アイコン 下町ロケット?(株)朋栄工業(栃木)/民事再生申請 スポンサー決定

 

 

旧名、加治金属工業(株)で金属表面処理・機械精密加工の(株)朋栄工業(栃木県宇都宮市不動前2-2-46、代表:加治康正)は10月9日、申請処理を村上達明弁護士(電話028-636-7011)に一任して、東京地方裁判所へ民事再生法の適用申請を行い、監督命令を受けた。監督員には、小畑英一弁護士(電話03-6206-1310)が選任されている。
負債額は約23億円。

同社は昭和7年創業の金属表面加工処理および機械精密加工会社。同社は戦前から、中島飛行機、昭和飛行機、大森航空、榛名航空各社の航空機部品硬質クローム専門の鍍金工場として技術力を誇ってきた。
そうした技術力・品質力の高さは、米ボーイング社の特殊行程認証を取得するほど航空機部品の治具の設計から加工、鍍金等の表面処理、組立、検査に至るまでの一貫生産体制を確立している。また、航空機業界の国際工程認証であるNADCAPも取得している。防衛省からも受注している。

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しかし、こうした品質を向上させ続けるためには、多額な設備投資を必要とし、受注とのバランスが崩れた場合、借り入れ過多が表面化する体質にもなっていた。
同社は、旧名、加治金属工業株式会社として、これまでにも再建スキームで栃木県保証協会係のファンドなどの再建支援を受け、昨年12月には、社名を(株)朋栄工業に変更してきたが、この間、受注減少により赤字が続いていた。平成30年4月期には6億円台の売上高まで減少し、資金繰りにも窮するようになり、今回の申請となった。
なお、同社は現在、スポンサーとして(株)新潟事業継承パートナー(官民ファンド)との間で基本合意書締結に向け交渉中である。
以上、

企業に技術力・品質力がいくらあっても、受注できなければ、企業はもたない。仕事は天から降ってくるものではない。民事再生は、その技術力・品質力を営業に結び付けられるかにかかっている。そのためにも航空機製造関係の大手企業がスポンサーに付く必要があろうか。
ボーイング社からの受注も減っているのだろう。米中貿易戦争ではボーイング社は最悪、長期契約分も含め、数千機の航空機の受注に影響する。

 

商 号
(株)朋栄工業
旧名、加治金属工業(株)
本社地
栃木県宇都宮市不動前2丁目2番46号
創 立
昭和7年4月
資本金
3000万円
代表者
代表取締役社長 加治康正
事業所
本社工場:栃木県宇都宮市不動前2-2-46
南工場:栃木県宇都宮市上横田町770-1
事業内容
1.各種金属表面処理並びに鍍金加工
2.精密部品および機械加工部品塗装
3.航空機部品加工並びに治具設計製作
4.板金部品および金型製作
5.装備品、整備機材、設計製作および修理
6.特殊工具類設計製作
7.表面処理設備施工保守
8.航空機部品のブッシュ圧入等のサブ組立
9.電気部品、信号、通信機器加工、組立
10. 表面処理分析および各種試験研究
表面処理資格認定
富士重工業㈱、㈱IHIエアロスペース、日本飛行機㈱、
Boeing(BAC5019 Chromicanodizing/BAC5719bChemical conversion coating)
Bell Helicopter (MIL-A-8625,MIL-C-5541)
McDONNEL DOUGLAS(DPS11.01 Chromic acid anodizing)
防衛庁(MIL-A-8625 Anodizing/MIL-C-5541 Class-1.A Chemical conversion coating/
MIL-C-5541 Class-3 Chemical conversion coating/
MIL-C-26074 Electro-less nickel conversion coating)
 
 
沿革
1932(S7)
東京都台東区西町20番地に加治メッキ設立
1937(S12)
中島飛行機、昭和飛行機、大森航空、榛名航空、各社の航空機部品硬質クローム専門鍍金工場となる
1943(S18)
陸軍、海軍航空機監督工場に指定される
1945(S20)
戦災により工場を消失し、宇都宮市現在地に移転、中島飛行機宇都宮の航空機部品鍍金専門工場となる
1946(S21)
日本鉄鋼㈱宇都宮工場の専属指定工場となる
1959(S34)
防衛庁検定合格工場となる
富士重工業㈱特殊工程認定取得
1967(S42)
機械事業部を設立
1972(S47)
加治金属工業と社名変更
機械事業部第二工場を設立、精密機械部品及び治具等の製作を開始する
1976(S51)
精密電気機器事業部を設立
1985(S60)
通産大臣より表彰
1989(H1)
全自動アノダイズ、アロジンライン及び塗装工場新設
ボーイング社、マクダネルダグラス社の特殊工程認定取得
1992(H4)
直冷式自動亜鉛鍍金ライン導入
1995(H7)
日産自動車㈱の特殊工程認定取得
1997(H9)
防衛庁取引資格承認
1998(H10)
自動化成皮膜処理ライン導入
日本飛行機㈱の特殊工程認定取得
2000(H12)
ISO9002認証取得
2001(H13)
南工場設立
2003(H15)
ISO9001およびJISQ9100取得
2004(H16)
防衛庁契約本部より表彰
2005(H17)
ファイバーオプティクスEXPOに開発品を出展
2006(H18)
NADCAP認証取得
2007(H19)
機械要素技術EXPOに出展
2008(H20)
ISO14001:2004認証取得

 

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[ 2018年10月10日 ]

 

 

 

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