【栃木】集成材メーカー鹿沼木工・トチシュー2社が破産 事業譲受報道、商工中金の融資実績も
集成材や住宅用木材の製造を手がけていた鹿沼木工(株)(栃木県鹿沼市)と(株)トチシュー(同市)の2社が、2026年10月21日、宇都宮地裁からそれぞれ破産手続き開始決定を受けたことが分かった。
鹿沼木工は1938年創業の老舗木材加工メーカー。一方、トチシューは1973年に発足した栃木県集成材協業組合を前身とし、2023年に株式会社へ組織変更していた。両社とも大手住宅メーカーへの過去の納入実績を持つ。
2026年10月1日には、木材専門紙がテクノウッドワークスによる両社の事業譲受を報道。また、鹿沼木工の旧集成材工場では、10月から木材加工設備の現場売却が案内されている。
両社の破産管財人には安田真道弁護士が選任された。破産債権の届出期限は2026年12月2日、財産状況報告集会などは2027年1月29日午前10時に予定されている。事件番号は鹿沼木工が令和8年(フ)第702号、トチシューが同第703号。
鹿沼木工は1938年創業、住宅用集成材や内装材を製造
鹿沼木工は1938年(昭和13年)創業。住宅向けの造作用・構造用集成材のほか、無垢材の羽目板、床材、建具枠材などを製造していた。
鹿沼市森林認証協議会の企業紹介では、集成材製造に加えて無垢材加工やNC加工にも対応する企業として掲載されている。
2024年の「ものづくり企業展示・商談会」の出展資料では、主要取引先として積水ハウス、旭化成ホームズを記載。単板貼り集成材、積層材、無垢材の加工・塗装を行い、小型木工製品から建築用の梁まで製造できる体制を紹介していた。
ただし、これらは過去の取引・製造実績であり、2026年の破産開始時点まで取引が継続していたかは確認できていない。
トチシューは協業組合から株式会社化、商工中金が1.5億円融資
トチシューの前身は、1973年6月に発足した栃木県集成材協業組合。造作用集成材の製造から事業を広げ、住宅用の柱や梁などに用いる構造用集成材も取り扱ってきた。
2023年4月3日に株式会社へ組織変更し、同年12月には商工中金がポジティブ・インパクト・ファイナンスによる1億5000万円の融資を実施した。
商工中金の公表資料によると、同社は温室効果ガス削減目標に関する中小企業版SBT認定を取得し、環境に配慮した木材製造を推進。2023年11月時点の従業員数は30人、資本金は4800万円だった。
集成材の販売先には積水ハウスなどの大手住宅メーカーが含まれ、公共建築物向けの製品も供給していた。
なお、2023年の融資額は当時実行された金額であり、2026年10月の破産時点の借入残高や負債総額ではない。また、当該融資と経営破綻との因果関係も確認できていない。
トチシューの過去の負債は約7.58億円、2022年決算公告
トチシューの法人番号に紐付く第49期決算公告では、2022年3月31日時点の資産合計が8億1078万7000円、負債合計が7億5783万円、株主資本が5295万7000円となっていた。当期純利益は3452万6000円だった。
この決算は株式会社への組織変更前の時点に相当する。2023年の融資や、その後の事業状況によって財務内容が変化している可能性があるため、2022年の負債合計を今回の破産負債額とみなすことはできない。
テクノウッドワークスが2社の事業譲受と報道
両社の破産に先立ち、2026年10月1日付の日刊木材新聞は、テクノウッドワークスが鹿沼木工とトチシューの事業を譲り受けたと報じた。
集成材製造を手がける2社の事業について、同じ譲受先が報じられていることは今回の案件を理解するうえで重要な動きとなる。
もっとも、譲渡された事業や資産の範囲、製造拠点、取引契約、従業員の雇用承継など、具体的な条件は確認できていない。
また、鹿沼木工とトチシューの資本関係も確認できておらず、両社を親子会社や同一企業グループと断定することはできない。今回の破産開始決定はそれぞれの法人に対するものであり、譲受先と報じられたテクノウッドワークスが破産したわけではない。
鹿沼木工の旧工場では加工設備の現場売却を案内
一方、鹿沼木工の旧工場では、木材加工設備の売却に関する動きも確認された。
鹿沼市の木材加工機械販売会社テクノマシンは、2026年10月14日、旧鹿沼木工の集成材工場について機械設備の現場売却案内を公表した。
案内によると、10月20日から11月30日まで平日に内覧を実施し、設備の引き取り期限は12月中旬を予定。対象にはスライサー、プレス、モルダー、NC加工機、サンダーなどの木材加工設備が含まれている。
ただし、設備の所有権や実際の売却状況、テクノウッドワークスによる事業譲受との関係は確認できていない。事業の譲受と設備の売却を同一の取引として扱うことはできない。
2社が同日破産開始、負債総額や破綻原因は未判明
トチシューについては10月1日に破産手続き開始申立準備が報じられ、その後、鹿沼木工とともに10月21日に破産開始決定を受けた。
両社の事業停止時期や直近売上高、破産時点の負債総額、経営悪化の具体的な経緯は確認できていない。
長年にわたり住宅用の集成材を製造してきた2社の法的整理となったが、事業譲受に関する報道もあり、従来の生産体制や取引がどのように引き継がれているかが今後の確認事項となる。
鹿沼木工・トチシューの会社概要
| 項目 | 鹿沼木工株式会社 | 株式会社トチシュー |
|---|---|---|
| 所在地 | 栃木県鹿沼市 | 栃木県鹿沼市 |
| 法人番号 | 9060003000553 | 1060005003520 |
| 創業・沿革 | 1938年創業 | 1973年6月に前身組合発足、2023年4月に株式会社化 |
| 主な事業 | 集成材、無垢材、住宅用内装材の製造・加工 | 構造用・造作用集成材の製造販売 |
| 過去の主な取引先 | 積水ハウス、旭化成ホームズ(2024年資料) | 積水ハウスなど(2023年資料) |
| 2023年の融資実績 | 確認できず | 商工中金から1億5000万円 |
| 破産開始決定 | 2026年10月21日 | 2026年10月21日 |
| 裁判所 | 宇都宮地裁 | 宇都宮地裁 |
| 事件番号 | 令和8年(フ)第702号 | 令和8年(フ)第703号 |
| 破産管財人 | 安田真道弁護士 | 安田真道弁護士 |
| 破産時点の負債総額 | 確認できず | 確認できず |
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