アイコン 患者数過去最多でも債務超過 東千葉メディカルセンター、問われる経営の持続性


山武長生夷隅保健医療圏で唯一の救命救急センターを担う東千葉メディカルセンターが、2025年度決算で約1億9700万円の債務超過に転じた。債務超過は2020年度以来となる。

外来、入院患者数はいずれも過去最多となり、医業収益も過去最高を記録した。それでも営業損失は約10億8千万円に上り、累積赤字は約37億7千万円まで膨らんだ。患者を増やして収益を伸ばしても、物価高や医療材料費、施設運営費などの増加を吸収できない厳しい経営構造が浮かぶ。

同センターは、東金市と九十九里町が設立した地方独立行政法人が運営する。県立病院の後継施設として2014年に開院し、救急医療や高度急性期医療を担ってきた。採算性だけでは維持が難しい政策医療を提供しているため、両市町は毎年度、運営負担金を支出している。

開院翌年度の2015年度から債務超過が続いたが、新型コロナウイルス関連の補助金などにより、2021年度以降は一時的に解消していた。今回の債務超過への転落は、補助金によって覆われていた本来の赤字体質が、再び表面化したともいえる。

 

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より注意すべきなのは、債務超過額そのものよりも資金の減少である。2025年度末の資金残高は約32億1千万円で、前年度から約9億円減った。直ちに資金繰りが行き詰まる水準ではないものの、同じペースで資金流出が続けば、自治体による追加支援や借り入れの拡大が避けられなくなる可能性がある。

2025年度は眼科と泌尿器科を新設し、病床数も段階的に増やした。診療体制の充実が患者増につながり、収入面では一定の成果が表れた。一方、病床はすでに全面稼働の段階に入り、今後は規模の拡大によって収益を伸ばす余地が小さい。

河野陽一理事長が述べたように、今後は収益を増やすと同時に支出を抑えるしかない。病床稼働率や手術件数を高めるだけでなく、患者1人当たりの収益、医療材料の調達費、委託費、人員配置などを細かく見直す必要がある。

ただし、救命救急センターに一般企業と同じ採算性を求めることには限界もある。救急搬送を断らず受け入れる体制や、災害時に備えた設備、人員の確保には、平時から相応の費用がかかる。経営改善を理由に医師や看護師を過度に減らせば、地域医療の質そのものが損なわれかねない。

県が検討する二次医療圏の再編も、今後の経営を左右する。県側は患者が医療圏の境界を意識して病院を選ぶわけではないとしているが、再編は病床機能や医師配置、医療機関の役割分担にも関係する。東千葉メディカルセンターがどの程度の高度急性期機能を維持するのかによって、患者の流れや自治体負担も変わり得る。

今回の決算は、患者数を増やせば経営が改善するという単純な構図ではないことを示した。地域に不可欠な医療を維持しながら、どこまで赤字を抑えられるか。病院だけでなく、設立自治体と千葉県を含めた地域全体で、負担と役割を改めて議論する局面に入っている。

 

[ 2026年7月27日 ]

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