アイコン デジタル依存時代の盲点/住設ジャパン破産にみる中小企業の課題


サーバ攻撃

住宅設備の販売を手がけていた住設ジャパン(株)(東京都新宿区)が、10月6日付で東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。2019年設立と比較的新しい企業で、給湯システムやエアコン部材などの販売をオンライン経由で伸ばし、2024年3月期には年商3億円を超えるまでに成長していた。だが、サイバー攻撃の影響で新規顧客の獲得が滞り、資金繰りが悪化したとされる。

 

スポンサーリンク
 
 

近年、中小企業でもデジタル集客やEC販売の活用が広がる一方、サイバーセキュリティ対策の整備が追いついていない実態が浮かび上がる。自社サイトやクラウドサービスへの依存度が高まるほど、システム障害や不正アクセスが経営に直結するリスクは増す。今回の件も、そうした「デジタル依存の脆弱性」を示す象徴的な事例といえるだろう。

特に中小企業の場合、IT専門人材の確保や外部委託コストが重く、セキュリティ投資は後回しになりやすい。だが、システムの保全や顧客情報の管理は、販売促進と同じく「経営の一部」と捉える必要がある。事業をオンラインで展開するなら、障害発生時の対応フローや代替ルートの確保など、事業継続計画(BCP)の整備も欠かせない。

デジタル化は中小企業の成長を支える一方で、新たなリスクも内包する。今回の破産は、そのバランスをいかに取るかという難題を改めて突きつけた。便利さと効率性を追うだけでなく、「守る力」をどう経営に組み込むか。中小企業の次の成長を左右するのは、その一点にある。

 

 

[ 2025年10月21日 ]
スポンサーリンク
  

 

 


HTML Comment Box is loading comments...



※記事の削除等は問合せにて。

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