10年もの国債2.95%まで利回り金利上昇 29年ぶりの高水準
世界経済でマクロリスクに挙げられてしまった日本。超円安、国内インフレを背景に日本国債の利回りは上昇が続いており、日本の投資家が米国債から日本国債へ資金を回帰させれば、米国債の海外需要が細り、米金利に上昇圧力がかかる。
8月17日の日本の10年物国債の利回り金利は1997年5月以来、29年ぶりの高い利回り金利となっており、17日は2.920%、18日には一時2.953%まで上昇したものの、終値は2.941%となった。
日本国債の国際信用が剥離しかかり、結果、円安シフト、日米協調介入により、8月3日には一時155円台まで円高が進んだものの、再び、159円台にシフトしている。
(7月29日には円が163円台まで下落したため協調介入したもの。しかし、円安材料は目白押し、市場の円安基調に変わりはない。食料海外依存率は63%もあり、さらなる円安により当然、食料物価上昇圧力は強まり続けることになる)
国債の利回り金利が高くなれば、米国債を米政府が発行したときの金利で所持している金融機関等は、大幅な金利差が生じ、米国では数年前、数行の銀行が破綻し、ほかは救済措置が取られた(金利差は損金計上)。米銀では米国債を大量に持つことが大きなリスクとなっている。
日本の国債は日銀が518兆円も抱え込んでいるものの、日銀は資本金1億円の株式会社でありながらその特殊性がゆえに評価損は発生しない。なお、日本政府の国債発行残高は約1200兆円。
米当局も米国債のリスクが日本にあるとみて、対ドル円の為替に対して米国も日本と協調介入した。トランプが日本を助けたと述べたが、米国自身が身を守ったとする見方が正解だろう。
日米の同じ長期国債で金利差が拡大すれば円安にシフトし、縮小すれば円高にシフトする。
しかし、日本は政府負債がGDP比200%を超す財政難国家であり、円安にシフトしやすくなっている。
市場が問題にしているのは、円安に伴う市場介入、日本が所有する世界最大の米国債(6月11,167億ドル、5月11,431億ドル、4月は12,099億ドル)、円がさらに暴落すれば、ドル売り円買いにシフト介入する必要があり、日本は所有する米国債を売って、その資金を回収=円買いにより円高にシフトさせる。
対ドル円の為替安に対して、円高にシフトさせるため日本が所有する米国債を大量に売れば、国債の利回り金利はさらに上昇することになる。金利を高くしなければ、投資家が購入してくれない。
日本が米国債を急激に売却すれば、その米国債を購入する投資機関は、さらに利回り金利が高くなければ購入することになる。
何にしても急激に変化すれば、市場は対応できず、利回り金利を高くするしかない。
かつて中国は米国債を1.4兆ドル以上所有していた。トランプ1政権での米中貿易戦争勃発により、中国は米国債を持つメリットはないとして、売り続け、今年6月には6,334億ドルまで落ち、かつての1位から現在は英国(9,399億ドル)に次ぎ3位まで陥落している。
現政権が、円安をさらに進めれば、ドル換算での政府負債は大幅に縮小する。海外投資が大きい日本では、海外投資の評価額が円安でGDPにプラスに作用し、その間に370兆円を投資してGDPをさらに増やせば、政府負債率も減少するという算段。
GDPも政府負債のGDP比の国際比較は、ドル換算値で行われている。
GDPは、新コロナ前の2019年と2025年比較では、邦貨では571兆円、2025年は663兆円と16.0.%増加しているが、この間、対ドル円が37.3%円安となり、▲15.5%も減少している。.
