【静岡】アパホテル〈富士中央〉運営の鈴和観光が民事再生開始 負債18億 163室のホテル、11月30日営業終了へ
静岡県富士市でホテル・レストラン事業を手掛ける株式会社鈴和観光(法人番号:9080101008827)は、2026年10月15日、静岡地裁から民事再生手続きの開始決定を受けた。負債総額は約18億円。
同社は富士市で長年ホテル事業を展開し、2014年には従来の「富士ポートホテル」をアパホテル〈富士中央〉としてリブランド開業。アパホテルとのフランチャイズ契約により、全163室のホテルを運営してきた。
一方、旅行会社の宿泊先変更案内によると、アパホテル〈富士中央〉は2026年11月30日のチェックアウトをもって営業を終了する予定。民事再生手続きの開始とともに、地域で営業してきた大型宿泊施設の今後にも注目が集まる。
1969年設立、富士市でホテル・レストラン事業を展開
鈴和観光は1969年4月に設立された企業で、1981年から静岡県富士市でホテル事業を展開してきた。
ホテル運営に加え、レストラン事業も手掛け、宿泊客だけでなく、地元の企業や団体による会合、宴会、記念日の食事などにも対応していた。
静岡県の企業紹介資料では、ホテル事業について客室サービスや設備の充実を図り、スタッフの採用や経営判断は自社で行う運営体制を紹介していた。
同資料には売上高5億1700万円、従業員47人との記載もある。ただし、数値の対象年度は確認できず、今回の民事再生手続き開始直前の業績や従業員数を示すものではない。
「富士ポートホテル」からアパホテルへ、2014年に転換
同社が運営していた「富士ポートホテル」は、2013年3月にアパパートナーホテルズへ加盟。その後、同年11月にアパホテルとのフランチャイズ契約を締結した。
2014年4月2日には、施設名をアパホテル〈富士中央〉へ変更してリブランド開業した。
アパグループが当時公表した資料によると、ホテルは本館と別館で構成され、本館は2006年8月、別館は1991年4月の竣工。地上9階建てで総客室数は163室、収容人数は207人だった。
アパホテルへの転換に際しては、全客室へのインターネット接続環境の整備や、一部客室の内装変更、アパホテル仕様のベッド導入などが行われた。
ホテルは東名高速道路の富士インターチェンジから車で約3分、新幹線の新富士駅から車で約10分の位置にあり、ビジネス利用や富士山周辺への観光客を受け入れてきた。
公式ホテル案内には、普通車120台に対応する平面駐車場や会議室なども掲載されている。
アパホテル〈富士中央〉は11月30日営業終了予定、旅行商品にも影響
今回の民事再生開始決定に加え、利用者への影響が大きいのが、アパホテル〈富士中央〉の営業終了予定だ。
クラブツーリズムが公表した2027年新春ツアーの案内では、当初予定していた宿泊先のアパホテル〈富士中央〉について、2026年11月30日のチェックアウトをもって営業を終了するとの連絡があったことを明らかにしている。
同社はこれを受け、該当する旅行商品の宿泊先を静岡市内のアパホテル〈静岡駅北〉へ変更した。
営業終了予定が旅行商品の宿泊先変更につながっていることは確認できる一方、ホテル側による営業終了の詳細な説明や、すべての予約客への対応状況については確認できていない。
また、アパホテルの公式予約ページや一部の宿泊予約サイトにはホテル情報が残っており、予約サイトによっては12月以降の料金表示もある。掲載情報の更新状況には差があるため、ホテルの現時点での営業実態や個別の予約可否を、これらの表示だけで判断することはできない。
なお、ホテル営業終了の予定と、鈴和観光に対する民事再生手続き開始決定は、それぞれ別の事実である。営業終了に至る詳細な理由や、ホテル施設の今後の利用計画については確認できていない。
アパホテル本体ではなく、フランチャイズ運営会社の民事再生
今回、民事再生手続きの開始決定を受けたのは、アパホテル〈富士中央〉のフランチャイズ運営を手掛けてきた鈴和観光であり、アパホテル株式会社やアパグループ本体ではない。
フランチャイズ方式では、ホテルブランドや予約システム、サービス基準などを活用しながら、加盟事業者が独立した経営主体としてホテルを運営する。
鈴和観光についても、静岡県の企業紹介資料には、スタッフを自社で採用し、経営判断を独自に行う体制が記載されていた。
そのため、今回の民事再生手続きとアパホテルグループ全体の経営状況を混同することはできない。
また、民事再生は事業や企業の再建を目的とする法的整理手続きであり、破産手続きとは異なる。今後の再生計画やスポンサーの有無、残る事業の運営方針などについては確認できていない。
静岡地裁が民事再生開始決定、債権届出期限は11月16日
鈴和観光は2026年10月15日、静岡地裁から民事再生手続き開始決定を受けた。事件番号は令和8年(再)第1号。
再生債権の届出期間は2026年11月16日まで、再生債権の一般調査期間は同年12月21日から28日までとされている。
負債総額、民事再生申立日、直近の売上高、具体的な資金繰り悪化の経緯などは確認できていない。
鈴和観光が今後どのような再生計画を提出するのか、ホテル営業終了後の施設や従業員の取り扱いがどうなるのかも、現時点では明らかになっていない。
会社概要
| 法人名 | 株式会社鈴和観光 |
|---|---|
| 所在地 | 静岡県富士市 |
| 設立 | 1969年4月16日 |
| 資本金 | 4000万円 |
| 事業内容 | ホテル・レストラン事業 |
| 運営ホテル | アパホテル〈富士中央〉(フランチャイズ運営) |
| 旧ホテル名 | 富士ポートホテル |
| ホテル客室数 | 163室 |
| ホテル営業終了予定 | 2026年11月30日のチェックアウト時(旅行会社の案内) |
| 民事再生手続き開始決定 | 2026年10月15日(静岡地裁) |
| 事件番号 | 令和8年(再)第1号 |
| 再生債権届出期限 | 2026年11月16日 |
| 負債総額 | 約18億円 |
| 法人番号 | 9080101008827 |
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