【東京】アパレル仕上げのヤマサワプレスが破産 「デニム de ミライ」に素材提供、自社ブランドも展開
アパレル製品のプレスや検品、補修などを手がける(株)ヤマサワプレス(東京都足立区花畑、法人番号:5011802027175)は、2026年9月2日、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。
破産管財人には村田明彦弁護士が選任されている。債権届出期間は9月30日までで、財産状況報告集会などの期日は12月3日午後2時30分。事件番号は令和8年(フ)第6260号。
同社はアパレル商品の店頭販売前に行われるアイロンプレスや検品、補修などを主力とし、物流・発送まで手がけてきた。近年はユーズドデニムを活用したアップサイクル事業にも取り組み、自社ブランドを展開していた。
ヤマサワプレスの会社概要
| 法人名 | 株式会社ヤマサワプレス |
|---|---|
| 所在地 | 東京都足立区花畑 |
| 法人番号 | 5011802027175 |
| 設立 | 1995年8月 |
| 主な事業 | ファッションプレス、検品・検査、補修、店舗向け発送、倉庫業、出張プレスなど |
| 自社ブランド | One-o-Five DENIM TOKYO |
| 負債額 | 確認できず |
アパレル商品の「仕上げ」を担い30年以上
ヤマサワプレスは1995年8月設立。公式サイトによると、本社のほか足立区花畑に第二工場、第三工場、アトリエを設けていた。
主力としていたのは、完成した衣料品を店頭へ送り出す前の最終工程。アイロンによるファッションプレスを中心に、検品、検査、補修、在庫管理、店舗への発送などを手がけ、コレクションやファッションショー、撮影現場への出張プレスにも対応していた。
衣料品そのものを大量生産するアパレルメーカーというより、ブランドやメーカーから商品を預かり、品質を確認して仕上げる業務を担う事業者だった。
「デニム de ミライ」に約20トンのユーズドデニムを提供
同社が広く知られるきっかけの一つとなったのが、三越伊勢丹などが展開したアップサイクル企画「デニム de ミライ ~Denim Project~」だった。
同プロジェクトでは、ヤマサワプレスが保有していた約20トンの「リーバイス® 501®」のユーズドストックを活用。国内外の60以上のブランドやクリエーター、アーティストなどが参加し、バッグや衣料品など多様な商品へアップサイクルされた。
「デニム de ミライ」は2022年の第40回毎日ファッション大賞で「話題賞」を受賞している。
ヤマサワプレスはリーバイスブランドの運営会社や製造元ではない。「デニム de ミライ」では、同社が保有していた「リーバイス® 501®」のユーズドストックをアップサイクル素材として提供していた。
自社ブランド「One-o-Five DENIM TOKYO」も展開
ヤマサワプレスは2020年9月、オリジナルブランド「One-o-Five DENIM TOKYO」を発表した。
同ブランドではユーズドデニムを素材に、ジーンズやスカート、バッグなどを展開。生地の選定、洗浄、補修、縫製、アイロンプレス、検品、発送までを足立区の自社工場で行う体制を打ち出していた。
「One-o-Five DENIM TOKYO」の特定商取引法に基づく表示でも、販売業者は株式会社ヤマサワプレス、本店所在地は今回破産開始決定を受けた法人と同じ東京都足立区花畑1丁目8番15号とされており、同社の自社事業であることが確認できる。
BEAMSやユニクロなどとの取引実績を掲載
ヤマサワプレスの公式サイトには「お取引いただいたアパレルブランド」として、BEAMS、TOMORROWLAND、UNITED ARROWS、SHIPS、ユニクロ、WORLD、BAYCREW'S GROUP、ONWARDなど多数の企業・ブランド名が掲載されている。
ただし、これらは同社が公式サイト上で公表していた過去の取引実績であり、破産時点まで取引関係が継続していたかは確認できない。また、各ブランドの商品をヤマサワプレスが製造または運営していたことを意味するものでもない。
2025年にもアップサイクル事業を紹介
三越伊勢丹は2025年4月にも「デニム de ミライ」をきっかけにヤマサワプレスへ入社したデザイナーへのインタビューを掲載。同社の自社ブランド「One-o-Five」の洋服デザインや、国内ファッションブランド向けの企画などに携わっていることが紹介されていた。
アパレル商品の仕上げを軸としながら、近年はユーズド素材を再活用した商品開発やデザインにも事業領域を広げていたことがうかがえる。
負債額や破綻原因は確認できず
ヤマサワプレスは30年以上にわたりアパレル商品の仕上げ工程を手がけ、近年はアップサイクル分野でも活動していたが、今回確認できた公開情報からは、破産に至った具体的な経緯や事業停止時期、負債総額は明らかになっていない。
売上減少や受注環境、原材料・人件費などと破産を結び付ける公表資料も確認できておらず、破綻原因については今後の判明が待たれる。
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