【第3話】YouTube番組『長崎奉行ちゃんねる』
〜推薦状よりFAXが速い県政前哨戦〜
知事選の火ぶたが切られた――といえば聞こえはいいが、実際は「FAXが火を噴いた」と言ったほうが正確だろう。

11月1日。
自民党長崎県連の推薦を取り逃がし、静かに冬支度でも始めるのかと思いきや、大石陣営は突然、11月30日(日)16:30〜18:00/ホテルニュー長崎・鳳凰閣での「大石賢吾後援会決起集会」の案内文を、支援が見込めそうな個人・事業者に向けてFAXで一斉投下したのである。
しかも案内文は3枚組。
冬のボーナスでもそんなに厚くない。
「まあ送るのは勝手よ」――と、送られた側の声。
だが問題は、今回の自民党長崎県連が正式に推薦したのは平田氏であるという事実。
既に“平田支持”で腹をくくっている企業や個人にまで、このFAXの津波が押し寄せた。
心の準備も、紙の準備もできていないのに。
そして極めつけは、FAXの送信主が**『参議院議員 金子原二郎事務所』**と堂々と明記されている点だ。

そう、あの金子氏である。
県連顧問は辞任したとはいえ、党籍は自民党にしっかり残っている。
いわば「籍はあるけど家出中」みたいな状態だ。
だが今回のFAX騒動は、家で先の家から深夜に勝手に宗教新聞が送られてきたようなもの。
そりゃ家族会議(=県連執行部会)も開かれる。
案の定、自民党長崎県連の執行部は緊急招集。
「これは離党勧告案件では?」という声まで上がっているという情報が飛び交う始末。
FAX一枚で政局を揺らすあたり、さすがの影響力だ。
一方の大石陣営は、まるで
「推薦がダメならFAXで押し切れ!」
とでも言わんばかりの勢い。
しかし受け取った側の企業は
「いやうちは平田派に方針決まってるんですが……」
と書類トレーの前で固まるしかない。

まさに、
“FAXで踏み絵”
の様相である。
選挙戦の幕は、太鼓でも号砲でもなく、安っぽいFAX音で切って落とされた。
これから先、紙と紙がこすれ合うような、妙な摩擦熱の選挙戦になりそうだ。
つづく――。
JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次





