第3回:海をしゃぶり尽くす「有明海賊グループ」
──境界線を守り、海を次の世代へ
海の青さは、人の心を映す。
だがいま、玄海灘の青が海賊色に濁り始めている。

佐賀県唐津市を拠点に活動する私たち**「玄界灘と共に生きる会」**は、地域の海と共に生きる漁師・住民の有志として、海の声を代弁してきた。
そんな私たちの耳に、またしても不穏な噂が届いている。
「長崎県の業者が、協定の境界線を越えて海砂を吸い上げているらしい。」
調べてみると、噂ではなく、事実だった。
吸い上げポンプが伸びる先は、ルールを越えた「禁断のゾーン」。
私たちは確認を重ね、今もなお区域外採取が続いていることを確信した。
歴史は繰り返す──“越境採取”の常習犯たち
この問題、実は昨日今日の話ではない。
• 平成14年度:境界線協議の最中に、堂々と区域外採取。
• 平成15年度:長崎県の採取業者に対し「違法操業」との指摘。改善命令も出された。
その時、業者は「今後はルールを守ります」と約束していた。
だが、その舌の根も乾かぬうちに、またもや越境採取である。
まるで海族の泥棒稼業がクセになっているかのようだ。
「もう二度とやりません」と言いながら、吸い上げ続けるポンプの音。
それは、海の悲鳴にも聞こえる。

他県との違い──“海への敬意”があるか、ないか
佐賀県や福岡県では、境界線から500m〜1km離れた位置での採取が常識。
「海を壊さない距離」を守る文化が根付いている。
だが長崎県の海賊業者は違う。
境界線ギリギリをなぞるように吸い、佐賀県側の海底を削り、佐賀県の砂を盗み運び去っている。
その姿勢はまるで、「ギリギリならセーフ」
とでも言わんばかりの海賊行為である。
だが、ギリギリの向こう側には、私たち佐賀県の漁業者の生活の海がある。
海の境界線は、単なる線ではない。
命の線引きだ。
]https://www.youtube.com/watch?v=Nd91rEEReb8
私たちの要求──“海を食い物にするな”
私たち「玄界灘と共に生きる会」は、
地域住民として、次の4つを強く求める。
1. 境界線付近での採取を直ちに停止すること。
2. 区域外採取の実態を調査し、その結果を公表すること。
3. 他県と同様に、境界線から十分な距離を取った採取ルールを導入すること。
4. 今後の採取許可制度に、違反を防ぐ仕組みを盛り込むこと。
海を食い物にする者たちに、もう“見逃し”はない。
この問題は「地元だけのトラブル」ではなく、
地域の信頼と、未来の漁場を守る闘いなのだ。
終わりに──玄界灘に生きる者の誇りとして
玄界灘は、荒々しくも豊かな母なる海である。
私たちはその懐で魚を獲り、暮らし、祈り、次の世代へとつないできた。
「海は誰のものでもない」
──それは美しい理想だ。
だが現実には、守る者がいなければ、
海は奪う者のものになってしまう。
だから私たちは声を上げ続ける。
冷静に、しかししたたかに。
この海を、未来の子どもたちに渡すために。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次





