アイコン 長崎県職員措置請求書


1 長崎県職員措置請求書
長崎県土木部 山内洋志部長及び担当職員に関する措置請求の要旨

地方自治法第242条第1項の規定により、下記のとおり必要な措置を請求する。
第1 請求の要旨
長崎県が発注し、又は長崎県が補助金・交付金等により財政的関与を行った公共工事において、使用された海砂について、長崎県産であることを前提として契約、設計、検査、支払い等が行われていたにもかかわらず、実際には佐賀県唐津産等の県外産海砂が長崎県産又は壱岐産の試験結果報告書を改竄するなどし、長崎県発注の公共工事に使用された事実がある。
この場合、長崎県の契約担当職員、工事監督職員、検査職員その他関係職員には、材料の産地、試験結果報告書、納入証明書、出荷証明、品質証明書等を確認すべき義務があるにもかかわらず、十分な確認を怠った疑いがある。
また、五島商会が砂揚場として長崎県から賃借している長崎市内小瀬戸町の県有地を実際使用している面積の半分くらいの使用料しか払っていないことも現地で確認している。しかも30数年にわたって続けられていたことも判明している。
よって、監査委員に対し、次の措置を求める。

 

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1.    長崎県発注又は長崎県が財政的関与を行った公共工事において、株式会社五島商会又は同社を経由した海砂が使用された工事を特定すること。
2.    当該工事に使用された海砂の産地、採取場所、搬入経路、試験結果報告書、納品書、請求書、出荷証明書、GPS記録、船舶運搬記録等を調査すること。
3.    長崎県産又は壱岐産であることを条件として支出された公金について、実際には条件を満たさない海砂が使用されていた事実が判明した場合、契約金額の減額、損害賠償請求、不当利得返還請求、契約解除、指名停止その他必要な措置を講じること。
4.    県職員が確認義務を怠ったことにより県に損害が生じた場合、関係職員に対する責任追及その他必要な措置を講じること。
5.    産地偽装又は虚偽書類の使用が疑われる場合、長崎県として警察又は検察庁に対し刑事告発を行うこと。
6.    今後、同種の海砂産地偽装を防止するため、公共工事における海砂の産地確認、試験成績書の真正確認、出荷元確認、搬入経路確認を厳格化すること。
7.    長崎県が所有、管理している砂上げ土場の借地料の正確な面積の借地料を過去に遡って請求すること。
第2 請求の原因
1 海砂の産地偽装疑惑
報道関係者の調査によれば、長崎県内の公共工事等において使用される海砂について、地産地消の観点から長崎県産の使用が求められているにもかかわらず、唐津産の海砂が長崎県産又は壱岐産であるかのように販売されていた疑いがある。
疑惑の中心とされているのは、長崎県の株式会社五島商会である。同社は、海砂に「試験結果報告書」を添付し、県内の生コン業者等へ販売していたとされる。
しかし、当該「試験結果報告書」は、壱岐開発株式会社が作成した「細骨材試験報告書」に、五島商会が表紙を付けたものではないかとの疑いがある。
2 壱岐開発株式会社との取引関係に関する矛盾
五島商会の当時の代表取締役は、取材に対し、同社が取り扱っている砂は壱岐産であり、唐津産ではない旨を述べた一方で、壱岐開発株式会社との現在の取引はないとも述べている。
他方、壱岐開発株式会社長崎支店長は、当該「細骨材試験報告書」が壱岐開発のものであることを認めたうえで、五島商会が同社の報告書を用いて、五島商会の「試験結果報告書」として取引先に提示していたことは知らなかった旨を述べたとされる。
さらに、壱岐開発側は、五島商会が販売している砂は壱岐産ではなく唐津産である旨を述べている。
このように、五島商会側の説明と壱岐開発側の説明は明らかに食い違っており、海砂の産地、試験報告書の真正性、公共工事における材料確認の適正性について、重大な疑義が生じている。
3 公共工事における財務会計上の問題
本件が単なる民間取引上の問題にとどまるのであれば、住民監査請求の対象とはなりにくい。
