閉店・閉鎖情報

アイコン 【青森】オカムラ食品工業「PORT」が閉店 連結売上427億円、34年続いた直営店と通販・EC終了


東証スタンダード上場の水産加工大手、株式会社オカムラ食品工業(青森県青森市)が運営する直営販売店「PORT(ポート)青森店」が、2026年10月31日をもって閉店した。通販ギフトセンターと公式ECサイト「ポートオンラインショップ」も営業を終了した。

PORTは1992年、オカムラ食品工業の水産加工品を地元消費者に直接販売する店舗として開業。筋子やサーモン、いくらなどを扱い、約34年間にわたり営業してきた。2025年には同社の直営オンラインショップをPORTに一本化していたが、その翌年に実店舗と通信販売の双方が終了することとなった。

一方、運営するオカムラ食品工業の2026年6月期連結売上高は427億2,600万円で、前期比20.9%増加。連結経常利益も40億5,600万円と同44.1%増加している。グループ全体では増収増益を確保しており、今回の閉店は会社全体の事業終了とは異なる。

 

スポンサーリンク
 
 

PORT青森店、通販ギフトセンター、ECサイトが営業終了

オカムラ食品工業は2026年4月20日、PORTの公式サイトで「青森店・通販ギフトセンター・ECサイト」の閉店を発表した。

会社公式サイトでも10月末での閉店を案内しており、同社の公式noteには10月31日をもって直営店とオンラインショップを終了する旨が明記されている。

PORT青森店は青森市八重田に所在し、筋子やサーモン、いくら、たらこ、海鮮惣菜などの水産加工品を販売。地元の消費者に加え、贈答用の商品を求める利用客にも対応してきた。

直営店の営業終了に合わせ、電話や通信販売によるギフト商品の取り扱い、PORTの公式ECサイトも終了対象となった。

ただし、これらはPORTという同一の販売事業に含まれる販売経路であり、実店舗が3店同時に閉店したという意味ではない。

閉店の具体的な理由や、PORT事業単独の売上高、採算状況、従業員の処遇などについては、今回確認した公式発表では明らかになっていない。

1992年に直営店開業 地元向けの水産加工品販売を展開

オカムラ食品工業の公式沿革によると、PORTの小売店舗が開業したのは1992年。同社が製造する高品質な水産加工品を、地元の一般消費者に直接販売することを目的としていた。

当時、株式会社ポートを設立し、青森市内に小売店舗を開設。その後、株式会社ポートはオカムラ食品工業に吸収され、直営店として営業を続けてきた。

PORTの公式サイトによると、小売店舗の開設に先立つ1988年には、水産加工品を扱う通信販売部門が設けられていた。1995年には弘前市にも店舗を出店するなど、地元消費者向けの販売を展開してきた。

同社は筋子やいくらなどの魚卵加工品を主力商品の一つとしており、PORTでもデンマーク産の原料を使用した筋子や、青森県産サーモンの加工品などを販売してきた。

1992年開業の青森店は約34年間、1988年に始まった通信販売部門は約38年間にわたる歴史を持つことになる。今回の営業終了により、同社の直営小売事業の一つが区切りを迎えた。

2025年に直営ECサイトを一本化 約1年9カ月でPORTも終了

PORTの営業終了に先立ち、オカムラ食品工業は2025年に通信販売サイトの統合を進めていた。

同社は2025年1月9日、それまで運営していた「オカムラ食品工業オンラインショップ」と「ポートオンラインショップ」の2つの直営ECサイトを、PORT側へ一本化すると発表した。

この方針に基づき、旧「オカムラ食品工業オンラインショップ」は2025年1月31日午後5時に営業を終了。翌2月1日から「ポートオンラインショップ」に集約された。

当時の公式発表では、商品展開やサービスを充実させる方針を示していた。なお、旧サイトの会員情報はPORT側に自動移行されず、利用には新規の会員登録が必要と案内されていた。

しかし、約1年3カ月後の2026年4月には、集約先となったPORTの閉店を発表。同年10月31日にはPORTのECサイト自体も営業を終了した。

2025年のECサイト統合から約1年9カ月で、PORTを通じた直営通販も終了したことになる。

ただし、サイト統合と今回の閉店が当初から一体の計画として進められていたのかは確認できていない。PORTの事業終了を決めた具体的な経営判断や時期についても、公表資料からは明らかになっていない。

