アイコン 日産 欧州でのディーゼル車販売撤退の裏事情

 

 

ドイツ地方政府も出資するVWを代表とする環境にやさしく燃費効率のよいダウンサイジングディーゼル車が、実は環境に悪く、公表数値は嘘であったことから、環境規制が厳しいヨーロッパで、各国がディーゼル車への規制を一段と強め、昨夏にはイギリスとフランスが、将来ディーゼル車の販売を禁止することを決めた。

今年2月にはディーゼル車を推奨してきたドイツでも連邦行政裁判所がディーゼル車の市街地への乗り入れ禁止を認める判断を示し、自動車業界に衝撃が広がっていた。

こうした中、日産自動車は、ヨーロッパでディーゼルエンジンを搭載する乗用車の販売から撤退する方針を固めた。

ディーゼル車はガソリン車よりもトルク性能がよく、燃費効率もよいことを理由にヨーロッパで人気が高まり、日産はSUV=多目的スポーツ車やコンパクトカーなど幅広い車種にディーゼルエンジンを搭載して販売してきた。

しかし、ドイツの「フォルクスワーゲン」が3年前に起こした排ガスの不正問題をきっかけに、ヨーロッパでは消費者のディーゼル離れが進んだうえ、各国でディーゼル車への環境規制を一段と厳しくする動きが相次いでいる。
このため、日産はヨーロッパで販売する乗用車のすべての車種で次のモデルからディーゼルエンジンを搭載しない方針を固め、ディーゼル車の販売から段階的に撤退することにした。
日産は今後、ハイブリッド車や走行中に排ガスを出さない電気自動車の販売を拡大させる方針。

スポンサード リンク

<裏事情>
日産ディーゼル車の問題は、そのまま、これまでの厳しいユーロ基準の検査体制に問題があったことを示している。
VWは、ディーゼル車の一次排ガスを再燃焼させるための装置=EGRを検査のときだけ作動させ、ユーザーが使用する一般道ではEGRを作動させないプログラムを搭載し、有害排ガスを大気に撒き散らしていたことが米国で発覚した。さらには最終的に排ガスの有害物質を除去するマフラー前の尿疎水の触媒装置=SCRも機能しないようにプログラムされ、尿疎水タンクも軽量化を測るため小型化されていたことが発覚している。
これは燃費効率を高めるため、車重の軽量化とユーザーが尿疎水の交換をしないですむためにこうしたプログラムを設定していたことが判明している。

元々ディーゼルエンジンは、負荷をかけすぎると高熱を発し、有毒物質も多くなり、エンジンも熱で破壊されるおそれがあり、ユーロ基準とは別に検査過程で、エンジンルームが一定温度以上になれば、EGRを停止させてもよいという検査の裏基準があったことを悪用したものであった。
(マツダのクリーンディーゼルエンジン車のみ、有毒排ガスの発生そのものを押さえる低温度燃焼を実現している)

日産の英国製キャシュカイのディーゼル車は、その設定温度を35℃に設定していた。ほかのメーカーのほとんどは48℃前後に設定している。
夏場の日差しが強い地域の炎天下では、停車中でもエンジンルームは50℃をはるかに超えることから、夏場の炎天下はディ―ゼル車のほとんどはEGRを機能させず、現在でも有毒排ガスを欧州中に撒き散らして走行していることが判明している。

日産の場合、そうした技術開発が遅れ、35℃設定しかできなかったものの、ユーロ検査では、一定温度はメーカー側に委ねられており、車両形式認定検査をクリアーしていた。
ところが、こうしたニュースがユーザーに伝わり、昔のように環境に悪いディーゼル車というレッテルが貼られるとともに、欧州ではユーロ基準のさらなる強化と検査基準の見直しも決まり、室内検査だけでなく、一般道での走行排ガス検査も行われるようになった(一定温度でのEGR停止事項のその後は不知)。

日産ディーゼル車の低温度機能停止問題は、検査には合格しているが、環境によくない車になっている。
時代の流れはEV+完全自動運転車の開発。日産は、環境規制が強化される中、他社より遅れている環境に良いディーゼルエンジンを開発するには時間も費用もかかり、EV+完全自動運転車の開発に研究開発費を集中させる必然性があった。

スポンサード リンク
[ 2018年5月 7日 ]

 

 

 

関連記事

 

 

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
スポンサード リンク
 


PICK UP


PICK UP - 倒産

↑トップへ