アイコン 中国のEV戦略は自国メーカーのため 18年NEV規制導入

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現在、中国ではEVに対して、高額購入補助金や優先的ナンバープレート取得策がとられ、16年には、バスなど商業車含む環境車(EV・PHV・FCV)の販売台数は50.7万台だった。うちEVの販売台数は前年比65.1%増の40.9万台、PHVの販売は17.1%増の9.8万台。今年も3割以上増加している。
中国政府は、2025年における中国民族系メーカーのEVなど環境車の販売目標台数を年間300万台に設定している。
2016年の中国の乗用車販売台数は2,437万台、うち民族系の販売台数は1,052万台、シェアは43.3%だった。

<歪な蓄電池の認可制度>
ここで一番問題となるのは蓄電池、今年からバスの蓄電池は国家の認可制となっており、認可を受けていない蓄電池でのEVバスは補助金を受けられない。バスはEV販売車両台数の40%前後に達する。
EVにおける蓄電池のコストは1/3~1/2とされ、認可蓄電池搭載車以外は販売の見込みはない。

その蓄電池の認可制度であるが、認可されている蓄電池メーカーは57社、民族メーカーが殆どで、外資系は見当たらない。中国に進出しているパナソニック、サムスン、LGも認可されていない。特にサムスン、LGは三元系リチウムバッテリーで世界最先端を行くが、あまりの強さにTHAAD問題以前から煙たがられ、安全性の問題を理由に挙げ、THAAD問題も発生し、完全にパージしている。
中国勢はカナダ社特許を中国政府が無効にした、蓄電容量が少なく、放電率も低いものの安全性の高い「リン酸鉄リチウム」系の蓄電池を生産している。

米トランプの米経済保護政策を、中国は以前から採り続け、さらに強化している。米トランプが保護政策を採ることにより、中国は安心して保護策を強化しているようだ。

<18年導入のNEV規制>18年8%、20年12%超
中国政府は2018年からNEV規制を導入する。中国政府は18年から環境車に対する補助金を減らし、20年には全廃するという。
その代わり、自動車メーカーに対して、販売台数に応じた一定量を環境車の販売にすることを義務付ける。18年は8%(決定)、20年には12%以上(目標)の環境車販売を義務付ける。

国が補助金を出さなくて済むEVメーカーに対する補助方式の変更でもある。EVメーカーにクレジット代金が計算どおり集まらなければ、EVが売れたことになり、20年の販売目標を切り上げることになる。

違反メーカーは、EVメーカーから、未達成車両分のクレジットを購入し、EVメーカーに支払うことになる。

二酸化炭素の排出権取引と同じで、米カルフォルニア州がすでに導入している。テスラはこのクレジットで未達成メーカーからの受け入れで350億円前後(昨年)稼いでいる。

<最大の障壁は国内メーカーだけに認可される蓄電池>
中国政府が、NEV規制と同時に蓄電池メーカーも認証メーカーだけに指定するならば、外資メーカーは、これまでエンジン機関の利益が大きく、自社関連企業からの蓄電池が使えなくなり、利益が出ず、殆どの外資メーカーが中国市場からパージされることになる。

中国政府が歩み寄るかもしれないが、政府のさじ加減一つの中国自動車市場には変わらない。
ただ、中国メーカーの安全性・品質は高まったとしても、外資系メーカーの領域までは高まっていない。基本が、エンジンが電気モーターに変わるだけで、動力駆動伝達系、制御系などにおいてまだまだ多くの差がある。また、蓄電池のエネルギー効率=走行距離の問題もある。
そうしたことから、雇用を膨大に生み出している外資系自動車業界にあり、中国政府も強気一辺倒では事は進まないと見られる。
また、購入者は消費者であり、まだ走行距離も短く、充電に時間もかかり、充電スポットも都市部に限られ、こうした問題が解決しなければ、広い中国でEVがこれまでどおり売れ続けるかは不明な点も多い。

(ただ、中国政府はドイツと裏取引し、VWだけに対して第3の合弁会社を認可している。認可された電池企業との合弁ではないかといわれている。これまで外資自動車メーカーは2社しか合弁相手を認めていない。合弁は半々の出資を意味する)

習はメルケルと再度蜜月時代を作り上げたいようだ。
当然、英メイ首相や独メルケル首相から嫌われ者になってしまっている我侭な米トランプ対策として利用するために。小泉-ブッシュ関係を模倣するトランプ大好き宰相はわが国だけのようだ。

<大気汚染の元凶は車ではない>
中国の大気汚染は、これまでに排ガス基準が大幅に規制され今や車ではない。車に大気汚染を押し付けることで、自動車産業を自国有利に動かそうとしている。
大気汚染は、低コスト生産させるためにろくに触媒も付けず、燃焼させ続ける石炭、コークス生産、銑鉄生産、各種金属生産、セメント生産、石油精製施設、LNG外での電力生産が元凶である。西域のウイグル地区の石油コンビナートはいつも濃い大気汚染に覆われている。

自動車販売台数の増加と大気汚染の悪化は比例しているというが、実際は、急激に増加させてきた銑鉄生産と比例している。
銑鉄は、石炭をコークスにする時に大気を悪化させ、溶鉱炉で鉄鉱石を溶かすときにも大気を悪化させる。コスト増となることから殆どの生産施設で、大気汚染を大幅にカットできる触媒装置を付けておらず、地球を大気汚染で汚してしまっている。
銭で解決できるものであるが・・・、習さんのお腹のように私腹肥やすことしか中国の国営企業や管理する地方政府は脳裏にない。
 

[ 2017年9月21日 ]
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