【青森】青果物輸送の水尻運送が破産申請準備 売上1.78億円から減収、過去に運転時間違反の行政処分
青森県十和田市の貨物運送業者、有限会社水尻運送(法人番号:3420002017071)が、2026年11月2日までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任して自己破産申請の準備に入った。
負債は2026年3月期末時点で約8000万円。青森県産の青果物や建設資材、農業機械などの輸送を手掛け、ピークとみられる2012年3月期には年間売上高約1億7800万円を計上していた。しかし、同業他社との競争やドライバーの退職、燃油価格の上昇などで収益が悪化し、長く債務超過の状態にあったとされる。
青森県産の青果物などを全国各地へ輸送
水尻運送は1974年12月に創業したとされる運送業者。十和田市を拠点に、青森県産の野菜や果物、米などの農産物を各地の市場へ輸送するほか、建設資材や農業機械の運搬も手掛けていた。
過去の求人資料には、三戸町や八戸市、五戸町、津軽地方などからリンゴを長野県方面へ運ぶ業務や、三沢市、十和田市、六ヶ所村などからニンジンを栃木県方面へ輸送する業務が紹介されている。
大型トラックによる長距離輸送を主体とし、青森県の農産物流通を支える輸送業務を展開していた。
売上高は2012年3月期に約1億7800万円を計上したが、その後は同業他社との競争などから減少。近年の年間収入高は1億円を大きく下回る水準に落ち込んでいたという。
2011年に運転時間違反で行政処分、170日車の使用停止
同社は過去に、トラック運転者の勤務時間に関する法令違反で行政処分を受けていた。
国土交通省東北運輸局が2011年4月1日に発行した「東北運輸局報」第956号によると、同社の本社営業所は2011年2月16日、運転者の最大拘束時間および連続運転時間の基準違反などにより、輸送施設の使用停止処分を受けた。
処分対象は車両3両で、使用停止は合計170日車。違反点数は17点だった。
170日車とは、対象車両ごとの使用停止日数を合計したものであり、事業者の全営業を170日間停止したという意味ではない。
同社の経営悪化については、行政処分の影響や運転手の定着難も指摘されている。ただし、この処分は今回の事業停止より15年以上前のものであり、行政処分と2026年の経営破綻との直接的な因果関係は確認できていない。
2026年3月にも大型トラック運転手を募集
同社は近年も大型長距離トラック運転手の募集を続けていた。
ハローワークの過去の求人記録によると、2026年3月13日付で11トン以上の大型トラック運転手を募集。2025年7月や2024年にも同様の求人が確認できる。
求人の継続だけで採用難の程度を判断することはできないが、経営悪化の背景としてドライバーの退職が相次いだことが伝えられている。
長距離輸送を主力とする同社にとって、運転手の確保は輸送体制を維持するうえで必要な条件だった。
燃油高と価格転嫁の遅れで赤字が継続、長期の債務超過
経営面では、売上高の減少に加えて燃油価格の高騰が収益を圧迫していた。
輸送コストが上昇するなか、運賃への十分な価格転嫁が進まず、赤字決算が続いていたという。長期間にわたって債務超過の状態にあり、金融機関に対して借入金の返済条件変更なども行っていた。
しかし、ドライバーの退職が相次いだうえ、主力得意先との取引解消も発生。収入の減少と資金繰りの悪化に歯止めがかからず、事業の継続を断念した。
負債は2026年3月期末時点で約8000万円とされるが、破産申請時点の確定額ではない。また、債務超過額や金融債務の内訳は確認できていない。
11月2日までに事業停止、自己破産申請を準備
同社は2026年11月2日までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任した。
今後、自己破産申請を進める予定とされる。現時点で裁判所への破産申請や破産手続き開始決定は確認できていない。
地方運送会社を取り巻く事業環境では、運転手の確保と燃油費などのコスト負担が重要な経営課題となっている。水尻運送については、これらに加えて主力取引先との取引解消が重なり、事業継続が困難となったとされる。
有限会社水尻運送の概要
| 法人名 | 有限会社水尻運送 |
|---|---|
| 所在地 | 青森県十和田市 |
| 法人番号 | 3420002017071 |
| 創業 | 1974年12月とされる |
| 主な事業 | 一般貨物自動車運送、青果物・農業機械・建設資材などの輸送 |
| 過去の売上高 | 2012年3月期:約1億7800万円 |
| 近年の売上高 | 1億円を大きく下回る水準とされる |
| 負債総額 | 約8000万円(2026年3月期末時点) |
| 事業停止 | 2026年11月2日まで |
| 現在の手続き | 自己破産申請準備 |
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