アイコン VW EV生産、売れず30%減産


欧州はエネルギー生産が限られ、世界一の原油生産国且つ天然ガス生産国の米国と事情はまったく異なる。
価格高騰で欧州は貿易収支を悪化させているが、米国は自前どころか輸出しており痛くも痒くもない。米国では原油価格が高騰したとしても国内の出来事であり、利益は国内で循環する。
米国の2014年2月のウクライナクーデターからの壮大な計画ならば、巨大な欧州の天然ガス市場をロシアから米国が奪うためにウクライナを動かし続けてきたとも見て取れる。

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落ち込む需要 EV生産縮小
フォルクスワーゲンは、ドイツ国内の工場の1つでEVモデルの生産を一時的に縮小する措置を導入した。

労働協議会によると、ニーダーザクセン州にあるフォルクスワーゲンのエムデン工場では、7月と8月にEV生産ラインで働く労働者の4週間の夏季休暇延長に向けて、今後2週間のシフトがキャンセルされたという。
EVの需要低迷はフォルクスワーゲンだけに見られるものではないようだ。

VWで影響を受けるモデルは、SUVのID4とセダンのID.7。
シフト短縮の詳細は、エムデン工場労働者評議会のマンフレッド・ヴルフ代表が明らかにしている。

フォルクスワーゲン・パサートをはじめとするエンジン車の生産は変更なく継続されるが、EV生産ラインの従業員の休暇は1週間延長された。

さらにヴルフ氏によると、エムデン工場で現在雇用されている1500人の臨時従業員のうち300人は、2023年8月に契約が更新されないという。従業員には今週月曜日にEVの減産が伝えられた。
EVの需要は、当初予定されていた生産台数を最大30%下回っているとのことだ。

ヴルフ氏は独紙ノース・ウェストに対し、「EVにおいて、顧客の消極的な姿勢を強く経験している」と語った。
以上、ロイター参照

ドイツのEV補助金は定価が4万ユーロ(628万円/156円)の新車には4500ユーロ(70万円)、4万~6万5千ユーロの新車には3000ユーロ(47万円)の補助金が支給される(米国の購入に関わる7千ドルの税額控除より少ない)。

欧米のEVは高価になりすぎていることから、補助金対象から実質除外されている中国勢は米国への進出はほとんど不可能(例外、BYDは古くから加州でEVバスを生産し供給している)、欧州へ本格的に攻め込み始めており、市場を喰ってしまう可能性が高い。
中国勢は、EVではこれまで7年以上にわたり、デザインや品質向上に努めてきた結果の現在のEVがあり、特に大手のEVは決して侮れるものではない。

EV用バッテリー価格は、
車両販売価格の25~35%に達する、
そのバッテリー価格の70%以上を占める材料費、
レアメタル等のEV用バッテリー材料シェアの8割を占める中国のバッテリー材料となっている。

中国は本気を出せば、EV市場を席巻できる立場にある。
スチール=鉄鋼生産も世界の半分を生産しており、電磁鋼板技術も日本製鉄-ポスコ-宝山に技術がスパイされ中国で生産されている。EVモーター用に今後3倍に自動車需要が高まるとされる銅の生産国は、チリ・ペルー・中国・コンゴ民主の順だが、中国企業は生産国で多くの生産権益を有しており、中国勢が実質主導権を持っている。

また、鉄鋼や発電の燃料である石炭は世界一の生産量では足りず、輸入もして燃やし電炉を動かしている。
その甘えに乗じて環境第一だ、カーボンニュートラルだとのたまう欧米の首脳たちの人気取りのための政策が先行している。足元では褐炭で発電している欧州国もある。

欧州各国はGDPに見られるように、欧州経済は米国のような経済好調局面にはない。ウクライナ原発で爆発事故でも生じた場合、欧州経済はさらに悪化することになるが、米英は遠く影響を受けない。


スクロール→

各国のインフレ状況とインフレ退治の金利

四半期

 

 

 

金利

インフレ

コアインフレ

食料インフレ

GDP

 

ドイツ

22/12.

2.00

8.1

5.2

19.4

0.5

 

23/3.

3.00

7.4

5.8

21.2

-0.5

 

23/5.

3.75

6.1

5.4

14.5

-0.3

 

フランス

22/12.

2.00

5.9

5.3

12.1

0.2

 

23/3.

3.00

5.7

6.2

15.9

0.0

 

23/5.

3.75

4.5

5.8

13.6

0.2

 

イタリー

22/12.

2.00

5.8

5.8

13.1

0.5

 

23/3.

3.00

6.2

6.2

13.2

-0.1

 

23/5.

3.75

6.0

6.0

11.8

0.6

 

スペイン

22/12.

2.00

5.7

7.0

15.6

0.4

 

23/3.

3.00

3.3

7.5

16.4

0.5

 

23/5.

3.75

3.2

6.1

11.9

0.6

 

オランダ

22/12.

2.00

9.6

6.2

16.8

-0.1

 

23/3.

3.00

4.4

6.6

17.8

0.9

 

23/5.

3.75

5.7

6.9

14.8

-0.3

 

米国

22/12.

4.50

6.5

5.7

10.4

3.2

 

23/3.

5.00

5.0

5.6

8.5

2.6

 

23/5.

5.25

4.0

5.3

6.7

2.0

 

日本

22/12.

-0.10

4.0

4.0

7.0

-0.4

 

23/3.

-0.10

3.2

3.1

7.8

0.1

 

23/5.

-0.10

3.2

3.2

8.6

0.7

 

韓国

22/12.

3.00

5.0

4.7

5.2

0.3

 

23/3.

3.25

4.2

4.8

6.3

-0.4

 

23/5.

3.50

3.3

4.3

3.8

0.3

 

国際商品先物相場 ドル価 月末価ほか

 

 

22/12.

小麦

792

大豆.

1,524

対ドル円

GDP

 

23/3.

692

1,505

132.79

22/9.

 

23/5.

594

1,299

139.34

22/12.

 

23/6.

636

1,557

144.32

23/3.

 

・低所得者層の不満は、食料と電気・ガソリン燃料価格の高騰にある。

 
 

 

[ 2023年7月 3日 ]

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