飲食・食品関連業倒産

アイコン 【倒産企業続報・熊本】「まぼろしの豆腐」の日の出屋が破産開始 負債約4.7億円、福岡の「ひので家」も閉店


熊本県宇城市の豆腐製造販売会社「株式会社日の出屋」が、2026年10月16日に熊本地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は約4億7,000万円(破産申請時の既報値)。

同社は「ひので家」の屋号で豆腐や油揚げ、湯葉などを製造販売し、高級寄せ豆腐「まぼろしの豆腐」などの商品を展開していた。ピーク時には年商13億円を超えていたが、近年は売上高が縮小し、赤字と債務超過が続いていた。

2026年7月28日の熊本地震では本社工場が被災し、製造の再開が困難となった。福岡県内の販売店舗も営業を終了しており、木の葉モール橋本の「ひので家」は9月30日に閉店した。

JC-NETでは10月5日に同社の自己破産申請を報じていたが、今回、正式な破産手続き開始決定が明らかになった。

 

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自己破産申請から10月16日に破産手続き開始決定

日の出屋は1993年10月に個人創業し、1994年10月に法人化された。資本金は430万円。熊本県宇城市を拠点に、豆腐、油揚げ、湯葉、がんもどきなどの豆腐関連食品を製造販売していた。

九州各地の商業施設やスーパーマーケットなどに「ひので家」の屋号で出店し、豆腐を中心とした商品を販売。高級志向の寄せ豆腐「まぼろしの豆腐」などを主力商品としていた。

経営規模が最も拡大していた2015年9月期には、年売上高約13億1,700万円を計上していた。

しかし、その後は販売不振や原材料価格の上昇などが収益を圧迫。2025年9月期の売上高は約5億5,000万円まで減少し、6期連続の赤字を計上するなど、厳しい経営状態が続いていた。

累積損失によって債務超過に陥り、経営再建を進めていたが、2026年7月の熊本地震で本社工場が被災したことも重なり、事業継続を断念した。

同社は2026年9月下旬から10月上旬にかけて熊本地裁に自己破産を申請したと報じられた。申請日については報道機関によって9月28日と10月2日の相違があり、正確な申請日は確認できていない。

その後、10月16日に熊本地裁から破産手続き開始決定を受けた。

負債総額は債権者約130人に対して約4億7,000万円とされている。ただし、この金額は破産申請時の既報値であり、今回の開始決定によって裁判所が確定した負債額ではない。

関連記事:【熊本】「まぼろしの豆腐」の日の出屋が自己破産申請 売上13億円超から5.5億円、熊本地震で本社工場被災 負債4.7億円(2026年10月5日)

福岡の「ひので家」も閉店、木の葉モール橋本は9月30日で営業終了

日の出屋は本社工場で製造した豆腐関連商品を、九州各地の商業施設やスーパーなどで販売していた。

その販売拠点の一つである福岡市西区の木の葉モール橋本では、「はしもとまるしぇ」内に「ひので家」を出店していた。

同施設の公式発表によると、同店は2026年8月11日から一時休業となり、その後、9月30日をもって営業を終了した。

10月1日付の施設公式サイトの閉店案内には、閉店後の問い合わせ先として株式会社日の出屋が記載されており、同店と破産法人の関係が確認できる。

また、福岡県福津市のイオンモール福津でも、1階に出店していた「ひので家」が営業を終了。同施設の閉店案内には、閉店後の問い合わせ先として日の出屋が記載されている。

同店は8月31日で営業を終了したとJC-NETが既に報じている。

両店舗は同社の販売拠点であったことが確認できるが、現在の全店舗の営業状況や、商品ブランドの承継先については確認できていない。

なお、過去の店舗案内や商品情報が残っている場合でも、日の出屋が現在も製造・販売を継続していることを意味するものではない。

食品廃棄を約3分の1に削減、製造DXにも取り組む

日の出屋は経営再建を進める中で、製造工程の効率化にも取り組んでいた。

ソフトウェア開発会社Clarisが2024年5月に公開した導入事例によると、同社は2015年からFileMakerを利用して商品管理をデジタル化。2022年にはクラウドシステムを導入し、販売店舗から本社工場への発注・製造依頼を効率化していた。

各店舗でiPadから発注数量を入力し、製造現場が需要をリアルタイムで把握できる仕組みを整備。従来は経験や勘に頼っていた生産量の調整を見直し、過剰生産や商品廃棄の削減につなげていた。

同社の説明では、こうした取り組みにより、廃棄する商品の金額を従来の約3分の1に削減したという。

一方、製造や発注の効率化を進めても、売上高の減少と赤字の継続を解消するには至らなかった。

なお、食品廃棄の削減は2024年に紹介された事業改善の実績であり、その後の全社的な収益改善や経営再建が成功したことを示すものではない。

2026年熊本地震で本社工場が被災

2026年7月28日、熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宇城市や氷川町などで最大震度7を観測した。

日の出屋が本社工場を置いていた宇城市も大きな被害を受けた。

破産申請代理人の説明として報じられた内容によると、日の出屋の工場は地震によって被災し、再開のめどが立たなくなっていた。

同社は地震以前から販売数量の減少や原材料価格の高騰などで収益環境が悪化し、赤字決算と債務超過が続いていた。

そのため、経営破綻の経緯は地震被害だけでなく、長期間の業績悪化に加えて本社工場の被災が重なったものと整理できる。

工場施設や製造設備の今後の取り扱い、商品ブランドの承継、別法人による製造再開の有無などについては確認できていない。

破産管財人を選任、2027年1月に報告集会

熊本地裁による破産手続き開始決定は2026年10月16日付。

事件番号は令和8年(フ)第679号。破産管財人には三浦宏之弁護士が選任された。

財産状況報告集会、廃止意見聴取、計算報告などの期日は、2027年1月26日午後1時30分に指定されている。

今後は破産管財人のもとで、資産や債権債務関係などの調査・整理が進められる。

現時点では、店舗や製造設備の承継先、事業再開に向けたスポンサーの存在、破産手続きにおける最終的な負債額などについて確認できていない。

株式会社日の出屋の会社概要

法人名 株式会社日の出屋
所在地 熊本県宇城市
法人番号 3330002023913
創業 1993年10月
法人化 1994年10月
資本金 430万円
主な事業 豆腐、油揚げ、湯葉などの製造販売
屋号・商品名 ひので家、まぼろしの豆腐
2015年9月期売上高 約13億1,700万円
2025年9月期売上高 約5億5,000万円
破産開始決定 2026年10月16日・熊本地裁
事件番号 令和8年(フ)第679号
破産管財人 三浦宏之弁護士
財産状況報告集会等 2027年1月26日午後1時30分
負債総額 約4億7,000万円(破産申請時の既報値)

参考資料:JC-NET・2026年10月5日既報、Gビズインフォ法人情報、木の葉モール橋本・閉店のお知らせ、イオンモール福津・閉店のお知らせ、Claris・日の出屋のDX事例。売上高・負債額は既報数値。破産申請日は報道間で相違しているため断定していない。

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