アイコン NIMSの次世代のリチウム空気電池開発にソフトバンク出資 王永剛研究員が主問題解決

 

 

物質・材料研究機構(NIMS、茨城県つくば市)とソフトバンクは11日、次世代の電池とされるリチウム空気電池の開発を共同で行うと発表した。
ソフトバンクがNIMSに2年間で10億円超を出資。NIMSが同社社員とともに約50人規模の研究拠点を設立し、2025年ごろの実用化を目指す。

リチウム空気電池は、空気中の酸素との化学反応で発電する。携帯電話やノートパソコンなどに使われるリチウムイオン電池に比べ、エネルギー密度が5倍以上高い。
実用化できれば電池の小型化や大容量化につながり、電子機器の高性能化やモノをインターネットにつなぐIoTなどへの応用が期待できる。

この電池の基礎研究を進めてきたNIMSに、ソフトバンクが着目し出資を呼びかけて実現した。

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日本では企業による大学や研究機関への投資が少なく欧米に比べ遅れている。この提携が大規模な産学連携のモデルになるか注目される。

記者会見したNIMSの橋本和仁理事長は「基礎研究の段階で夢を持って投資してくださるのは大きな話。我々は世界のトップを走っているので、製品化までトップで進めたい」と述べている。
ソフトバンクの宮川潤一副社長は「電池なくして人類の発展はありえない。実現できれば新たな日本の国力になる」と話した。
以上、
元々リチウム空気電池の研究は、産総研の王永剛氏らのグループが行い、主要問題を解決していた。実用化に向け、研究開発が産総研からNIMSに移ったのだろうか。
産総研の王永剛氏がいなければ開発も遅れようが。何故に・・・。

<リチウム空気電池>
金属リチウム-空気電池は、金属リチウムを負極活物質とし、空気中の酸素を正極活物質とし、充放電可能な電池。一次電池、二次電池、燃料電池を実現可能。

原型は米国で特許となっており、その後、日本で改良した別方式を開発、いずれも実用化は未だされていない。
負極は金属リチウムと直結し、正極には空気が触れる構造となっており、この電池はリチウムと空気中の酸素との化学反応により放出されるエネルギーを取り出すことができる。

<期待される次世代電池>
現在のリチウムイオン電池(リチウムイオンが負極と正極の間を移動することにより充放電が行われる)には、両電極材の重量当たり充放電容量が小さいという問題がある。
一方、リチウム・空気電池は、正極の活物質に空気中の酸素を利用するので、原理上、正極は充放電容量の制限にならない。
このためリチウム・空気電池がリチウムイオン電池に取って代わることも期待されている。
<原型の問題点と新しい構造>
原型では、放電によって両極間の有機電解液中に生成した酸化リチウムの固体が正極にこびりつくことで、正極と空気の接触が遮断されて放電が止まるなどの問題があった。そのため、実用化はされてこなかった。 2009年、独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)エネルギー技術研究部門エネルギー界面技術研究グループの王永剛が、以上の問題を解決した。
改良法では負極側に有機電解液を正極側に水性電解液を置き、その間を固体電解質で仕切った。
この固体電解質はリチウムイオンのみを通し、他のイオンや分子をすべて遮断する。その結果、両電解液が混合せず、正極側に固体が生成することを防ぐことが可能だと見出した(正極側水性電解液には水溶性の水酸化リチウムが生成されるだけである)。

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[ 2018年4月12日 ]

 

 

 

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