【青森】十和田東病院が11月末閉院 一般50床・43年の歴史、病児保育の受け皿も焦点
青森県十和田市で43年間にわたり診療を続けてきた「十和田東病院」が、2026年11月30日をもって閉院する。運営する医療法人赤心会が公式サイトで発表した。同院は1983年(昭和58年)に開業し、現在は一般病床50床を有している。
病院によると、外来診療は11月14日(土)まで通常通り実施する予定。通院中の患者に対しては、今後の治療について主治医に相談するよう呼びかけている。
また、同院には定員6人の病児・病後児保育所「里の森」が併設されてきた。十和田市はこれまで病児保育を市内1施設で実施しており、病院の閉院に伴う保育サービスの受け皿についても確認が必要となっている。
1983年開業、43年間の診療を終了 外来は11月14日まで
十和田東病院は、医療法人赤心会が運営する地域の医療機関。1983年に開業し、十和田市を中心とする地域の患者に医療サービスを提供してきた。
病院の公式サイトでは、小児科、内科、循環器科のほか、整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科を診療科目として案内している。ただし、整形外科とリウマチ科は入院患者を対象とし、リハビリテーション科は同院で手術を受けた患者を対象としている。
病院は閉院のお知らせで、1983年の開業以来43年間にわたり地域医療を担ってきたことに触れ、患者や地域住民への感謝を表明した。
閉院の理由について、公式発表では「諸般の事情」と説明している。一方、7月29日付の地元紙・デーリー東北は、建物の老朽化などを理由として病院が閉院を決めたと報じている。
現時点で、病院の資産や負債、医療法人全体の財務状況、従業員の処遇、建物の閉院後の利用方針などについては確認できていない。閉院をもって医療法人赤心会が破産や解散に至ったと判断できる情報もない。
一般病床50床を有する病院 小児科・内科などを診療
厚生労働省の医療情報ネットと日本医師会の地域医療情報システムによると、十和田東病院の病床数は一般病床50床となっている。
病院公式サイトでも50床と案内しており、入院医療のほか、小児科や内科などの外来診療を行ってきた。
地域医療情報システムでは、同院は十和田市を含む上十三地域医療圏に位置付けられている。50床の一般病床を持つ病院の閉院となるため、入院患者の今後の受け入れ先や地域内での医療機能の確保も重要となる。
ただし、同院の病床が実際にどの程度稼働しているか、閉院までに患者がどの医療機関へ移るか、医療従事者がどこへ移籍するかなど、具体的な情報は確認できていない。
病児・病後児保育所「里の森」も併設 定員6人、市民は無料で利用
十和田東病院には、病気や病後の回復期にある子どもを一時的に預かる病児・病後児保育所「里の森」が設けられてきた。
病院と十和田市の公開案内によると、利用定員は1日6人。月曜日から金曜日は午前7時30分から午後4時30分まで、第1・第2・第4土曜日は午前7時30分から午後1時までの利用時間が設定されていた。
対象は、病気や回復期のため集団保育が難しく、保護者が仕事などの理由で家庭保育を行えない子ども。利用前には病院小児科で診察を受ける仕組みで、十和田市民の利用料は無料とされていた。
こうした病児保育は、子どもの急病時に保護者が仕事を休まなければならない負担を軽減するサービスでもある。
一方、病院の閉院が決まった現在、「里の森」の実際の事業終了日や、別施設への移転・引き継ぎの有無については、最新の公式資料で確認できていない。病院と十和田市の施設案内は残っているものの、今後も利用できることを保証する情報ではない。
市の子育て支援計画では病児保育を年間510人日と推計
十和田市が2025年3月に策定した「第3期十和田市子ども・子育て支援事業計画」では、当時の病児保育事業について、市内1施設で実施していると説明していた。
同計画によると、2023年度の病児保育の利用実績は延べ447人日。2024年度は延べ410人日を見込み、2025年度から2029年度までの利用需要を各年度510人日と推計していた。
ここでいう「人日」は、利用した人数と利用日数を組み合わせた単位であり、実際に利用した子どもの実人数ではない。
同計画は既存施設を維持することを前提に、病児保育の提供体制を確保するとしていた。しかし、計画策定後に十和田東病院の閉院が決まったため、当初想定した供給体制と現在の状況を改めて照合する必要が生じている。
2026年9月の十和田市議会でも、病院閉院に伴う病児・病後児保育の今後が一般質問の対象となった。
新たな受け入れ施設の確保や既存施設への事業移管などについては、現時点で具体的な実施内容を確認できていない。病院の閉院後に病児保育をどのような形で提供するのか、今後の市の対応が注目される。
運営法人・病院概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 病院名 | 十和田東病院 |
| 所在地 | 青森県十和田市 |
| 運営法人 | 医療法人赤心会 |
| 法人番号 | 7420005005664 |
| 開業 | 1983年(昭和58年) |
| 病床数 | 50床(一般病床) |
| 診療科目 | 内科、循環器科、小児科、整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科(診療対象に制限がある科目を含む) |
| 併設施設 | 病児・病後児保育所「里の森」(現在の運営状況は要確認) |
| 通常外来診療 | 2026年11月14日までの予定 |
| 閉院予定日 | 2026年11月30日 |
閉院後の診療・子育て支援体制が課題に
十和田東病院は11月30日の閉院に向け、通常の外来診療を同月14日まで行う予定としている。患者の今後の治療については、主治医との相談を求めている。
今後は、50床の入院機能を地域の医療機関がどのように受け止めるかに加え、病院に併設されてきた病児・病後児保育サービスの提供体制が確認事項となる。
ただし、現時点で具体的な患者の受け入れ先や保育事業の移管先を確認できておらず、地域内の医療・保育サービスがどの程度減少するかを数値で断定することはできない。
1983年から続いた病院の閉院は、医療機関としての歴史に区切りを付けるだけでなく、同院が担ってきた医療と子育て支援の機能を改めて確認する機会となっている。
※2026年11月2日時点の確認情報。病床数は病院公式・医療情報ネット等の掲載値。病児保育の利用実績・将来推計は2025年3月策定の十和田市計画によるもので、現在の施設運営状況や代替サービスの確保を示す数値ではない。閉院と医療法人の法的整理は異なる。





