サルマン国王が国王に就任と同時に息子のムハンマド第２皇太子を国防大臣に就任させていた。

２０１５年１２月、ムハンマドはその権限によりイエメンへ軍事介入した。
２０１６年1月には、サウジ国内では数少ないシーア派の指導者・ニムル師を処刑し、シーア派のイランが激怒、両国は国交を断絶させた。
この間、ムハンマド第２皇太子に対し、王族の間でイエメン介入などの独断専行を批判する怪文書が出回った。
２０１７年６月には、国王がナーイフ皇太子を解任、変わって第２皇太子のムハンマドが国防大臣も兼務したまま第１皇太子に就任した。
昨夏にはイランによりサウジ国内でのクーデター説が流された。
２０１７年１２月５日、ムハンマド皇太子は、中国並みの腐敗撲滅を旗頭に敵対する可能性のある王子たち２００人あまりを一斉に拘束、その後、拘束された王子たちは多くの資産を国に没収されることを条件に順次釈放していた。

しかし、サウジ一の資産家かつ投資家のワリード王子は、王位継承権を放棄しているにもかかわらず、巨額資産没収（これまでの報道では５千億円以上が釈放条件とされている）を認めない限り拘束を解除されず、３ヶ月に渡り拘束されていた。
拘束場所として超高級のリッツカールトンホテルを強制的に全室借り上げ、ＰＣや携帯電話等を取り上げ外部との連絡を一切絶たせて拘束した。

ワリード王子もギブアップしたもよう。
当然、その巨額資産を売却して釈放条件の金額を捻出するか、物納するしかない。
　ワリード王子の投資先（判明分／ロイター）は次のとおりになっており、売却の場合、株価が大きく動くとされ、証券業界から警戒されている。

　権力抗争であり、２００人とも５００人ともされる王子たちがおり、今回の王子たちの摘発は、強固な独裁政権を樹立しない限り今後の政局に不安定さを与える可能性がある。これまでの政権にあった第２世代や第３世代の王子たちは、各軍部の長であった者たちも多い。

ムハンマド皇太子３２歳（参考：北朝鮮の金正恩は現３４歳）、
ワリード王子６２歳、ナーイフ元皇太子５８歳、ムクリン元皇太子７２歳