アイコン スパコンPEZY社(ペジー)脱税事件 NEDO助成金 文科融資52億円 齊藤元章・山口敬之

2017年12月5日、東京地検特捜部は、スパコン開発ベンチャーPEZY Computingの齊藤元章社長ら2人を詐欺容疑で逮捕した。経済産業省所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に対して、虚偽の研究報告書を提出、技術開発助成金を水増し請求し、約4億3000万円もの資金を不正に獲得したというもの。

<経産省傘下NEDの助成金取得35億円也>
政府は、2013年11月閣議決定した「日本経済再生に向けた緊急経済対策」の一環で、研究開発型ベンチャー企業の実用化開発を支援するNEDOの助成事業。
1社5億円を上限に開発費の3分の2を補助する事業。総事業費100億円の助成金事業において、PEZY社向けが問題となっている。
 NEDOは2013年1月に公募を始め、同年4月30日に応募591件中125件の助成事業を採択した。その中の主要な1社がPEZY Computingだった。
 助成を受けた案件は次のとおり。
 

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経産省傘下NEDOのPEZY社に対する助成金
総計35億24百万円(事業期間未達で今後の受領予定分含む)
平成22年度、イノベーション推進事業/3次元積層TSVメモリ技術を活用したメニーコアプロセッサの開発/ 助成期間:2010年度~2011年度 約1億100万円。
戦略的省エネルギー技術革新プログラム/バンプレス3次元積層技術を用いた省電力メニーコアプロセッサの開発/助成期間:2012年度~2013年度 約6億3300万円。
イノベーション実用化ベンチャー支援事業/超広帯域Ultra WIDE-IO3次元積層メモリデバイスの実用化開発/助成期間:2013年度 約5億円。
平成27年度、戦略的省エネルギー技術革新プログラム/非接触型磁界結合通信を用いた高密度実装プロセッサデバイスの開発/ 助成期間:2015年度~2017年度 約10億3000万円。
IoT技術開発加速のためのオープンイノベーション推進事業/ビッグデータ解析のための低消費電力演算チップの開発/助成期間:2016年度~2017年度 約12億6000万円。
 
<文科省52億円融資>
失敗条項があり開発に失敗すれば1割負担ですむという
一方、林文科相によると、文科省傘下の科学技術振興機構(JST)の産学共同実用化開発事業(NexTEP)によって、PEZY社傘下のExaScaler社への支援はスーパーコンピュータ「暁光」の開発に対して開発委託という形で総額60億円を限度として52億円をこれまでに融資していたことが判明している。
全額担保されているというが担保の内容。回収の方法の説明はなされていない。
(成功すれば製品販売から全額回収、失敗すれば9/10免除、1/10を借入者が返済するという優れものとされる。委託事業だと言葉を濁している)
 
2017年、プロセッサをXeonと共同開発した文科省所管 海洋研究開発機構(JAMSTEC)にスパコン「Gyoukou(暁光)」を納品=販売しており、融資額を相殺したものと見られるが、JAMSTECの証拠書類を確認しない限り不明、相殺したとしても相殺額が不明、いまだ返済されていない林大臣の発言からJAMSTECが納品物の全代金を支払っている可能性すらある。(開発した納品物は検収され完了する)
同じく、理研にもスパコン「Suiren」を納品しているが、高エネルギー加速器研究機構KEK)やJAMSTECも同じ。
 
硬過ぎる官庁・官僚たちが、これまで納品・開発実績もない会社へ、政府系・文科省系機関へ納品するスパコン開発の委託を矢継ぎ早によくするものだ。
 
PEZYが持つヤクの薬効は、違法ドラッグより強烈だったようで、偽薬を持つ経産省は、米国の正法ドラッグ「オピオイド」を文科省に与え、薬漬けにしたようだ。博多のドンタクは5月だ。
 
齊藤元章とは>下記履歴参照
逮捕された齊藤元章氏は、医療ベンチャーを(米シリコンバレーで)起業、2000年前半、医療ベンチャー企業を米国で上場すべく日本の投資家に出資依頼。しかし、上場できず、投資家とトラブル発生。(金遣いの荒さでも評判)。
 
