アイコン フィリピン政府 米比地位協定を破棄

 

 

フィリピン政府は11日、「訪問米軍に関する地位協定」の破棄を通知したと発表した。ドゥテルテ大統領の指示による措置で、180日後に有効となる。
両国の同盟関係に加え、中国が軍事拠点化を進める南シナ海の問題にも影響を及ぼす恐れがある。
 地位協定は1998年に締結された。両国による合同軍事演習の根拠となっているほか、有事における米軍の迅速な援助を可能としている。
一方、殺人や性犯罪の容疑者となった米兵の拘束を、比側が拒否された事件があり、「不平等だ」と批判されていた。

ドゥテルテ大統領は先月23日、自身に近いデラロサ上院議員が米入国ビザの発給を拒否されたことを受け、協定を破棄すると警告した。

デラロサ氏は警察長官に在任中、大統領が注力する「麻薬戦争」を指揮した。麻薬戦争は非人道的な殺害が多いと欧米から非難されており、ビザの拒否はこの延長線上にあるとみられる。
以上、

トランプ同様、わけの分からないドゥテルテ大統領、しかし、貧困層や若者たちに絶大なる人気を誇る。非人道だろうがなんだろうが麻薬を撲滅させてきていることは評価に値する。ただ、闇の自警団を組織させ、麻薬犯罪者らを自警団に処刑させてきたことは問題だろうが、先進国の思考回路では解決できる問題でもない。

韓国同様、フィリピンのドゥテルテ大統領は、米国と中国を天秤にかけ弄んでいる。
中国とは今年1月、マニラ湾で沿岸警備隊と中国海軍とが合同訓練を実施していた。

元々、フィリピンは米国に対して好意的ではない。
元々フィリピンはスペイン領だったが、独立蜂起の民衆を米国が支援し、スペインを追い出した所までは良かったが、支援したはずの米軍が、蜂起していたフィリピン人たちを攻撃して大虐殺、米国が植民地にしてしまったことを今もってフィリピン民族は根に持っている。
そのため、東洋一だったスービック海軍基地は1991年に、フィリピン政府から出て行けと言われ、同基地から米軍はいなくなった経緯がある。
2015年、南沙諸島に進出してきた中国に対し、フィリピンは領有する島や漁業水域を取られ、今後は取られないように、フィリピン政府(前大統領)は、滑走路もあるスービック元海軍基地に米軍の駐留を要請し、米軍がその後駐留している。
フィリピンもインドネシアも為政者によって、米国への対応はコロコロ変わっている。

かつて、米国寄りの為政者たちは、東南アジアのどこの国も不正巨額蓄財をなし、クーデターなどで失脚している。

ただ、今では米国はじめ先進国は、関係する国の不正や不正蓄財、人権弾圧を許さず、それは徹底している。
そうした間隙に、中国が先進国から烙印を押された国の為政者に近づき、巨額賄賂を握らせ、インフラを大義に借金の漬物国に仕立て上げている。
一国ずつ漬物国にして駒を進める中国の一帯一路戦略の実像でもある。漬物国にした場合、政権が変わっても中国の縛りが効く利点もある。
ただ、金融危機に際し、IMFは借金の返済に充てるならば救援しないと断言しており、実質、財政破綻のパキスタンに中国はさらに貸し出し救済せざるを得なかった。
借金漬物国が腐れ漬物国に変貌する危険性は100%であり、遅かれ早かれ中国は地獄を見ることになる。

ドウテルテは現実主義者、利があればどちらにでも動く、ミンダナオ島のゲリラによる都市占拠事件では米軍も利用していた。

麻薬撲滅の手法は、インドネシアに近いミンダナオ島のタバオ市長時代にまったく同じ方法で麻薬ギャングを一掃し、住民や共産党ゲリラからも高い評価を受けている。
タバオ時代、自ら殺人をしたと告白している。現在のタバオ市長は長女。

2016年に大統領になったときには、中国に投資させると言っていたが、南沙諸島に中国が現実に要塞を建造し、フィリピンの漁業水域から自国漁船を中国軍が追い出し、国民感情を意識して、中国に靡きたいものの、躊躇していた。
中国は、フィリピン政府に対して南沙諸島でフィリピンが領有する一帯を共同開発しようと持ちかけていた。
中国の銭が欲しくてたまらないようだが、数年前と現在では中国の懐具合も異なり海外への巨額投資は難しくなっている。
中国の米国債残は18年11月11,214億ドルあったが、19年10月は10,892億ドルと減少してきている。外貨不足も再び懸念されている。
(韓国は外貨準備高が過去最高を更新したと大喜びしているが、為替の安定にもつながる米国債残は同1,102億ドルから1,172億ドルと1年間で僅かしか増加していない。仕事を取るために新興国の国債でも買っているのかは不明)

[ 2020年2月13日 ]

 

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

関連記事

 

 



PICK UP


PICK UP - 倒産