【東京・宮城】アイスコーン製造の日東コーンが破産申請準備 年商22億円から5.2億円に減少、人手不足で採算悪化
アイスクリーム用コーンなどを製造する日東コーン株式会社(東京都中央区八丁堀、法人番号:9010001132907)が、2026年11月2日までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任して自己破産申請の準備に入った。負債総額は2025年12月期決算時点で約2億9,000万円。
同社は1961年設立の老舗食品メーカー。宮城県大崎市に仙台工場を構え、アイスクリーム用コーンを主力に、ロールケーキやブリュレ、ドーナツ、タルトなどの洋菓子製造も手がけていた。大手アイスクリームメーカーなどに販路を持ち、1990年代前半には年商約22億円を計上していた。
しかし、2025年12月期の売上高は5億2,778万円まで縮小。需要の増加に対応するため事業拡大を計画したものの、人材確保が進まず採算が悪化。原材料費や人件費の上昇も重なり、資金繰りが限界に達した。
紙芝居用の煎餅製造から出発、1961年に法人設立
日東コーンの公式サイトによると、同社の事業の原点は紙芝居用の煎餅製造にある。
戦後、国内でアイスクリーム需要が高まったことを受け、アイスクリーム用コーンカップやモナカの製造に進出。1961年1月に日東コーン株式会社を設立した。
1971年には宮城県大崎市三本木に仙台工場を設置し、生産拠点を整備。1985年からは冷凍洋菓子の製造も開始し、アイスクリーム用コーンにとどまらない商品展開を進めてきた。
主力のアイスクリーム用コーンのほか、ロールケーキ、ブリュレ、ドーナツ、タルトなどデザート関連商品を製造。大手アイスクリームメーカーなどへの供給実績を重ね、1990年代前半には年間売上高約22億円を計上する規模に成長していた。
年商22億円から5.27億円に縮小、ピーク比約76%減
その後、事業環境の変化などから売上高はピーク時を大きく下回る水準となっていた。
1990年代前半に約22億円あった年間売上高は、2025年12月期には5億2,778万円となった。ピーク時と比較すると約16億7,200万円、率にして約76%の減少となる。
ただし、両期間には30年以上の隔たりがあり、その間の詳細な売上推移は明らかになっていない。
近年は需要の増加に対応するため事業拡大を計画したものの、必要な人員の確保が進まず、生産体制の拡充に苦戦していた。
2025年12月期は人員不足などの影響で前期から減収・減益となり、収益環境は一段と厳しさを増していた。
需要増への対応図るも人材確保できず、採算悪化
経営悪化の大きな要因となったのが、人材確保の難しさだった。
同社は増加する需要に対応するため事業規模の拡大を計画していた。しかし、人材の採用が思うように進まず、製造体制の確保が課題となっていた。
加えて、原材料価格や人件費の上昇が収益を圧迫。十分な採算を確保できず、売上総利益が赤字となるなど厳しい経営状況に陥っていたという。
需要があっても必要な製造人員を確保できなければ、受注への対応や生産効率に制約が生じる。日東コーンの場合も、人材確保の難しさと製造コストの上昇が重なり、事業拡大による収益改善を実現できなかった。
宮城県大崎市に仙台工場、食品安全認証も取得
製造拠点となっていたのは、宮城県大崎市三本木の仙台工場である。
同工場は1971年に設置され、アイスクリーム用コーンや冷凍洋菓子などの製造を担ってきた。東日本放送の報道によると、工場には約30人の従業員が勤務していた。
同社は食品安全管理にも取り組んできた。公式サイトによると、2010年には仙台工場で食品安全マネジメントシステムの国際規格「ISO 22000」を取得。さらに2016年4月には、食品安全システム認証「FSSC 22000」の取得を発表していた。
同社が公表した食品安全方針では、原材料の仕入れから製造、物流に至る各工程の管理を重視していた。
こうした食品安全管理体制の整備を進めていた一方、近年は人員確保と収益改善が大きな経営課題となっていた。なお、認証の事業停止直前の有効状況は確認できていない。
工場設備の今後の取り扱いや従業員の処遇などについては、現時点で詳細が明らかになっていない。
負債約2.9億円、11月2日までに事業停止
人材不足に伴う採算悪化や製造コストの上昇などで厳しい経営が続き、資金繰りの改善も進まなかったことから、2026年11月2日までに事業を停止した。
事後処理を弁護士に一任し、自己破産申請の準備に入っている。負債総額は2025年12月期決算時点で約2億9,000万円。
なお、現段階では破産申請の準備段階であり、裁判所による破産手続き開始決定は確認されていない。
大手アイスクリームメーカーなどに販路を持っていたが、具体的な取引先企業名や製品供給への影響については明らかになっていない。
人手不足が食品製造業の事業継続を左右する課題に
今回の経営破綻で注目されるのは、需要の増加に対応するための事業拡大を計画しながら、人材確保が進まず採算を悪化させた点だ。
食品製造業では、原材料費や人件費が上昇するなか、生産量の確保と製造コストの管理が経営上の重要な課題となる。
日東コーンは大手メーカーなどとの取引実績を持ち、食品安全管理体制の整備も進めていた。しかし、近年は人員不足による減収・減益が続き、経営改善につなげることができなかった。
設備や品質管理体制を整えていても、必要な人員を確保できなければ生産能力を十分に発揮することは難しい。同社の事例は、受注や需要の確保に加えて、生産体制と採算性を両立させることの重要性を示している。
1961年の設立から65年。アイスクリーム用コーン製造を中心に事業を展開してきた老舗メーカーが、約2億9,000万円の負債を抱えて事業継続を断念した。
日東コーン株式会社の企業概要
| 企業名 | 日東コーン株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 東京都中央区八丁堀 |
| 法人番号 | 9010001132907 |
| 設立 | 1961年1月 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 製造拠点 | 仙台工場(宮城県大崎市三本木) |
| 事業内容 | アイスクリーム用コーン、冷凍洋菓子などの製造・販売 |
| ピーク売上高 | 約22億円(1990年代前半) |
| 直近売上高 | 5億2,778万円(2025年12月期) |
| 事業停止 | 2026年11月2日まで |
| 法的手続き | 自己破産申請準備 |
| 負債総額 | 約2億9,000万円(2025年12月期決算時点) |
関連記事・参考資料
お住まいの地域・都道府県から最新の倒産情報を確認できます
従業員・取引先・利用者が確認すべき手続きと相談先はこちら