 2006年9月には、高級マンションに住み・高級外車を何台も持つカーキチの齊藤元章氏は、ディレクシブ社のF3、フォーミュラー日本の事業を、同年5月に設立していた「EMSマネージメント」社が譲り受け、EMS社はレーシングチームを率いレース業界に名乗りを上げた。
しかし、その成果は出ず、ほとんど自己満足で終了。(EMSマネージメント社はこの間、かなりの負債を抱えた)
 
 2010年7月、スパコン開発会社「PEZY Computing」を設立、技術的には過去の技術を応用したもので際立つものはなかったが、その成果は、国際機関の省エネ部門で演算速度世界№1を3年連続で勝ち取るなど、本人より、開発スタッフの実力を見せ付けた。
 
 レース事業では強力な大手スポンサーも付かず、苦戦したが、こうした成果を出したスパコン事業には、経産省のNEDOや文科省がスポンサーにつき、同社は開発を加速させ、成果を出し続けていた。
 
<各社の資本金>高い出資金調達能力
「EMSマネージメント」社の現在の資本金は15億6万円。
 
「PEZY Computing」社の現在の資本金は9億4,625万円
 
「ExaScaler(エクサスケーラー)」社の資本金は27億1,394万円(富士通系ファンド会社出資)。
以上、3社とも齊藤元章の関係会社。
 
これまでの補助金
資金調達力、
開発品が省エネコンピュータの演算速度世界№1を獲得するなどしていることもあることからか、出資金もかなりのものになっている。上記3件の資本金に加え、資本準備金として計上されている。
上場せず、こうした事件から会社が空中分解すれば、出資会社の出資金は紙切れになる可能性がある。早期に金遣いの荒い斎藤氏を役員から下ろし、株主からも除外させ、関係を絶つことが必要のようだ。(実際の開発部隊は優秀そうだし、企業ごと富士通が買収すればよい)
 
<カーキチの斉藤元章代表
医療ベンチャー創業者かつ医師だった斉藤元章(現在50歳)は、「フェラーリ」など外国産高級スポーツカーの収集を趣味としており、2006年5月、「レーシングチームを主宰したい」と知人を誘って「EMSマネージメント」社を設立。当時の法人登記簿の事業目的には、「レーシングドライバーのマネージメント」「国内・海外レーシングチームの管理運営」「レース参戦」など、自動車レース関連事業となっていた。
EMS社は、スポンサーから資金を切られたディレクシブのFN(フォーミラー日本)事業を譲り受け、レース事業に参入した。
 
<レース事業参入経過>
ディレクシブは2005年、平成電電の大株主でBNPパリバプライベートバンクの顧問でもあった投資家の秋山新率いる「アキヤマホールディングス」傘下で、モンテカルロに設立登記された投資会社「ディレクシブホールディングス」の出資により、東京を拠点にした会社。
2006年4月、ディレクシブは、国際自動車連盟にF1申請していたが不認可、F1参戦の可能性が絶たれたことから、スポンサーのアキヤマホールディングスがディレクシブへの資金供給をストップ。ディレクシブは、活動が出来なくなり活動縮小、同年8月にレース参戦を終了、GP2へのマネージメント活動とFN(フォーミュラー日本)活動をEMSマネージメントに譲渡していた。
PEZY Computingの高評価のスパコン>下記参照
PEZY Computingは、2010年1月東京都港区芝で設立
 
2010年7月、同社の512コアプロセッサ開発プロジェクトが、新エネルギー·産業技術総合開発機構(NEDO)のイノベーション実用化事業に採択された。
 
2012年4月、NEDOの助成でPEZY初のプロセッサPEZY-1を開発。
 
2014年11月、スーパーコンピュータの絶対演算性能を競う世界ランキングTOP500にエントリーされたスーパーコンピュータの中から、「1W当たりの演算性能」を競う「省エネランキングGreen500」において、Suiren(睡蓮/高エネルギー加速器研究機構KEK))が世界第2位を獲得。
 
2015年6月のランキングで、Shoubu(菖蒲/理研)、Suiren Blue(青睡蓮/高エネルギー加速器研究機構)、Suiren(睡蓮/高エネルギー加速器研究機構)が、世界第1位から第3位を独占。
 
