8月の鉱工業生産指数▲1.7%減 8月の自動車販売と生産
経産省が発表した8月の鉱工業生産指数は、2020年を100とした指数で102.6となり、前月を▲1.7%下回った(季節調整済)。
2ヶ月連続の月次縮小で、2月以来の最も急激なマイナスペースであり、輸出需要の低迷を背景に主要製造業セクター全体での生産の弱さを反映している。
8月の鉱工業生産指数乗用車などの自動車生産が不振で2ヶ月連続の低下となった。全15業種のうち12業種が低下、3業種が上昇した。
低下した主な業種は、
・自動車工業が▲6.8%(7月は+0.8%)下がった。
・コンベヤーや運搬用クレーンなどの汎用・業務用機械工業は▲6.0%(7月は+1.9%)、
・石油・石炭製品工業は▲13.3%低下(7月は+8.6%)した、
台風や地震の影響で自動車工業の生産が減少し、鉱工業生産指数全体の低下につながった。
上昇した3業種は、
・生産用機械工業が6.1%上昇(7月は+5.1%)。
・航空機用発動機部品などの輸送機械工業(自動車除く)は2.9%(7月は▲4.0%)上昇、
・化粧品や柔軟剤などの化学工業(無機・有機化学工業・医薬品を除く)が0.7%上昇(7月は+0.2%)した。
生産予測指数は、
主要企業の生産計画から算出した9月の生産予測指数は、8月に比し3.2%の上昇が見込まれている。10月の予測指数も3.1%上昇を見込む。
経産省は産業の景気判断を「一進一退」で据え置いている。
以上、
・日本の鉱工業の生産は智慧も政策もなく、企業は安直に海外へ出ていくか、国際間での価格競争にも敗れ安価な輸入品に依存している。その顕著な例がナフサだろう。
最先端の生産設備やシステムで生産する中国や韓国などの新興国に対し、日本は老朽化した生産性の悪い機械を後生大事にし続け、利益が出ても株主様還元を最優先で浪費、生産性を高める本格的な投資も行わず、生産コストが高くなり続け、国際間競争に敗退し続けている。
生産性向上の努力もせずして価格競争力を大幅に引き上げたはずの超円安の効果も、今や頭打ちで剥離してきている。
最後の機会はアベノミクス期だった。保身だけの大企業のサラリーマン経営者たちは小泉政権下やアベノミクスにおいて、企業利益の大増に酔いしれ、更新投資だけで、従業員還元ももちろんせず、生産性向上の大規模投資もしてこなかったことがすべて。
中途半端な国内市場規模が災いしたのか、所得を増やさない政財界の政策が長期にわたり続いた結果なのか・・・、政府日銀の超円安政策の反動の物価高に実質需要は減るばかり。
| 鉱工業生産指数の推移/経産省 | ||||
| 2020年を100とした指数に基づく季節調整済の前月比推移、 | ||||
| 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | |
| 1月 | -3.6 | -7.0 | 0.9 | 4.3 |
| 2月 | 3.4 | 0.3 | 0.1 | -2.0 |
| 3月 | 0.4 | 3.5 | -0.6 | -0.4 |
| 4月 | 0.3 | -0.6 | -0.9 | 0.5 |
| 5月 | -1.0 | 1.1 | 1.3 | 0.1 |
| 6月 | 0.9 | -1.2 | -0.3 | 1.9 |
| 7月 | -1.4 | 1.8 | -1.0 | -0.2 |
| 8月 | -0.4 | -2.0 | -1.3 | -1.7 |
| 9月 | 0.1 | 0.7 | 1.8 | |
| 10月 | 1.2 | 1.8 | 0.6 | |
| 11月 | -0.6 | -1.7 | -2.0 | |
| 12月 | 1.2 | -0.3 | 0.6 | |
| 備考 | 7勝5敗 | 6勝6敗 | 6勝6敗 | 4勝4敗 |
8月の自動車の販売と生産
8月の国内の主な自動車メーカーが海外で販売した新車の台数は、8社のうち6社で前年同月を下回った。中国での販売が減少していることなどが要因。
国内の主な自動車メーカー8社が29日公表した8月の新車販売台数によると、
世界全体の販売では、
トヨタ自動車、
トヨタの8月の世界販売台数(レクサス含む)は、前年同月比▲6%減の79万743台。
うち、中国は▲23%減の11万8449台、インドも▲8%減の2万3543台。
