北朝鮮危機 従北派ムン・ジェイン大ピンチ
かつて米国のブッシュ大統領が北朝鮮を悪の枢軸国と名指しで批判したが、もう一つの悪の枢軸国といわれたイラクのフセイン大統領の最後は惨めすぎた。
ここまで北朝鮮に舐められ、北朝鮮の機関紙、労働新聞に、米国によるいかなる攻撃にも反撃する用意があるとまで挑発された揚句に、われわれの核の照準は韓国と太平洋区域の米国の侵略的基地だけでなく、米国本土にも向いている」とまでやられたら、世界の警察国である米国もだまってはいないだろう、と思うのが正常な人の考えである。
こんな時になっても「森友が~」って言っていられる脳天気な民進党の先生方は幸せである。
きょうも、(農と島のありんくりん)を紹介します。
農と島のありんくりん
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移り変わる自然、移り変わる世情の中で、真実らしきものを探求する
北朝鮮危機 従北派ムン・ジェイン大ピンチ
遅いですが、外務省が韓国に渡航する人に対する安全情報を出しました。
「外務省は11日、韓国に滞在、渡航する人に対して最新の情報に注意するよう促す海外安全情報(スポット情報)を出した。
「ただちに邦人の安全に影響がある状況ではない」としつつ、「北朝鮮は核実験や弾道ミサイル発射を繰り返している」として、朝鮮半島情勢に関する最新情報に注意するよう呼びかけた。
滞在が3カ月未満の場合は外務省への旅行の登録、3カ月以上の場合は在留届を提出することも求めている。
最近の韓国のスポット情報では3月、朴槿恵大統領(当時)の弾劾(だんがい)に関する大規模デモをめぐって出された。
一方、北朝鮮による弾道ミサイル発射をめぐっては昨年2月、韓国や中国などを対象に注意を促す広域情報が出された」(朝日 2017年4月12日)
さて、不思議な現象が起きています。
もう避けられないコースと思われていた自殺への直滑降に、韓国国民がようやくためらいを見せ始めたことです。
大変に結構なことですが、言うまでもなく、原因は北朝鮮ショックです。
北朝鮮はよほど頭に血が昇っているとみえて、「われわれの核の照準は韓国と太平洋区域の米国の侵略的基地だけでなく、米国本土にも向いている」と言ってのけてしまいました。
「太平洋区域」というのは、日本とグアムを指すと思われます。
「[ソウル 11日 ロイター] - 北朝鮮は、米国による先制攻撃の兆候があれば米国に核攻撃すると警告した。米原子力空母などが太平洋西部に向かっているが、北朝鮮の機関紙、労働新聞は、米国によるいかなる攻撃にも反撃する用意があると表明した。
わが革命的に強力な軍は、敵部隊のあらゆる動きに目を光らせており、われわれの核の照準は韓国と太平洋区域の米国の侵略的基地だけでなく、米国本土にも向いている」と指摘した」(ロイター4月11日)
こういう軍事攻撃目標を、あからさまに口にしないで、せいぜいが匂わすていどに抑えて、それで逆にビビらせるというのが奥ゆかしい国際常識です。
ましてや核兵器を使うぞ、というのですからそうとうなもんで、正恩は父親から瀬戸際外交という金王朝の家伝を伝えられなかったと思われます。
二代目は瀬戸際外交の名手でしたが(褒めているのではありませんよ)、それは「核攻撃するぞ」などというどぎついことを言ってしまってはお終いです。
しかも相手が長年の「南朝鮮」工作が実って、めでたくも熟柿のように自ら金王朝の膝下に入ろうとしていた韓国相手にです。
正恩君、青いね。
ひと頃次期大統領確定のうわさすらあったムン・ジェイン(文在寅)など、「当選したら真っ先に北朝鮮に行く」などと正恩を喜ばせることを言っていました。
ムン・ジェイン候補
ムンさん絶好調の時の発言です。
http://japanese.donga.com/List/3/all/27/429106/1
「『私たちの経済活動の領域を北朝鮮と大陸に広げ、韓半島の新しい経済地図を描くべきだ』
野党新政治民主連合の文在寅(ムン・ジェイン)代表は16日、光復(日本植民地支配からの独立)70周年の記者会見に臨み、「経済統一は、わが経済を立て直せる政権担当ビジョンだ」として、こう述べた。
文代表は、また6者協議再開に向けて、事前に南北間と米朝間の「2+2会談」を開き、与野党代表は5・24対北朝鮮制裁措置の解除の求める公開書簡を朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に送ることを提案した」(東亜日報2015年8月17日)
パク・クネが3月31日に逮捕され、3.2坪の独房に入れられ、1日の食費はなんと145円というアムネスティもびっくりの境遇に落ちたあたりまでは、ムンと「共に民主党」は順調に支持を伸ばしてきました。
ハフィントンポスト
