上場企業が一部出資の水産物卸「希縁インターナショナル」が破産 売上高約47億円、築地魚市場では巨額未収金も
東京都江東区の水産物卸売業、(株)希縁インターナショナルが、2026年8月18日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は約5億円。
同社は2020年3月設立。魚介類を中心とする水産物の卸売を手がけ、すし店や日本料理店、鮮魚専門店、食品スーパー、ホテルなどを取引先として事業を展開していた。
設立時は新型コロナウイルスの感染拡大期と重なったものの、外食需要が落ち込む一方で高まった巣ごもり需要を捉え、食品スーパーなど小売店向けの販路を開拓。その後は外食需要の回復に加え、訪日外国人客の増加によるインバウンド需要も追い風となり、急速に売上規模を拡大した。
2025年3月期には売上高46億9,927万円を計上するまでに成長していた。
一方で、事業規模の拡大とは裏腹に経営基盤は安定せず、役員が頻繁に交代するなど社内体制に不安定さがみられていた。2026年に入ると資金繰り面の問題も表面化し、3月には仕入れができなくなるトラブルが発生。水産物卸として事業を継続するうえで不可欠な商品調達に支障をきたし、経営は急速に行き詰まった。
同社を巡っては、東証スタンダード上場の築地魚市場(株)が一部出資していたことでも注目されている。
築地魚市場は2026年3月24日、連結子会社の取引先について財政状態の悪化が判明したとして、同取引先に対する売掛金が4億4,900万円に達していることを公表した。当時、築地魚市場は取引先名を明らかにしていなかったものの、食品業界の信用調査会社は、その相手先が希縁インターナショナルであると報じていた。
その後も債権回収のめどは立たず、築地魚市場は5月、回収可能額を除いた4億1,500万円について貸倒引当金を計上している。
希縁インターナショナルの今回判明した負債総額は約5億1,360万円であり、築地魚市場側で問題となっていた売掛債権は、それだけでも負債総額の大部分に相当する規模となる。
2026年春以降は人員流出なども伝えられ、事業継続を取り巻く環境は一段と悪化していた。仕入れの停止や信用不安の拡大により正常な営業活動を続けることが困難となり、最終的に今回の破産手続き開始決定に至った。
設立から約6年という比較的短期間で売上高約47億円まで急拡大した一方、取引規模の拡大に経営管理や資金繰り体制が追いつかなかった可能性もあり、急成長企業が信用不安をきっかけに短期間で経営破綻へ至った事例となった。
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