アイコン 2010 福岡の分譲マンションシリーズ⑩ 福岡市近隣、西と南

福岡市の西隣は糸島市、南は春日・大野城・大宰府・筑紫野・那珂川となる。ところが、販売中の物件は全部で6物件しかない。リーマンショックの前は、旧前原市では今宿から前原にかけ何棟も販売されていた。しかし、今では08年12月竣工した周船寺の物件だけである。(JR九大学研都市駅前に3物件販売されていたが何れも完売している。)
福岡市外南も筑紫野市の二日市あたりにいくつもの分譲マンションが開発されていたが、今では販売中の物件が5棟しかなくなっている。

<地場デベロッパーの状況>
福岡市郊外のマンションをリードしてきたのは、地場デベロッパーであったが、リーマンショックで売れなくなったマンションをタタキ売り、今ではその後遺症に悩んでいる。
それでも地場デベロッパーの開発意欲は強いものの、肝心の金融機関がダメダメダメで門戸を閉ざしたまま、後遺症が殆どない新新興デベロッパーが一部で開発しているに過ぎない。
元々デベロッパーへの開発資金は、福岡シティ銀行・佐賀銀行・親和銀行あたりが良く出していたが、福岡シティ銀行は、不動産にお堅い西日本銀行に吸収され、佐賀銀行は不動産資金を引き上げ、親和銀行も不良債権処理で行き詰まり、福岡銀行グループ入りでそれどころではない。九州の雄、福岡銀行はデベロッパーでも限られたデベしか出さず、またサブプライムローン問題当時、言うことを聞かなかったデベへは融資を閉ざしている。
福岡で誰でも認める成功デベは新栄住宅だけであるが、アイランドシティの超高層マンションはサブプライムローン問題が表面化した時に完成、なかなか売れず、また開発していた他の物件もリーマンショックで売れなくなり、すべて手仕舞いすべく新規開発を凍結してしまった。ひと昔前まで雄であったソロンもユニカも昔の面影は全くない。
福岡市郊外の分譲マンション開発は、中央デベは手を出しにくく、地場デベ中心の開発になる。しかし、上述のような地場デベの状況から、販売中の物件が激減しているのである。

エクセル⇒  福岡市郊外、西+南

「サンクレスト周船寺駅」の事業主㈱建創は、沖縄県の沖創建設の子会社である。沖創建設の福岡支店は先般閉鎖されたが、07年9月黒崎駅そばの「コムシティ」を24億円で買った会社として知られる。しかし、核テナントが決まらないまま今日に至っている。また沖創建設を引っ張っていた幹部が独立した話も沖縄から伝わってきている。当マンションについては、建物は地場ゼネコンが建てており全く問題ない。

 福岡市郊外南では、5物件販売されている。そのうち3物件は、新たに開発された物件である。

「アソシア博多南シンフォニープレイス」は、ランディックアソシエイツが事業主。当マンションは太陽光発電型マンションで環境及び電気代が安くなることを売り物にしている。同社は大型商業施設「クリエイト宗像」近くにも販売中の物件があり、後遺症を引きずっていない新新興デベである。
春日市に「アルファステイツ春日」(34戸)を開発中の「あなぶき興産九州」は、東峰住宅とアーサーホームを買収した穴吹興産の福岡子会社である。社長は破綻した穴吹工務店の元社長の兄弟であるが、仲が悪く事業上は全く関係ない。九州で一番元気が良いデベともいえるが、実態は香川県高松市の会社である。鹿児島では、穴吹興産が直接「アルファステイツ照国プレミアムスカイタワー」(61戸、19階建、2010年1月竣工)を販売中である。
最低2,960万円~最高1億円という価格ながら、後5戸を残すだけとなっており、不況下においても営業力の強さを見せ付けている。穴吹グループは福岡で4物件、熊本で2物件、宮崎で1物件、鹿児島で3物件の計10物件を販売中である。

JR九州の「MJR大野城曙町」は、110戸と大型であるが、来年7月竣工予定ながら既に36戸を残すだけとなっている。場所次第で販売好調に転じていることが伺える。

「ネクサスリベロ大野城駅前」は、福岡地所が開発した物件で昨年末完成した84戸の分譲マンション、後4戸を残すだけとなっている。福岡市郊外南はベッドタウンとしての機能を持ち、場所さえ間違わなければ、売れる時期に突入している。
これまで業界をリードしてきた地場新興デベロッパーは、金融機関がゼニを出さないため、指を咥えてみているだけとなっている。
地場金融機関は、地場デベの開発プロジェクト融資姿勢の緩和が求められている。
 

[ 2010年7月13日 ]
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