アイコン 第11大栄丸沈没、12名行方不明!

第7蛭丸の呪い?海底からのメッセージ?

4月14日午前8峙25分ごろ、平戸市沖合約13キロの海域で、平戸市生月町の大栄水産(株)所属の巻き網漁船第11大栄丸(135トン)が2回にわたる 大波を受け、舵取りが利かず転覆、沈没した。乗組員22人のうち10人が仲間の船に救助されたが、塚本善紀船長ら12名が行方不明となっている。

第11大栄丸は14日午前7時ごろ生月島の舘浦港を出港し、五島列島の西沖合のアジ、サバ漁に向かう途中だった。現場海域で遭難救助にあたる第 7管区海上保安本部、海上自衛隊、警察ほか関係各位におかれては生存の安否が気遣われるなか、可能な限りの救助態勢をとってもらい、1名でも多くの人が生 還することを希求する。
降ってわいたような今回の海難事故で思い出されるのが平成5年2月21日深夜の第7蛭丸(80トン)の海難事故。


第7蛭丸は五島沖の東シナ海で転覆・沈没したが、120メートルの海底に沈んだ船体には19名の遺体が16年間眠ったままで依然放置されている。乗組員は20名いたが、網師1名だけが海上に投げ出されブイに掴まって浮いていたところを救助された。
第7蛭丸海難事故19名の犠牲者の年齢は当時19~54歳の働き盛りだった。犠牲者の遺体は母港の生月港から目と鼻の先に眠っているにも関わらず 金子漁業は遺休の引き揚げを「不可能」と断定した。遺族の納得のいかないまま髪の毛一本、爪の一つすら今日に至るまで遺族のもとに戻ってはいない。今回の 第11大栄丸海難事故も、家族にとっては最愛の夫であり、父であり息子であり、良き働き手である。残された家族の心痛は察するに余りある。


大栄水産(株)の社長は木川廣義氏でいわゆる金子ファミリーではないが、舘浦漁協の組合長は金子原二郎知事の実兄金子源吉氏。生月島は漁業の町 で、町民のほとんどが第7蛭丸の所有者である金子漁業に何らかの関わりを持ち、日々の糧を得ている。生月局においては金子一族の影響抜きでの生活は考えら れないのである。

金子知事は4月13日の定例会見で「県庁舎問題のような大きな問題の是非を争点にすると、有権者が冷静な判断をしにくくなる。争点にしない方が いい」と見解を語ったが、その通りかもしれない。もっと大きな問題は県庁移転よりもなによりも「人の命の尊さ」であろう。

第7蛭丸海難研故の遺族に対して 金子知事はこれまでどう考え、どういう態度をとってきたのか、今一度長崎県民は今回の海難事故を前にして患い起こすべきである。
海上自衛隊がカメラ付探知器で調べたところ、現場海域水深100メートルのところで第11大栄丸の船体らしき影を確認したとのことである。 100メートルの海底から第11大栄丸が戻ってくるのかどうか速断できる話でもないが、「金子漁業はアニキの会社。オレとは関係ない」と自分にとって都合 の悪いことになるとダンマリを決め込むか、苦しい言い訳をしてきた金子知事が今回の海難事故を人間としてどう捉えるのか注目されるところである。
第7蛭丸の海底からの痛恨のメッセージがまさに今、送られてきたのである!(続く)

[ 2009年4月14日 ]
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