【倒産企業続報・福井】眼鏡OEMの山裕が破産開始 負債10億4,400万円、債権者116人
福井県鯖江市の眼鏡枠製造業者、(有)山裕が福井地裁から破産手続き開始決定を受けたことが分かった。負債総額は債権者116人に対し、約10億4,400万円に上る見込み。
同社は大手眼鏡商社向けのOEM(相手先ブランドによる受託生産)を主力として、眼鏡フレームやサングラスなどを製造していた。ピーク時には年商12億円を計上し、2024年9月期にも売上高を10億円台に回復させたが、外注依存による収益性の低さや受注競争などが経営を圧迫。2026年10月29日までに事業を停止し、11月4日に自己破産を申請していた。
1982年創業 大手眼鏡商社向けのOEM生産を展開
山裕は1982年10月創業。鯖江市に拠点を置き、大手眼鏡商社からの受注を中心に眼鏡フレームやサングラスの製造を手がけていた。
福井県眼鏡協会が運営する産地企業情報サイトにも同社が掲載されており、OEM対応の眼鏡フレームメーカーとして、メタル枠、コンビ枠、サングラスなどが主要取扱品目に挙げられている。
眼鏡産地の製造分業体制の中で、製品の多くを外部の加工業者へ発注する事業形態を取っていたが、外注費などの負担により収益性は低水準にとどまっていた。
年商12億円から5.5億円に減少、その後10億円台に回復
同社の売上高は、ピークとみられる2003年9月期に約12億円を計上していた。
しかし、海外の眼鏡生産地を含む競合企業との受注競争が激しくなり、2013年9月期の売上高は約5億5,000万円まで減少した。
その後は採算性の改善を目指して受注案件の選別を進め、2024年9月期には売上高が約10億2,400万円まで回復した。ただし、受注回復が十分な利益の確保には結び付かず、収益面では厳しい状況が続いていた。
2025年9月期の売上高は約8億3,600万円に再び減少し、最終的な利益も小幅にとどまった。
売上回復でも利益確保に苦戦 借入金が年商に近い水準
山裕の経営で特徴的なのは、一度大きく減少した売上高を回復させながらも、利益水準の改善が進まなかった点にある。
製造工程の多くを外注に依存していたことから、売上高が増加しても十分な利益を確保しにくい状況にあった。受注案件の選別により採算改善を図ったものの、取扱量の減少や競争激化などが影響し、安定した収益の確保には至らなかった。
一方、借入金は年間売上高に近い水準まで膨らみ、資金繰りを圧迫。売上規模に比べて大きな借入負担を抱える中で、事業継続が困難となった。
11月4日に破産申請 負債約10.44億円、債権者116人
山裕は2026年10月29日までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任した。その後、11月4日に福井地裁へ自己破産を申請し、今回、破産手続き開始決定を受けたことが明らかになった。
負債総額は債権者116人に対して約10億4,400万円の見込み。破産手続き開始決定の正確な日付については、今回確認できた報道では明らかになっていない。
なお、事業停止が報じられた10月29日時点では、2025年9月期末を基準とする負債額が約8億7,900万円とされていた。今回の約10億4,400万円とは集計時点や算定基準が異なるため、単純に短期間で負債が増加したことを意味するものではない。
事業の譲渡先や製造業務の承継先などについては確認できていない。
山裕の会社概要
| 法人名 | 有限会社山裕 |
|---|---|
| 所在地 | 福井県鯖江市 |
| 創業 | 1982年10月 |
| 主な事業 | 眼鏡枠・サングラスのOEM製造 |
| 主な取扱品目 | メタル枠、コンビ枠、サングラス |
| 2003年9月期売上高 | 約12億円 |
| 2013年9月期売上高 | 約5億5,000万円 |
| 2024年9月期売上高 | 約10億2,400万円 |
| 2025年9月期売上高 | 約8億3,600万円 |
| 法人番号 | 8210002013491 |
| 事業停止 | 2026年10月29日まで |
| 破産申請 | 2026年11月4日(福井地裁) |
| 手続き | 破産手続き開始決定(決定日未確認) |
| 負債総額 | 約10億4,400万円(見込み) |
| 債権者数 | 116人 |
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