没落した先代覇王を水に落ちた犬を叩けとばかりに追い詰めて復讐心を満足させるのが、かの国の伝統芸ですからね。
韓国大統領は職を失ったら最後、大方これで畳の上で死ねません。
それはさておき3月末の「共に民主党」の政党支持率は45%、ムンの支持率31%で独走態勢に入っていました。
ムンは学生運動家上がりで逮捕歴までありますし、人権派弁護士だったそうです。
うちの国の野党にもよくいて、総理や官房長官になったりしましたっけね。
ノムヒョンの秘書を務めていましたので、ノムヒョン2代目と見ていいでしょう。
このムンの対北政策は対話で核問題を解決するというものでした。THAAD配備も撤回すると主張しました。
反日なのは大統領候補としての基礎教養みたいなものですから、あえて触れません。
アン・チョルス候補
一方、保守党の「セヌリ党」は分裂した上に、これといった候補者不在で自滅。もうムンは大統領一直線かと見られていました。
保守としては情けないことに、頼りないが第2野党候補のアン・チョルス(安哲秀)で統一するしかないという、いわばかつての朝鮮戦争時の釜山陣地のような状況に陥っていたわけです。
アンはTHAAD配備に関して「合意を護るべきである」という至極まっとうな意見の持ち主でした。
しかしいかんせん、ムンにはパク・クネを追い落した時の氏神がついています。
ムンの雪崩的勝利をこの私も含めてだれしも確信したのがこの3月末から4月にかけての時期だったわけですが、なんと北朝鮮からとんでもない「支援」がムン陣営に届いてしまいました。
韓国人の宗教のひとつに、「北朝鮮は同胞だから核兵器は使わないさ」というものがあります。
なんの根拠もない思い込みですが、上の漫画のように自分の安全が誰によって守られているのか見ないのですから、米国にとっても忌ま忌ましいかきりだったでしょう。
この構図は沖縄の「平和運動」にもあります。
それはさておき、その韓国人の宗教にヒビが入ったのが、4月に入ってからです。
4月4日、東亜日報の世論調査で、ムンが41・7%に対 して、アンが39・3%、その差がわずかに2・7%だと判明しました。
4月6日、さらに流れの変化がくっきり出ます。
同日の各社の世論調査では、「2人の対決なら」という設問に対して中央日報はアンが50・7%、ムンが42・7%、YTNテレビによればアン47・0%、ムンが40・8%と共に逆転となりました。
この数字については朝日系のハフィントン・ポストが疑念を出しているので、割り引いて拮抗したくらいだというのが真相でしょう。h
ttp://www.huffingtonpost.jp/2017/04/10/korea-presidential-election_n_15929010.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001
この時期、米韓合同演習が続き、北朝鮮は景気よくミサイル発射を繰り返していました。
その上、北朝鮮のサイバー攻撃で、米韓軍事作戦「5027」も流出したらしいことが分かり上へ下への大騒ぎです。
そして韓国は蚊帳の外での米中会談が開かれ、北朝鮮のパトロンの中国もさじを投げたようだと分かったのは、先日お伝えしたとおりです。
トランプはカール・ビンソン空母打撃群を、朝鮮半島海域に進めました。
これは本来ここを守備範囲にしているロナルド・レーガンが横須賀でドック入りしているためですが、正恩にとってすこぶる刺激的だったと見えます。
またワスプ級強襲揚陸艦マキン・アイランドを旗艦とし、強襲揚陸艦3隻を持つ上陸準備戦隊(ARG)は、現在南シナ海を通過して、これも朝鮮半島水域に向かっています。
これには第11海兵遠征部隊(MEU)が乗り組んでいます。
一方、佐世保を母港とするボノムリシャール上陸準備戦隊は現在、朝鮮半島水域に既にいて米韓共同訓練を実施しています。
この上陸戦隊には、第31海兵遠征部隊2200人が所属しています。
そして3月31日、このふたつの海兵隊上陸戦隊4400人に加えて、米国本にいた米海兵隊の主力である米第1海兵師団が戦闘準備態勢評価を終了し、東アジア・太平洋地域に投入される予定です。
このように、軍事オプションを取るか取らないかは別にして、しっかりと北朝鮮制裁の水圧プレッシャーが作動を開始したのです。
4月11日、これに耐えられなくなった正恩が発した暴言が、冒頭の「核の照準は韓国」という同胞に対する核攻撃予告でした。
「当選したら真っ先に正義恩に会いに行く」と言ってしまった従北派のムンにとっても同じく、水圧プレッシャーの下で暮らすような日々が続くことでしょう。
ところで、こういう緊迫した時期に中国に行く翁長さん、きっと中国に北朝鮮を説得してくれと頼みにいくのでしょう。
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