アイコン 三井住友建設 24年3月期 業績回復 受注残・10年業績推移


同社は東京・港区で施工していた高さ約270mの超高層マンション「麻布台ヒルズレジデンスB」で施工不良が発覚、施工方法の変更も含め15ヶ月の工事遅延が発生、22年3月期に219億円、23年3月期に315億円の工事損失金を計上し、22期23期の2期連続で赤字を計上していた。

同社は施工体制に根本問題があるようだが、権力争いのクーデターで首を取っ替えても上から下までの体質そのものを変えない限り、同じことは何度でも繰り返される。以前にも横浜の問題を抱え、現在も係争中であるのだが・・・。

こうした問題は経営にとって致命傷、経営資源がこうした問題に対処するため時間と労力を膨大にとられ、信用問題も含め営業活動にも大きな影を落とす、結果、2024年3月期中の受注高は前期より▲25%も減少し、期末受注残も▲13%減少している。

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同社は、2014年に発覚した「パークシティLaLa横浜」マンションが、協力企業の杭打ち屋の施工が杜撰で傾き、その後、事業主だった三井不動産レジデンシャルは当時、マンション組合と協議し、同地で同時期に竣工した傾いていないマンションも含めて4棟の建て替えを決定、その損害額(一時転居全費用+解体+改築)を施工側に請求、2024年5月10日現在、両社間でまだ拗れたままとなっている。

横浜市所在マンションの事案は、2017年11月、本件マンションの発注者の1社であるレジデンシャル社が、本件マンション全棟の建替え費用等の合計約459億円(その後2018年7月に約510億円に増額、2022年9月にて約510億円から約506億円に減額)を同社ならびに杭施工会社2社に対し求償する訴訟を提起しているが、レジデンシャル社の請求は、根拠、理由を欠くものであると考えており、引き続き裁判において、当社の主張を適切に展開するとしている。

(当問題は、傾いているマンションについては施工会社が負担するのが当然だろうが、事業主側の意志で、傾いていないマンションまで解体し建て変えており、裁判所の判断が注目される。ほか傾きが少なく修理是正も可能なマンションも解体・改築していた。それにしても裁判所の判決は遅すぎる。上級裁判所もあるというのに・・・)
なお、同社は2024年3月決算で完成工事補償引当金は300億円計上している。


スクロール→

1821 三井住友建設/百万円

 

売上高

営業利益

利益率

経常利益

帰属利益

15/3.

377,825

12,265

3.2%

11,998

6,955

16/3.

414,958

23,364

5.6%

21,801

9,902

17/3.

403,908

27,941

6.9%

26,174

17,035

18/3.

417,310

30,584

7.3%

28,463

20,723

19/3.

448,758

29,217

6.5%

28,862

18,828

20/3.

472,402

24,765

5.2%

23,884

15,550

21/3.

421,619

15,584

3.7%

13,063

8,743

22/3.

403,275

-7,459

 

-8,340

-7,022

23/3.

458,622

-18,759

 

-18,483

-25,702

24/3.

479,488

8,500

1.8%

6,291

4,006

24/23

4.5%

黒転

 

黒転

黒転

25/3

455,000

12,500

2.7%

8,000

4,500

25/24

-5.1%

47.1%

 

27.2%

12.3%

セグメント別 /億円 (営業総利益) 

 

売上高

前年比

総利益

前年比

利益率

建築

2,637

11.0%

18

23.3%

0.7%

土木

2,167

-2.4%

332

14.5%

15.3%

不動産等

3,192

-68.4%

2,204

-13.8%

69.0%

調整

-3,202

 

-2,204

 

 

合計

4,794

 

350

 

7.3%

 

三井住友建設(単体)/受注 /百万円

 

23/3.

24/3.

前期比

建築官庁

4,877

5,175

6.1%

建築民間

134,142

95,852

-28.5%

 国内建築計

139,019

101,027

-27.3%

海外建築

11,671

9,056

-22.4%

建築計

150,690

110,083

-26.9%

土木官庁

75,339

84,648

12.4%

土木民間

19,900

17,089

-14.1%

 国内土木計

95,239

101,737

6.8%

海外土木

78,911

28,849

-63.4%

土木計

174,150

130,586

-25.0%

 官庁工事計

80,216

89,823

12.0%

 民間工事計

154,042

112,941

-26.7%

 海外工事計

90,582

37,905

-58.2%

建設計

324,840

240,669

-25.9%

不動産事業

 0

 0

 

合計

324,840

240,669

-25.9%

 

三井住友建設(単体)/期末受注残 /百万円

 

23/3.

24/3.

前期比

建築官庁

43,013

32,893

-23.5%

建築民間

287,783

213,193

-25.9%

 国内建築計

330,796

246,086

-25.6%

海外建築

17,209

15,294

-11.1%

建築計

348,005

261,380

-24.9%

土木官庁

170,143

172,618

1.5%

土木民間

71,866

63,702

-11.4%

 国内土木計

242,009

236,320

-2.4%

海外土木

104,523

100,586

-3.8%

土木計

346,532

336,906

-2.8%

 官庁工事計

213,156

205,511

-3.6%

 民間工事計

359,649

276,895

-23.0%

 海外工事計

121,732

115,880

-4.8%

建設計

694,537

598,286

-13.9%

不動産開発

0

 0

-

合計

694,537

598,286

-13.9%

 

[ 2024年5月13日 ]

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