【宮城】廃車リサイクルのなかよし産業が破産 年商3.76億円も純損失1.8億円、負債約2.5億円
宮城県白石市の自動車解体・リサイクル業者「有限会社なかよし産業」が、2026年10月20日に仙台地裁大河原支部から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は約2億5,000万円。
同社は1970年創業の自動車解体業者で、使用済み自動車の引取りや中古部品の販売、中古車の海外輸出などを手掛けていた。2011年の東日本大震災では津波で流された車両などの撤去にも携わり、2020年ごろからは建物解体工事にも事業を広げていた。
しかし、中古車輸出の減少などで経営が悪化。2025年8月期には売上高約3億7,600万円に対して約1億8,000万円の純損失を計上し、2026年2月末に事業を停止していた。
1970年創業、自動車解体から中古部品販売・海外輸出まで展開
なかよし産業は1970年に創業し、1989年4月に法人を設立した。宮城県白石市を拠点に、自動車の解体やリサイクルを中心とする事業を展開していた。
宮城県、山形県、福島県など南東北地域を中心に廃車となった中古車を仕入れ、解体によって発生する部品や付属品を販売。中古車の海外輸出にも取り組んでいた。
会社公式サイトでは、使用済み自動車の引取り、車両販売、産業廃棄物処理、建物・内装解体、不用品回収などを事業内容として案内していた。
また、2020年ごろからは建物解体工事にも事業領域を広げ、自動車リサイクルで培った解体・分別技術を建設関連分野にも活用する事業構成となっていた。
なお、公式サイトに掲載されている内容は過去の事業実績を示すものであり、2026年2月の事業停止後も各サービスを継続していることを意味するものではない。
宮城県が2023年に産業廃棄物破砕施設の設置を許可
自動車の解体・リサイクルに加え、同社は産業廃棄物処理事業にも取り組んでいた。
宮城県が2023年2月10日に公表した産業廃棄物処理施設設置許可の公告によると、同社は同年1月30日、白石市における廃プラスチック類の破砕施設と、木くず及びがれき類の破砕施設について新規の設置許可を受けている。
廃プラスチック類や木くず、がれき類は、建設工事などでも発生する産業廃棄物であり、同社が事業領域を自動車解体以外にも広げていたことを示す資料となっている。
ただし、今回確認できたのは2023年当時の施設設置許可であり、破産時点における施設の稼働状況、処分業許可の有効性、施設の承継先については確認できていない。
会社公式サイトでは環境保全活動についても紹介され、環境マネジメントシステム「ISO14001」の認証取得を案内していた。
もっとも、同認証についても破産開始決定時点での継続状況は確認できていない。
東日本大震災では流出車両の撤去にも従事
同社は2011年の東日本大震災で、津波によって流された車両や放置された車両の撤去にも取り組んだと報じられている。
被災地では津波によって多数の自動車が流出し、道路や敷地などに残された車両の撤去が復旧作業上の課題となった。
なかよし産業は自動車の引取りや解体を本業としており、震災後の車両撤去にもその業務経験を生かしていた。
1970年の創業から半世紀以上にわたり事業を続けてきたが、近年は中古車輸出の減少や収益悪化によって経営基盤が弱まっていた。
年商3億7,600万円も純損失1億8,000万円、債務超過に
経営面では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う物流の停滞などを背景に、中古車の海外輸出が減少。売上高や収益の確保が難しくなっていた。
2020年ごろから建物解体工事にも進出したが、経営改善にはつながらず、厳しい財務状況が続いていた。
2025年8月期の売上高は約3億7,600万円。一方、当期純損失は約1億8,000万円に達した。
年間売上高に対して大きな最終赤字を計上し、債務超過に陥っていたとされる。
その後も経営状態の改善には至らず、2026年2月末に事業を停止した。
約8か月後の10月20日、仙台地裁大河原支部から破産手続き開始決定を受けた。
負債総額は約2億5,000万円と報じられている。ただし、これは破産開始決定時に報じられた金額であり、裁判所が確定した負債総額ではない。
また、約1億8,000万円は2025年8月期の当期純損失であり、負債総額とは異なる。
破産管財人を選任、2027年1月に報告集会
なかよし産業の破産開始決定は2026年10月20日付。
事件番号は令和8年(フ)第75号。破産管財人には鶴見聡志弁護士が選任された。
財産状況報告集会、廃止意見聴取、計算報告などの期日は、2027年1月27日午前11時30分に指定されている。
今後は破産管財人のもとで資産や債権債務関係の調査、整理が進められる。
廃棄物処理施設や自動車解体設備の今後の取り扱い、事業の譲渡先、スポンサーの有無については確認できていない。
有限会社なかよし産業の会社概要
| 法人名 | 有限会社なかよし産業 |
|---|---|
| 所在地 | 宮城県白石市 |
| 法人番号 | 4370102002515 |
| 創業 | 1970年 |
| 設立 | 1989年4月 |
| 主な事業 | 自動車解体・リサイクル、中古部品販売、中古車輸出、建物解体、産業廃棄物処理 |
| 2025年8月期売上高 | 約3億7,600万円 |
| 2025年8月期純損失 | 約1億8,000万円 |
| 事業停止 | 2026年2月末 |
| 破産開始決定 | 2026年10月20日・仙台地裁大河原支部 |
| 事件番号 | 令和8年(フ)第75号 |
| 破産管財人 | 鶴見聡志弁護士 |
| 報告集会等 | 2027年1月27日午前11時30分 |
| 負債総額 | 約2億5,000万円(報道値) |
参考資料:Gビズインフォ法人情報、宮城県・産業廃棄物処理施設設置許可公表、なかよし産業公式サイト、仙台放送・2026年10月29日報道。売上高・純損失・負債総額は報道値。公式サイトに掲載された事業内容は破産前の情報であり、現在の営業状況を示すものではない。
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