しかし、長崎県発注工事又は長崎県が補助金・交付金等で財政的関与を行った公共工事において、長崎県産又は壱岐産であることを前提として材料承認、設計、施工、検査、工事代金の支出が行われていた場合、実際には条件を満たさない海砂に対して公金が支出されたことになる。
これは、違法又は不当な公金支出、契約履行確認の不備、損害賠償請求又は返還請求を怠る事実に該当する疑いがある。
地方自治法第242条に基づく住民監査請求は、自治体職員等による違法又は不当な財務会計上の行為や怠る事実について、監査と必要な措置を求める制度であると説明されている。
4 会社売却による疑惑隠しの疑い
報道によれば、五島商会はその後、葵商事に売却され、代表者も変更されたとされる。
産地偽装疑惑、試験結果報告書の流用疑惑が浮上している時期に、当事会社が売却され代表者が変更されたことは、疑惑隠し、責任回避、証拠散逸のおそれを生じさせる事情である。
したがって、監査委員は、速やかに関係資料の保全、関係部局からの聴取、公共工事における使用実態の調査を行う必要がある。
第3 違法又は不当と考える財務会計上の行為
本件で違法又は不当と考えられる財務会計上の行為又は怠る事実は、次のとおりである。
1.    県産又は壱岐産海砂を使用することを前提とした公共工事において、実際には唐津産等の県外産海砂が使用されていたにもかかわらず、工事代金を支出したこと。
2.    材料承認、試験報告書、品質証明書、納入書類等の確認を十分に行わないまま、工事を合格又は完成と認めたこと。
3.    産地偽装又は虚偽書類使用の疑いが生じているにもかかわらず、長崎県が契約相手方、元請業者、生コン業者、海砂販売業者等に対して損害賠償請求、不当利得返還請求、契約上の措置、指名停止等を行っていないこと。
4.    関係書類の保全、調査、刑事告発等を怠っていること。
第4 求める監査事項
監査委員に対し、以下の事項を監査するよう求める。
1.    過去少なくとも直近5年間における、株式会社五島商会又は同社の取引先が関与した長崎県発注公共工事の有無。
2.    当該工事で使用された海砂の産地、採取場所、販売経路、搬入経路。
3.    添付された「試験結果報告書」「細骨材試験報告書」等の作成名義、発行元、真正性。
4.    壱岐開発株式会社が作成した報告書が、五島商会名義又は五島商会の報告書として使用された事実の有無。
5.    唐津産海砂が長崎県産又は壱岐産として納入された事実の有無。
6.    長崎県職員による材料確認、検査、支払い手続の適否。
7.    長崎県に損害が発生している場合、その金額。
8.    損害賠償請求、不当利得返還請求、契約解除、指名停止、刑事告発等の必要性。
第5 証拠資料
添付予定資料は次のとおりである。
1.    本件に関するジャーナリストのレポート記事
2.    五島商会が使用していたとされる「試験結果報告書」の写し
3.    壱岐開発株式会社作成の「細骨材試験報告書」の写し
4.    五島商会、壱岐開発関係者の発言内容を整理した資料
5.    五島商会の登記事項証明書
6.    代表者変更、株式譲渡又は会社売却に関する資料
7.    長崎県発注工事又は補助対象工事の契約書、設計書、仕様書、材料承認願、納品書、検査調書等
8.    その他、本件疑惑を裏付ける資料
第6 結語
海砂の産地偽装は、公共工事の品質、安全性、契約の公正性、県民の公金支出に対する信頼を根底から損なう重大な問題である。
特に、県産又は壱岐産であることを前提に公共工事費が支出されていたにもかかわらず、実際には唐津産等の県外産海砂が使用されていた場合、長崎県に財産上の損害が発生している可能性が高い。
第7 請求者
住所:〒857-3103 長崎県西海市崎戸町江島83
氏名:           
電話:090-0000-0000

以上、地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添え、必要な措置を請求します。
令和8年5月28日
長崎県監査委員 様

 

[ 2026年5月28日 ]
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