【富山】1928年創業のロッキーが破産 「とらねこ屋」へ転換もコロナ・能登地震・豪雨
富山県氷見市で酒類の卸売・小売を手がけていた株式会社ロッキーが9月28日、富山地裁高岡支部から破産手続き開始決定を受けた。負債は約4,000万円。
同社は1928年創業。氷見市内の旅館やホテル、飲食店などへの酒類卸を主力とする一方、小売店も展開してきた。ピーク時には年間売上高約4億7,000万円を計上していた。
| 法人名 | 株式会社ロッキー |
|---|---|
| 所在地 | 富山県氷見市 |
| 法人番号 | 2230001011517 |
| 創業 | 1928年 |
| 事業 | 酒類卸売・小売 |
| 手続き | 破産手続き開始決定 |
| 負債 | 約4,000万円 |
90年続いた酒屋を「とらねこ屋」へ転換
ロッキーは氷見で約100年にわたり酒販業を続けてきた老舗で、業務用の酒類卸に加え、一般消費者向けの小売事業も手がけていた。
転機の一つとなったのが2017年。同社は従来の「ロッキー氷見店」を「wine + SAKE とらねこ屋」へ改装・改称した。
幅広い商品を販売する従来型の酒販店から、ワインや日本酒を選んで提案するリカーショップへ転換。店内にはイベントスペースも設け、氷見の酒や食に関わる事業者とともに地域の魅力を発信する店舗を目指した。
改装時にはクラウドファンディングにも挑戦。酒を販売するだけでなく、日本酒やワインのイベント、ネット通販などを通じて、新たな顧客との接点をつくろうとしていた。
ピーク時は売上約4.7億円
本業では、氷見市内の旅館やホテル、飲食店などを主要な得意先として酒類を供給していた。
ピーク時には年間売上高約4億7,000万円を計上したものの、ディスカウントストアなどとの競争が激しくなり、酒販を取り巻く環境は次第に厳しくなった。
さらに新型コロナウイルス禍では、主要顧客だった宿泊施設や飲食店の営業が大きな影響を受け、業務用酒類の販売も低迷した。
能登半島地震で再び得意先が打撃
コロナ禍からの回復途上だった2024年1月には能登半島地震が発生した。
氷見市内でも大きな被害が出て、得意先となる旅館やホテル、飲食店などの営業が減少。観光・外食需要と結びついていた同社の酒類販売にも影響が及び、業績回復を難しくした。
酒類卸は、自社店舗の売上だけでなく、地域の宿泊・飲食事業者の営業状況にも左右される。ロッキーにとって、得意先の営業低迷がそのまま受注減につながる状況が続いた。
追い打ちとなった2026年8月の氷見豪雨
そして2026年8月27日、氷見市を記録的な大雨が襲った。
市内では住宅だけでなく店舗や事業所、営業車両、設備などにも被害が発生。ロッキーでも得意先の飲食店などが被災したことで酒類販売がさらに落ち込み、業績回復が難しい状況となった。
ディスカウントストアとの競争、コロナ禍、能登半島地震に続いて豪雨被害が重なるなか、先行きの見通しが立たなくなり事業継続を断念。9月28日に破産手続き開始決定を受けた。
今回の破綻は、2026年8月の記録的大雨の影響を受けた企業倒産として富山県内初と報じられている。
普通の酒屋から「とらねこ屋」へ転換し、地域の酒や食を発信する店づくりにも挑戦したロッキーだったが、約100年にわたる事業の歴史に幕を下ろすこととなった。
お住まいの地域・都道府県から最新の倒産情報を確認できます
従業員・取引先・利用者が確認すべき手続きと相談先はこちら