2015年6月~2016年6月にかけてのランキングで、Shoubu(菖蒲/理研)は3期連続の世界第1位を獲得した。
 
2017年、海洋研究開発機構(JAMSTEC)に納品していたスパコン「Gyoukou(暁光)」が、同年11月の同ランキングで1位となった。
 
PEZY社が納品した高エネルギー加速器研究機構KEK)海洋研究開発機構(JAMSTEC)、理化学研究所(理研)は全部、税金で研究している文科省傘下機関。
 
<開発技術>
PEZY Computing社とExaScaler社が開発した冷却手法は、電気伝導性がない不活性液体を冷媒に使用した独自の液浸冷却に特徴がある。高沸点のフッ化炭素を冷媒として使用し、冷媒内にシステム基板全体を液浸することにより、PSU(Power Supply Unit)やDCDC 変換装置、密閉型ハードディスク、SSD などのシステム基板上の全ての部品を均質に、効率よく冷却する。(過去、クレイ社が開発した冷却技法を応用したもの)
 
<助成金・補助金>経産省と文科省がタッグして支援
ペジー社は、国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」が2012~13年度に実施した二つの助成事業で、事業費を水増しした実績報告書をNEDOに提出し、計約11億3300万円の助成金を受給。助成金は「雑収入」による所得として税務申告するが、関係者によると、同社は、電子部品を開発する関係会社「ウルトラメモリ」(八王子市)などへの外注費を約8億円水増しして支払い、ペジー社の所得を圧縮していたという。
 
<シャーナリスト山口敬之との関係、再び脚光>前回は女性から強姦告発受ける
「安倍首相にもっとも近いジャーナリスト」と呼ばれてきた元TBS記者でジャーナリストの山口敬之(強姦被害の女性記者が告発/何故か不起訴?忖度判断?)。
山口はTBS在職中に齊藤社長と知り合い、その後、ペジー社の顧問に就任。齊藤社長は毎月、山口が生活の拠点にしていた永田町ザ・キャピトルホテル東急内の高級事務所の家賃200万円と、顧問料200万円を支払っていると伝えられている(事実だったら、早晩高級ホテル内の事務所から引っ越すことだろう)。
その上、山口がTBSを退社する2ヶ月前の2016年3月には齊藤社長と一般財団法人「日本シンギュラリティ財団」を設立。山口が代表理事、齊藤社長が理事に名を連ねている。
 
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齊藤元章の略歴・プロフィール
氏名
齊藤元章
生誕ほか
1968年生/新潟県長岡市出身。父親は新潟大学工学部長。
生い立ちほか
新潟大学医学部を卒業後、東京大学医学部附属病院放射線科で2年間研修。東京大学大学院医学系研究科に在籍中に医療系法人を設立し、画像診断用のソフトウェアを開発。
 
 
アメリカ時代
東京大学大学院卒業後の1997年に渡米し、シリコンバレーで医療機器ベンチャーを設立。診断装置などを開発。2003年には、日本人としては初めてComputer World Honors(米国コンピュータ業界栄誉賞:医療部門)を受賞。
 
 
医療ベンチャー時代・失敗
2000年代半ば、医療機器ベンチャーの上場をうたい、大手電器メーカーや投資会社からの投資を募る。しかしベンチャー会社の経営が悪化したため、個人投資家に頼ることになった。結局、ベンチャー会社の上場は果たせず、個人投資家からの返金を迫られ、一部は訴訟となった。
 
 
レース事業時代・失敗
2006年に「EMSマネージメント」社(現・ウルトラメモリ社)を設立し、レーシングチームのディレクシブの運営を引き継ぐ形でフォーミュラ・ニッポン、F3などに参入。齋藤はEMS社に多額の資金を貸し付けており、参戦するレースや購入するレーシングカーなどを事実上決めていた。
 
 
スパコン開発時代
医療機器ベンチャー会社の上場を果たさぬまま、2010年1月、スパコンのプロセッサ開発に特化したPEZY Computing社設立。
 
2011年、東日本大震災を契機に日本に帰国。文科省所管の理化学研究所(RIKEN)と同高エネルギー加速器研究機構(KEK)と共同研究契約。2014年11月1日、7ヶ月で国産スパコン「Suiren」を開発し、スパコンの省エネ性能を競う2014年11月期のGreen500で2位にランクインしたことで、ベンチャーの雄としてその名が知られるようになる。
 