政府負債については、2010年は911兆円、2025年は1370兆円と天文学的数値に至り、50.4%増加したものの、円安が70.5%も進んだため、ドル換算値では▲11.8%減少している。結果、GDPを大幅に増やせば、政府負債を少々増加させても政府負債のGDP比は170%あたりまで減少すると踏んでいる。
しかし、対ドル円は財政問題である政府負債率だけで決定しているものではなく、日本経済のファンタメンタルズ、ドルの強弱などにより決定し、具体的には長期国債の利回り金利の上げ下げにより実質的な信用が格付けされている。
8月18日の10年モノ国債の利回り金利が、29年ぶりの2.953%まで上昇しており、市場は日本の財政に不信感を増長させている結果となっている。
インポンタンの植田日銀総裁は不感症ゆえに食料の物価高が極端に上昇しているものの、我関せずの姿勢を貫き、いてもいなくても変わらない政府の飾り物になっている。食料自給率はエネルギー換算で37%、63%は外国産食料品の輸入に依存している日本國。肉類では、鶏肉は40%を、豚肉は50%を、牛肉は60%を海外産の輸入に依存しており、超円安が輸入物価を大きく押し上げている。
ただ、食品消費税の減税についても、はっきりした財政の裏付けはない。日本の株式市場、債券市場には世界のハゲタカたちが押し寄せており、世界の金融市場、為替市場は日本の首相や維新が財政に関係する事案を好き勝手に動かせる状況ではなくなっている。
370兆円の官民投資についても財政の裏付けがなく、市場からはこうした政府投資は冷たく見られている。
首相は政府負債の伸び率を低減し、GDPをそれ以上のスピードで増価させれば、政府負債の国際評価手段であるGDP比は落ち、180%、160%も手が届き、政府負債問題は解消されるとみている。それが2040年から2050年とみているようだ。
しかし、ソフト産業は国際的に優位性を持つ企業はソフトバンク(実質は投資会社)以外皆無、ハードも過去の産業遺産を進化させた部分しか国際的に優位性はなく、それも国際的にみればニッチ産業。小泉政権以来、これまでの政権は、次世代投資である大学や研究所への研究開発投資を25年にわたり枯渇させてきた結果、また少子化が進む中、育成されておらず、これまでの長期計画が打ち上げ花火に終始しており、具体的なロードマップと時代の先を読み投資しなければ、絵に描いた餅に終わる。
2016年にも大規模な先端分野の発展計画が政府より発表されたが、発表が目的化し、財政も含め具体性にかけ、贔屓の企業に融資してチョン、絵に描いた餅以下で霧散霧消してきた経緯もある。
国土強靭化策さえ、国は資金を地方へ渡したものの、地方は資金を浪費し、インフラ改修工事に回す資金は限られ、当時、リストアップされた改修工事案件の進捗率は10年経過しても遅々として進まず、資金だけが地方に垂れ流しされ続けてきた。
政府負債が大幅な財政赤字の中でも、地方にあっては、潤沢な地方交付金に潤い、あったら便利の不必要な投資が続けられている。
地方分権そのものは必要で評価されようが、地方分権=地方交付金拡大だと今だ勘違いしている日本の自治体ばかりだ。
国の財政問題の上で統治されるべき地方議会と地方行政、地方を統治する能力そのものが問題だらけ、資金を持ったら何でもやってよいとの勘違いした結果、福岡県のように県会議員たちの豪遊研修旅行や、国が行うべきワンヘルス事業に消費している。当事業では、国の直接財政負担もなく、議員提案条例が発布され、95%以上の県議会議員の信任を受け、行われているが、国が金を地方に持たせた結果、異常な地方の立法議会と行政になっている。
当施設が完成すれば、さらに金食い虫の施設になり続ける。福岡県の今回の問題は地方自治体の問題の一問題にすぎない。
少子高齢化中、全国民の賃金を毎年4.5%以上増加させ続ければ、少子高齢化の中で、財政負担も限られる中、確実にGDPは増加するものだが・・・。全世界、賃金を上昇させ続けば、GDPは確実に増加している。空前の利益を貯め込み続け、何でもできないとする経財界にも大きな問題が集中している。それをコントロールさせるのが政治ではなかろうか。
韓国では大統領が直接指揮して、2017年と2018年の2ヶ年計で最低賃金を30%弱増加させた。景気良くないにもかかわらず極端すぎて問題となったが、日本では人手不足・賃金上昇圧力問題を、低賃金の海外からの労働者受入枠を大幅に拡大させ、賃金上昇圧力を抑制させ続けてきた政府と財界では如何ともしがたい。
(ここ10年で200万人外国人居住者が増加している。2025年12月は412万人、2015年12月は223万人/違法滞在者含まず/うち外国国籍で特別永住者数はこの間10万人減少して26.6万人まで減少している)
日米10年物国債利回り比較
基利は基準金利
ドル円の基準金利もその差が縮小すれば円高に振れる。長期金利の指標である10年物国債の利回り金利差も縮小すれば、円高にシフトする。そうしたセオリーが通用しなくなっている。





