1月、中国自動車販売台数急減 補助終了 リチウム高騰 Wパンチ
昨年末で終了した買い替え車に対する5%の購入税の補助、1月1日から5%の購入是が課せられるとともに28年からは10%に引き上げられる。
また、地方政府も各種購入補助を提供していたが、昨年末までに予算を使い果たし、中には11月ころまでに終了させた地方もあった。
こうした中央・地方の2つの自動車購入補助が昨年末で廃止され、1月1~18日の販売台数は新エネ車が前年同期間比で▲35%の大幅減の74万台、ほかのエンジン車も▲28%減の67.9万台と大幅減となっている。
購入コストの大幅上昇で購入意欲が大幅に冷え込んでいる。
自動車産業も経済波及効果が高く、販売不振は冷え込んでいる消費をさらに悪化させる動機になる。ただ、消費者は買い替えを控え、その分がほかの消費を増加させるとの見方もなされている。
中国の自動車産業は販売台数も年々増加しているものの、過剰生産で安価に大量に輸出して各国で経済摩擦を生じさせている。
2025年の輸出先はメキシコへ前年から18.0万台増の62.5万台輸出して1位、これまで1位だったロシアは58.2万台で2位に、UAEは前年から24.1万台急増させ57.2万台、3位英国、4位ブラジル・5位サウジと続いている。
こうした状況にメキシコ議会は、米日韓などから多くの自動車メーカーがメキシコに進出しており、26年1月から中国製自動車に50%関税を課している。
中国の自動車勢が安売り競争しているのは海外にとどまらず、国内でもしかり。政府が過度な安売り競争をするなと業界指導するありさま。こうした政府の動きにメーカーは新車を中古車市場で新古車として新車価格から大幅値下げして在庫処理の販売のありさま。400社ともされた自動車メーカーは現在50社ほどに減っているという。今後、生き残るメーカーも確定してくることだろう。
<純利益率悪化の2つの理由>
自動車メーカーの販売利益率は前年比▲0.2ポイント減の4.1%、ただ、12月単月に限れば、前年比20.3ポイントも下落し1.8%にとどまった。
2025年の自動車業界の全売上高は7.1%増の11.2兆元(235.2兆円/21円)、コストは9.8兆元(205.8兆円)/純利益は0.6%増の4610億元(9.6兆円)で、率にして4.1%、国内の工業企業の平均利益率の5.9%を大きく下回っている。
<販売不振>
12月はまだ購入補助税制を実施している中での利益率の悪化だったが、12月の販売台数も前年比▲6.2%減の327.2万台となっていた。地方によっては別途交付していた自動車購入助成金の予算が11月ころまでになくなり、販売不振に至った可能性がある。
1月の販売台数は大きく凹むことが予想され、メーカーはさらに安売り競争に走るとみられる。安売りに対して政府の監視が強ければ、海外へ安価に大量に輸出するものとみられる。12月のUAEへの輸出は単月で10.6万台、24年12月の6.7万代から急増しており、こうした見解の裏付けになっている。
<EV用電池のリチウム価格高騰>
それに加え、リチウム価格の急騰も自動車の生産コストに大きく影響している。
中国のリチウム価格(中国が国際指標価格)が、昨年下半期急騰しており、車両価格の1/3前後はEV用バッテリー代、販売価格にも影響している。特に12月は販売不振で売れず、バッテリー価格の高騰を自動車メーカーが負担した可能性が高い。
EVでは1台当たり30キロから60キロ(走行距離で異なる)の炭酸リチウムを必要とする。
炭酸塩のリチウム価格は、25年7月まではトン当たり6万元台が12月には14万元台まで急上昇、26年1月現在では16万元台まで上昇している(22年11月には597,000元まで暴騰し、EV販売不振でその後下げていた)。
リチウム価格は1月26日には18万元台まで上昇。これはEV用にリチウムイオン蓄電池の需要が伸びているのではなく、AIデータセンター向けなどに各国で大規模電力蓄電用の産業用蓄電池の需要が急増していることによるもの。
バッテリーメーカーはEV用で大損し、活路を産業用蓄電池・電力用蓄電池に求めている。電力大飯喰らいのAIデータセンターは、自体に蓄電池が停電の補助電力として必要であり、また、電力会社がデータセンター用の電力としても蓄電池施設を建設している。そうしたニーズでリチウムの需要が急増していることにある。
中国の自動車販売台数の減少は不振の内需をさらに悪化させることになる。住宅価格は今も新規も中古も上海を除き全土で下がり続けている。
(中国政府は内需不振対策に、自動車のほか農機具や家電の買い替え補助を提供してきた。昨年末ですべて終了した場合、消費=内需はさらに悪化することになる。)
スクロール→
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中国 /千台 |
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23年 |
24年 |
前年比 |
25年 |
前年比 |
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1月 |
1,649 |
2,439 |
47.9 |
2,423 |
-0.7 |
|
2月 |
1,976 |
1,584 |
-19.8 |
2,129 |
34.4 |
|
3月 |
2,451 |
2,694 |
9.9 |
2,915 |
8.2 |
|
4月 |
2,590 |
2,359 |
-8.9 |
2,590 |
9.8 |
|
5月 |
2,382 |
2,417 |
1.5 |
2,686 |
11.1 |
|
6月 |
2,622 |
2,552 |
-2.7 |
2,904 |
13.8 |
|
7月 |
2,387 |
2,262 |
-5.2 |
2,593 |
14.6 |
|
8月 |
2,582 |
2,453 |
-5 |
2,857 |
16.5 |
|
9月 |
2,858 |
2,809 |
-1.7 |
3,226 |
14.8 |
|
10月 |
2,853 |
3,053 |
7 |
3,322 |
8.8 |
|
11月 |
2,970 |
3,316 |
11.6 |
3,429 |
3.4 |
|
12月 |
3,156 |
3,489 |
10.6 |
3,272 |
-6.2 |
|
合計 |
30,476 |
31,427 |
3.1 |
34,346 |
9.3% |
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↑新エネ車、2025年12月までで購入税免除終了 |
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スクロール→
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リチウムと銅の先物市場の相場 |
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ともにEV用と電力用に需要拡大 |
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炭酸塩リチウム |
銅価格 |
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トン/元 |
ドル/Lbs |
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月末 |
価格 |
価格 |
|
2020/12. |
65,000 |
3.519 |
|
2021/12. |
277,500 |
4.295 |
|
2022/2. |
193,500 |
4.897 |
|
2022/11. |
597,000 |
3.880 |
|
2022/12. |
519,500 |
3.810 |
|
2023/4. |
177,500 |
4.028 |
|
2023/12. |
96,500 |
3.880 |
|
2024/6. |
91,500 |
4.442 |
|
2024/12. |
74,900 |
4.254 |
|
2025/6. |
62,300 |
5.056 |
|
2025/9. |
73,550 |
4.829 |
|
2025/12. |
118,500 |
5.781 |
|
26/1/30. |
160,500 |
6.004 |
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・TRADING ECONOMICS版 |
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スクロール→
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中国の自動車輸出台数 |
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万台 |
前年比 |
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2020年 |
99.5 |
-2.9% |
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2021年 |
201.5 |
101.1% |
|
2022年 |
311.1 |
54.4% |
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2023年 |
491.0 |
57.9% |
|
2024年 |
585.9 |
19.3% |
|
2025年 |
709.8 |
21.1% |
|
・外資メーカーの中国生産車の輸出含む |
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