アイコン 阪大石井優教授ら糖尿病の引き金物質発見  予防医学に光明か

大阪大の免疫学フロンティア研究センターの石井優教授(免疫学)らの研究チームが、肥満による糖尿病の原因とされる脂肪細胞の炎症の引き金物質を発見し、6日付の米PNAS(米科学アカデミーの機関紙)電子版に発表した。

 石井優教授(免疫学)によると、肥満になると脂肪細胞に免疫細胞のマクロファージなどが集まって、慢性の軽い炎症が続き、糖尿病や高血圧などの生活習慣病を招くと考えられているという。

 チームは、マウスに高脂肪、高カロリーの食事を与え実験。8週で通常の2倍まで太り、糖尿病になった。
 生きたまま細胞を見る技術を使い観察すると、体重にまだ変化がない1週目に「S100A8」というタンパク質が脂肪細胞で増加。マクロファージの働きを活発にし、炎症の最初の引き金になっていることを突き止めた。
 S100A8を抑える物質をマウスに投与し、糖尿病の症状を和らげることにも成功。このタンパク質は人にもあり、糖尿病を防ぐ薬を開発したいとしている。

マクロファージ(Macrophage, MΦ)は、
白血球の1種。生体内をアメーバ様運動する遊走性の食細胞で、死んだ細胞やその破片、体内に生じた変性物質や侵入した細菌などの異物を捕食して消化し、清掃屋の役割を果たす。
とくに、外傷や炎症の際に活発。また抗原提示細胞でもある。免疫系の一部を担い、免疫機能の中心的役割を担っている。

S100A8は、
S100ファミリーとされ、 タンパク質は、細胞種特異的に発現し、2個のEF-handを持つカルシウム結合性タンパク質であり、現在までに20種類のサブファミリーが確認されている。
S100ファミリーは、細胞内におけるシグナル伝達だけでなく、細胞外に分泌され機能することも知れられている。これらS100 タンパク質ファミリーの機能は、複雑で多岐に渡っていると考えられており、未解明の部分が多く残されている。

 

[ 2015年4月 8日 ]
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