2017年、プロセッサをXeonと共同開発した文科省所管 海洋研究開発機構(JAMSTEC)の「Gyoukou(暁光)」が、同年11月期のGreen500で1位となり、連立一次方程式の処理速度を競うTOP500でも4位にランクインするな、ベンチャー企業でありながら、絶対性能と省エネ性能が共に日本一のスパコンを開発するPEZY社の社長として知られている。

 

会社名
株式会社PEZY Computing (ペジーコンピューティング) 
本社地
東京都千代田区神田小川町1-11 千代田小川町クロスタ5階
代表
代表取締役社長:齊藤元章
設立
2010年1月27日
資本金
9億4,625万円
事業内容
プロセッサ、PCBボード、システム、ソフトウェアの開発と販売
沿革
2010年1月
港区芝で会社設立
2010年7月
NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)イノベーション実用化事業に弊社提案が採択
512コアプロセッサ開発に着手
2012年4月
NEDO助成により開発したメニーコアプロセッサPEZY-1が完成
2012年7月
NEDO戦略的省エネルギー技術革新事業に弊社提案が採択
1024コアプロセッサ開発に着手
2012年10月
千代田区神田淡路町に本社移転
2015年5月
千代田区神田小川町に本社移転

 

会社名
ウルトラメモリ株式会社
所在地
本社: 東京都八王子市旭町11番8号 アクセスビル3階
福岡設計センター: 福岡県福岡市早良区百道浜2丁目1番22号 福岡SRPセンタービル9階
代表
代表取締役社長:安達隆郎
(前代表取締役社長:齊藤元章)
設立
2006年5月/ 前身の「EMSマネジメント」設立。
現事業創業
2013年11月
資本金
1,500,061,475円(15億0,006万1,475円)
社員数
37名(2016年4月現在)
事業目的
独自の積層技術、伝送技術、回路技術を基に超広帯域・超大容量メモリを開発し、次世代コンピュータシステムの性能向上による科学技術の進歩により社会に貢献する。
次世代コンピュータシステムの性能向上による科学技術の進歩により社会に貢献する。
事業内容
1) 半導体素子、集積回路等の電子部品の開発、設計、製造、販売及び保守
2) 上記に関連するソフトウェアの開発、設計、製造、販売及び保守
会社沿革
2006年5月、前身のフォーミュラー日本のレースカー事業会社「EMSマネジメント」設立。
2013年11月 社名・事業内容を変更し、ウルトラメモリ(株)として業務開始。
子会社
超晶記憶體股份有限公司 (ウルトラメモリ台湾㈱)
所在地: 台湾 新竹市東區金山七街1號6樓

 

会社名
株式会社ExaScaler (エクサスケーラー)
事務所
東京都千代田区神田小川町2丁目1番地 木村ビル3階
代表
代表取締役社長:齊藤元章
設立
2014年4月
資本金
2,713,945,000円(27億1,394万5千円)
社員数
16
事業目的
独自の高効率・高密度液浸冷却システムを基に、省エネルギー性に優れた大規模演算システムや次世代スーパーコンピュータシステムを開発して、科学技術の進歩によって社会に貢献する。
事業内容
1)高効率の液浸冷却装置、及びシステムの開発・製造・販売
2)独自の液浸冷却方式によるスーパーコンピュータシステムの開発・製造・販売
3)独自の液浸冷却方式によるコンピュータシステムの開発・製造・販売
4)液浸冷却用のシステムボード、アクセレレータボード類各種の開発・製造・販売
5)スーパーコンピュータ、HPCシステム、データーセンターの冷却システムの受託開発

 

法人名
財団法人 日本シンギュラリティ財団
所在地
東京都渋谷区恵比寿(山口博久氏の2階建居宅地)
代表理事
山口敬之
理事
齊藤元章
理事
友行信
 
 
評議員
高橋一夫
評議員
山口博久(山口敬之の父親)
評議員
矢野達郎
 
 
目的
AI(人工知能)の研究開発のための財団

 

[ 2018年1月25日 ]
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