発生し、店舗の改修や補償に伴う費用が発生。これが既存事業の収益悪化に重なり、資金繰りを圧迫する要因となった。

ただし、火災が発生した店舗の正式名称、発生日、損害額については確認できておらず、赤羽店で発生した火災と断定できる資料はない。

11月2日に事業停止、負債約9000万円

仕出し料理の受注低迷、原材料価格の上昇、焼肉店の火災に伴う費用負担などが重なり、同社は2026年11月2日に事業を停止。自己破産申請の準備に入った。

負債総額は約9000万円とされるが、現時点では報道時点の金額であり、今後の債権調査などによって変動する可能性がある。

なお、2026年11月4日時点で破産申請日や破産手続き開始決定は確認できていない。

企業概要

企業名 株式会社味匠お届け料理センター
主要事業拠点 香川県坂出市
設立 2020年1月
法人番号 9470001017830
主な事業 仕出し料理・弁当製造販売、焼肉店事業
売上高 約2億7000万円(2026年6月期)
事業停止日 2026年11月2日
今後の手続き 自己破産申請準備
負債総額 約9000万円(報道時点)

※2018年に破産した株式会社SK産業(旧・味匠)と、今回事業を停止した株式会社味匠お届け料理センターは別法人です。

関連記事:「カルビ屋大福」(株)味匠(香川)/会社分割 再建へ(2018年6月4日)

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