筋子の自販機も展開 青森空港や新青森駅に販売拠点

PORTは実店舗や通信販売に加え、筋子を販売する冷凍自動販売機の設置にも取り組んでいた。

2023年11月にはPORT青森店の店頭に自動販売機を設置。2024年6月には青森空港、同年7月にはJR新青森駅にも販売拠点を広げた。

2024年11月のJタウンネットの取材に対し、オカムラ食品工業は、店舗の営業時間外や定休日にも商品を購入できるようにすることが自販機導入の背景にあったと説明している。

また、空港や新幹線駅への設置には、青森の土産品としてPORTの筋子を知ってもらう目的もあった。

2026年5月には青森空港と新青森駅の自販機について、店舗閉店に先立つ営業終了を地域情報媒体が報じている。ただし、今回の調査では各自販機に関する公式の最終稼働状況や、すべての設置先の取り扱いを直接確認できていない。

このため、実店舗とECサイトの終了に伴って、すべての自動販売機が同時に営業を終了したと断定することはできない。

オカムラ食品工業は連結売上427億円 前期比20.9%増収

一方、PORTを運営するオカムラ食品工業のグループ全体の業績は、2026年6月期に増収増益となった。

2026年8月7日に発表した連結決算によると、売上高は427億2,600万円で前期比20.9%増加。営業利益は38億7,300万円で同28.2%増、経常利益は40億5,600万円で同44.1%増となった。

親会社株主に帰属する当期純利益も27億8,200万円となり、同37.7%増加している。

項目 2025年6月期 2026年6月期 前期比
連結売上高 353億4,500万円 427億2,600万円 20.9%増
連結営業利益 30億2,100万円 38億7,300万円 28.2%増
連結経常利益 28億1,500万円 40億5,600万円 44.1%増
親会社株主に帰属する当期純利益 20億2,000万円 27億8,200万円 37.7%増

※オカムラ食品工業の2026年6月期決算短信に基づく連結数値。PORT単独の売上高・損益ではない。

同社は1971年8月に青森市で創業した水産加工企業。現在はサーモン養殖、国内加工、海外加工、海外卸売の4事業を柱とし、海外にも事業を展開している。

2023年9月には東京証券取引所スタンダード市場へ上場。2026年6月期の増収について、同社は国内養殖事業の販売拡大や海外卸売事業の売上増加などを説明している。

こうしたグループ全体の増収増益とPORTの営業終了は、同じ企業における異なる事業の動きである。PORT単独の収益がどのような状況だったのかは公表されておらず、閉店理由を採算悪化や経営不振と断定することはできない。

運営会社・閉店店舗概要

項目 内容
閉店店舗 PORT(ポート)青森店
所在地 青森県青森市
運営法人 株式会社オカムラ食品工業
法人番号 2420001000582
会社創業 1971年8月
PORT青森店開業 1992年
主な販売商品 筋子、いくら、サーモン、水産加工品、ギフト商品など
営業終了対象 PORT青森店、通販ギフトセンター、PORT公式ECサイト
閉店日 2026年10月31日
証券コード 2938(東証スタンダード)
2026年6月期連結売上高 427億2,600万円

PORT事業は終了、養殖・加工・海外卸売などは継続

PORTの閉店によって、1992年から続いてきた青森市内の直営小売店舗と、同ブランドによる通信販売は営業を終了した。

一方、オカムラ食品工業はサーモン養殖、国内外の水産加工、海外卸売などを引き続き手掛けている。今回の営業終了は、同社全体の廃業や倒産を示すものではない。

地元の消費者向けに筋子や水産加工品を直接販売してきたPORTの終了は、同社の事業の歴史を振り返る上で一つの節目となる。

ただし、直営販売事業の終了後に、同社が新たな消費者向け販売拠点やECサイトを開設するかどうかは明らかになっていない。

閉店の具体的な理由、PORT事業単独の採算、跡地の利用予定、従業員の処遇などについても公表資料では確認できず、今後の動向が注目される。

※2026年11月2日時点の確認情報。1992年の開業はオカムラ食品工業の公式沿革、2026年10月31日の閉店は会社公式情報に基づく。連結業績はグループ全体の数値であり、PORT単独の業績を表すものではない。閉店理由や事業再編との因果関係について未確認の事項は断定していない。

スポンサーリンク
  

 

 

スポンサーリンク
 

 

関連記事

 

 



PICK UP


破産・小口倒産一覧