原油価格 8つの押し下げ・下落要因
1、世界経済が低迷、原油の需給バランスが供給過多で崩れている。
輸入大国の中国や欧州の経済低迷は続く。
2、暴落の原因となったOPECの現状維持生産を変更しない方針が継続されている。
サウジを代表するOPEC原油と米シェールオイルの市場争奪戦であり、ここまでくれば根競べ状態に陥っている。
3、昨年7月からの原油価格暴落で、シェールガスの稼動リグ数は大幅減少(40%以上減少)しているものの、生産量は逆に増加している。
生産効率の高い埋蔵量の多いシェールオイル基地での飛躍的な増産。
自国消費用であり、OPECにも加盟しておらず、市場原理で生産されている。
4、シェールガス産出は、コストが高いとされていたが、効率化が図られ、大型産油基地では原価生産コストが大幅に下がり、原油と戦えるまでにいたっている。
価格が上昇すれば、停止したリグが再び動き出し、価格上昇を圧迫する。
5、為替がドル高推移を辿っており、原油価格の安値を誘引している。
FRBは6月にも金利を上げる予想が市場の見方。
6、イランの原油輸出解禁予想が原油価格を安値誘導している。
協議中の核開発問題で西側と合意すれば6月にも西側の原油輸入が解禁される予定。合意濃厚となっている。
7、原油の埋蔵量1.7億バレル、シェールオイル埋蔵量3.5兆バレル、オイルサンド埋蔵量1.8兆バレル。
すでに埋蔵量のほとんどが所在するカナダでは、オイルサンドが商業開発されている。価格が上げれば、本格的な増産へ向かう。
シェールガス・オイルは、世界各地に埋蔵しており、世界規模で生産拡大が予想され、価格上昇に対し下げ圧力となる。
膨大な埋蔵量があるとされる中国ではすでにウイグル自治区で生産が開始されている。
8、日本の原発再稼動が動き出せば、輸入量が減り、価格を押し下げる要因ともなる。
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