米トランプの自動車制裁関税 GMが経営危機に陥る危険性大
<米トランプの貿易政策はGMが経営危機に陥る危険性>
中国は、自動車関税につき、この間、25%から15%に引き下げているが、米国からの輸入車に対しては、このままだと報復関税で7月6日以降再び25%となる。
GMは中国で404万台販売(商用車含む)しているが、GMが過半数の株を持つ合弁分とフォードなど米系を総じた
乗用車販売台数は前年比で
1月は0.1%増、
2月は▲1.2%減、
3月は▲7.6%減、
4月は+3.0%増、
5月は▲11.4%減、
5月までの累計▲3.5%減となっている。
すでに米車不買運動が開始され、その影響が出ているようだ。
ましてや、15%に下げられたばかりの輸入車にも再び25%課税された場合、不買運動とともに米系車は価格競争力も著しく損なうものと見られる。
(推定値:米系は中国で輸入車と商用車含め500万台あまり販売している)
特にGMは中国をドル箱としており、このまま不買が高じれば、再度経営危機に陥る可能性がある。不買運動は中国政府のコントロールが効きにくく、回復するまでには時間を要すことになる・・・その間、対米貿易黒字が拡大することを意味する。<米国の輸入車に対する新たな制裁関税では・・・GM直撃>
また、米トランプが輸入自動車に高い関税をかけると息巻いているが、GMは、カナダ(3工場と開発研究拠点)・メキシコ(1工場/増築はトランプ圧力で白紙撤回)・韓国(韓国GM)の工場から米国に輸入しており、トランプが勢い余ってNAFTA締結国のカナダとメキシコ、FTA締結国の韓国に対して自動車制裁関税をかけた場合、GMの経営危機は現実のものになる可能性が高い。
5月の中国自動車販売台数(乗用車)
|
||||
|
5月
|
1~5月
|
||
|
/万台
|
前年比
|
/万台
|
前年比
|
中国全体
|
188.94
|
7.9
|
990.08
|
5.1
|
米国系
|
19.63
|
-11.4
|
107.75
|
-3.5
|
4月の中国自動車販売台数(乗用車)
|
||||
中国全体
|
191.44
|
11.2
|
801.14
|
4.5
|
米国系
|
22.1
|
3.0
|
88.12
|
-1.6
|
3月の中国自動車販売台数(乗用車)
|
||||
中国全体
|
216.86
|
3.5
|
610
|
2.6
|
米国系
|
22.74
|
-7.6
|
66.02
|
-3.0
|
2月の中国自動車販売台数(乗用車)
|
||||
中国全体
|
147.55
|
-9.6
|
393.17
|
2.1
|
米国系
|
16.75
|
-1.2
|
43.28
|
-0.4
|
|
||||
2017年米国系
|
|
|
303.95
|
2.5
|
・工場出荷台数によるもの。輸入車はカウントされていない。
|
||||
・GMは中国で昨年404万台販売。カウント外に3社合弁の製造販売車両(数十万台/年間)と輸入車がある。
|
||||
・米は232条制裁を2月に、鉄鋼・アルミ制裁関税を中国などに対して3月23日に発動すると原案発表していた。
|