北朝鮮への貿易制裁
北朝鮮の貿易は、下記表に示すとおり、その大部分を中国に依存している。武器などの密輸額は把握されない。
北朝鮮がいくら地産地消国だとしても、輸入する文明の製品は必要、またそれを購入するには外貨が必要。その地産地消の食物さえ、豪雨や旱魃で危機に至っている。
石炭は、中国が今年の輸入分を2月まで出ストップしている。しかし、その代わり鉄鉱石が大量に輸入され、石炭はマレーシアに輸出されている。
石油類もすでに発電には、無煙炭を用いるように改変され、現状維持では耐えうる状況に至っている。
北朝鮮2500万国民は、不満を持つ人はいない。不満を持ったとたんに射殺される運命。
また、香港などあちこちの国に貨物船を分散所有しており、全船舶を把握しGPS装置で動きを把握しない限り、密貿易をとめることはできない。
ただ、中国やマレーシア・イランなど東南アジアや中東国が貿易制裁を、国連決議どおり行えば、それなりの効果があろうが、裏もあり、かなり厳しい。
しかし、国連加盟国が決議を遵守するならば、相当な効果が発揮され、北朝鮮が話し合いのテーブルに付く可能性はあるし、そうさせなければならないのだが・・・。
一方で、貿易する国に対して、米国がカケヒキなしに、強力な制裁を加えない限り、個人・小企業やダミー会社において行われる密貿易の監視などしないし、できないだろう。ただ、それがこれまでできなかったのが現実でもある。
後進国・新興国に制裁を加えた場合、中露に靡く国が増加することも事実。マレーシアは首相が巨額不正で欧米から追及された途端に中国に靡き、地域のパワーバランス問題も生じている。
中国の一帯一路軍事戦略が今や東南アジアどころか、中南米・アフリカまで浸透。過去、自国民さえ何百万人も殺害したカンボジアのポルポト政権を支持・支援してきた中国の政治そのものの本質は、現在に至っても何も変わってはいない。
そこで浮上するのが、北朝鮮に関係する米中露による軍事大国協議であるが、この3ヶ国でさえ、話し合える状況にはない。
いくら、感情的に怒っても北朝鮮は超後進国がゆえに失うところは小さく、北朝鮮の思う壺なのかもしれない。今日と似たような昨秋にも米国から北朝鮮へ人道支援は行われ、赤十字は常時、人道支援を続けている。
最低、密輸だけでも止めなければ・・・。
参考、38ノース
http://www.38north.org/2017/09/rfrank091817/
2016年 中朝貿易/KOTRA 百万ドル
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輸出
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輸入
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石炭
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1,181
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電子製品・機械
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829
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繊維(縫製)
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724
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石油類
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372
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鉄鉱石
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225
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繊維製品
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322
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造船類
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190
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プラスチック製品
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205
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鉄鋼製品
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115
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果物
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100
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貿易全体
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輸出総体
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2,800
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輸入総体
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3,700
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・5~10万人の出稼ぎなどがあり貿易黒字
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