原油価格60ドル乗せ 一時62ドル台/WTI
原油価格が上昇している。アメリカにおいて、シェールオイル掘削リグの停止(稼動リグはピークの半分以下)により産出量が4月始めて減少、中東イエメン情勢の悪化で原油価格は値上がりに転じている。
欧州経済も回復しだしており、中国経済も低迷から脱した場合、再度原油価格が高騰するおそれがある。
ただ、需給バランスからある程度までしか原油価格は上がらない。
その理由は、
シェールオイルの埋蔵量は世界で約34兆バレル、オイルサンドはほとんどカナダで17兆バレル、原油は世界で18兆バレルとされる。この3大オイルの生産が挙って開始されている。
コスト高のシェールオイルも生産性の向上が図られ、原価コストがかなり下がってきており、価格が上昇すれば、停止したリグが再度稼動しだす。
オイルサンドは重質油で精製にコストがかかるが、パイプラインですでにアメリカに送られ精製されており、価格が上昇すれば生産が拡大する。
また、目先、イラン原油の禁輸措置解除もあろう。
これらのことから、原油価格は以前のような価格には至らない。だが、投機筋のハゲタカファンドが暴騰させる可能性はある。
5月7日14時前後の価格
WTI先物価格(アメリカ)60.59ドル/1バレル
ドバイ原油(中東)64.62ドル(前日比値上がり)
北海原油=ブレンド原油(欧州)67.40ドル(前日比値上がり)
5月6日の市況
WTI原油先物価格は、6月限は続伸。在庫減少やドル安を好感。高値警戒感や製品在庫増加に伸び悩む。高値62.58ドル[12/11高値62.96ドル]・安値60.54ドル・引け値60.93ドル(前日比+0.53ドル。30日比+1.30ドル)。日足は強基調。
ロンドン原油[北海ブレント]6月限は、引け値67.77ドル(前日比+0.25ドル。30日比+0.99ドル。高値69.63ドル[12/9高値69.98ドル])。日足は強基調。
東京原油先限夜間終値は49,810円(前日比+200円)。
米エネルギー庁エネルギー情報局(EIA)週間石油在庫統計(5/1時点)によると、
原油在庫は前週比▲388.2万バレル(予想+150.0万バレル)、
ガソリンは同+40.1万バレル(予想+100.0万バレル)、
精製品は同+150.3万バレル(予想+0.0万バレル)、
製油所稼働率は93.0(前週比+1.7)%。
クッシング原油在庫(WTI現物在庫)は同▲1.2万バレル。
原油生産は936.9万バレル/日(前週比▲0.0%)。
以上、
シェールオイルの生産量をやたら減らしている。シェールオイル会社の多くはハゲタカが出資しており、ハゲタカの戦略により原油価格を吊り上げるため、掘削稼動リグを大幅に減らしているようだ。ハゲタカたちは原油先物取引でも儲けている。
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