世界生産台数も6%減の70万860台で、国内は熊本地震や台風など自然災害の影響があったものの▲2%減の20万4487台だった。
ホンダ、日産自動車、ダイハツ工業、三菱自動車工業の5社で前年同月を下回った。
うち海外販売は上記5社に加え、マツダを含め6社で、前年同月比を下回った。
特に中国市場では、現地メーカーとの競争激化やガソリン車の販売低迷により、
日産が▲51.9%減、
ホンダが▲49.8%減、
トヨタが▲22.8%減
と、それぞれ大幅な落ち込みが続いている。
マツダと三菱自はアメリカで、ダイハツはマレーシアで販売が低迷し、それぞれ海外販売が減少した。
一方、スズキはインドで、SUBARUはカナダで販売が好調なことなどから、それぞれ海外での販売が増加している。
追、
中国の習氏は日本たたきに熱心であり、中国メディアも挙って日本たたきを行っており、中国民にも浸透し続けている。
中国政府は、国内経済の低迷から、その対策もあり、中国民を海外旅行より国内旅行へシフトさせており、観光地の整備事業を続け、今では観光地間で活発な観光客誘致合戦が繰り広げられ、海外客も増加し続けている。
日本への観光規制はそうした一環でも行われている(中国からの訪日客数は、昨年に比し▲5.6割減、11月には一巡する/25/1~8月671万人:26年同290万人)。
一方で、中国では日本やドイツのメーカーの自動車部品の最先端技術の部品部材がサプライチェーンとして中国企業により生産されており、そうした最新技術を知的財産権の考えがない中国の自動車メーカーが取り入れたり、独自に推進システムを安価かつ性能を大幅にアップさせたり、中国製自動車の性能も向上し続けている。
群雄割拠のメーカーの多さ、今年年初から、自動車購入税控除が半分になり、地方政府の購入補助金もなくなり、中国内の最近の自動車販売台数は前年比で▲2割減で推移しており、過度な販売競争に陥っている。そうした国内需要の減少から、海外販売が急増、今年は前年比6割増、6~8月は100万台以上の輸出台数で経過している。
この海外販売も中国メーカー間の競争から、ダンピング輸出が横行、メーカーの利益は上がらず、中国内の新規設備投資や雇用増にはつながらず、住宅産業のバブル崩壊もあり、内需不振が続いている。
中国経済は、GDPは拡大しても企業収益の拡大につながっていない。これまで産業振興策優先で消費税を課していなかったEV用や産業用の蓄電池について、11年振りに消費税を課すと発表している。現在でも自動車生産コストに占める蓄電池コストは1/4前後を占めており、自動車販売価格を引き上げるしかない。
中国の中央政府はこれまでに大規模経済対策を何回行っても景気は浮揚せず、消費内需が改善する明るさは全く見えてこず、自動車販売価格が上昇すれば、さらに自動車販売台数も減少する可能性が高い。
↓中国の自動車生産台数(工場出荷ペース)と国内販売台数と輸出台数
| 工場出荷数 | 輸出台数 | 中国内販売台数 | ||||
| 千台 | 前年比 | 千台 | 前年比 | 千台 | 前年比 | |
| 2020年 | 25,313 | 995 | -2.9% | 24,318 | - | |
| 2021年 | 26,275 | 3.8% | 2,015 | 101.1% | 24,260 | -0.2% |
| 2022年 | 26,864 | 2.2% | 3,111 | 54.4% | 23,753 | -2.1% |
| 2023年 | 30,476 | 13.4% | 4,910 | 57.9% | 25,566 | 7.6% |
| 2024年 | 31,427 | 3.1% | 5,860 | 19.3% | 25,567 | 0.0% |
| 2025年 | 34,346 | 9.3% | 7,100 | 21.1% | 27,246 | 6.6% |
| 26/1~8月 | 20,404 | -3.3% | 7,153 | 66.7% | 13,251 | -20.8% |
| ・外資系メーカーの中国での生産車の輸出台数含む | ||||||
| ・中国自動車工業協会による工場出荷台数 | ||||||
| ☆2025年までで購入補助金終了、購入税の減税措置が26年から半減。 中国政府は自動車用などの蓄電池に対し、消費税を11年ぶりに復活決定。 | ||||||





