アイコン GM社長、韓国GMの今後は2月中結論/ハンギョレGMパッシング始める 撤退も選択肢

韓国のハンギョレ新聞は、盲目的な文政権支持の新聞社であるが、韓国GMが群山工場を閉鎖するに当たり、GMタタキを開始した。

韓国GMf群山工場を5月までに閉鎖方針を発表、すでに群山工場では2月8日操業をストップしたという。
韓国GMは仁川市の富平や慶尚南道昌原、全羅北道群山、忠清南道保寧の国内4ヶ所で完成車とエンジンを生産している。

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<韓国GMの経営内容>
ハンギョレによれば労組からの情報として、韓国GMは過去5年間(2012~16年)の累積赤字は1兆9,787億ウォン(約1,978億円/0.1円換算)、うち76%に相当する1兆5,067億ウォンはGM本社に流れたと主張している。
この間、
1、親会社のGMが韓国GMに貸付金にともなう利子が4,955億ウォン、
2、GMがヨーロッパ・ロシアから撤収してかかった費用負担分が5,085億ウォン、
3、研究開発費・購買費用の分担金が3,730億ウォン、本社業務支援費が1,297億ウォン
だという。
また、2017年も6千億ウォン(約600億円)以上の赤字と推定されるという。

ただ、こうしたGMへの価格・費用移転について労組がいくら問題視しても、例え政府が問題視したところで、ややこしくなり、もつれた場合、完全撤退を早める可能性すらある。
当然、GMは、韓国GMの事業売却を水面下で検討しているのは間違いないことだろう。(製造技術を取得したい中国自動車メーカーが山のようにいることだろう)

元々大宇自動車がアジア通貨危機下の2000年に経営破たん、2002年に同社の事業をGMが買収して韓国進出を果たしていた。

<低迷する海外販売>
韓国GM車が欧州で売れないのは、2013年に欧州市場からシボレーブランドを撤退させ、2017年には傘下の独オペルをプジョーシトロエングループに売却しことにある。
10工場も有するオペルが販売不振から巨額赤字を出していたため売却は当然だろうが、シボレーブランド撤退とオペル売却により販売網が減少し、韓国GM車の輸出車が63万台から、2017年には39万台まで減少している。

<国内販売も不調>
同紙によると国内で売れないのは、研究開発費を6000億ウォン(約600億円/0.1円)も投資しながら、2017年の新型車投入は「オール・ニュークルーズ」と「ボルト電気自動車(EV)」の2車種だけで人気のSUVの新型車を投入しなかったと主張している。
2017年の韓国の国産メーカーの販売台数は前年比▲2.4%減の155万台だった。その中でも韓国GMは▲26.6%も減少させている。

<GMは韓国GMをどうするか>
GMの海外事業部門を総括するバリー・エングル社長は1月、韓国GM労組と会い、「政府の助けがなければ現在としては解決策がない」と話したという。
(韓国GMの社長は販売不振からか昨年7月突然辞任している)

2月12日、ロイターの報道によると、GMのダン・アンマン社長は同日、韓国にある組立工場4ヶ所のうち、群山市の工場を閉鎖すると述べた。
残りの事業の将来についても、韓国政府および労組との話し合いを経て、数週間中に結論を出すとしている。
(2月中の結論は、同社がグローバル生産車をどこで製造するか決定する時期と重なる)
GMは2015年以来、世界各地で不採算事業から撤退しており、韓国事業の縮小はその一環となる。

米トランプ大統領は13日、GMの韓国工場閉鎖の決定に絡めて、米韓自由貿易協定(FTA)を「非常に悪い協定」とあらためて批判したという。

<労組と文政権を代弁するハンギョレ>
こうしたGMの動きに対してハンギョレ新聞は、大規模な政府支援を受けようとしているのではないかと警戒感を露わにし、GM批判を展開している。

過去もGMの韓国撤退説は幾度となく流れた(2009年以降2017年までに5回希望退職者募集している)が、韓国政府の強い要請を受け、撤退を断念していた経緯もある。

韓国GM労組が、いくら韓国GMと米GMをハンギョレとともに攻撃しても、韓国GMの現状の経営が苦しければ、閉鎖や撤退は自由主義経済の論理でいかんともしようがないことだ。
(日本は企業として莫大な利益を上げていても、国内では一事業部門が悪化しただけで、その部門の工場を閉鎖させても誰一人も文句を言わない、企業にとってすばらしい国になっている)

韓国GMは、販売台数が減少したことも含め、生産コストも高く、生産効率も悪い韓国GMという見方もなされている。
(今年からの最低賃金の急上昇(16.4%)は、さらに生産コスト増を招き、文政権公約の非正規労働者の正規労働者化も生産コスト増を招く。最低賃金は公約では1,000円になるまで毎年実施される。)

 
韓国GM工場
工場
従業員
稼働率
生産車
群山工場
2,000
20%
クルーズ
オーランド
昌原工場
1,700
70%
スパーク
ダマス・ラボ
富平第1工場
10,000
100%
アベオ
トラックス
富平第2工場
50%
マリブ
キャブティバ
韓国GM販売台数推移
 
総販売台数
うち国内販売台数
 
台数
前年比
台数
前年比
2017年
524,547
-12.2%
132,377
-26.6%
2016年
597,165
-4.0%
180,275
13.8%
2015年
621,872
-1.4%
158,404
2.6%
2014年
630,532
-19.2%
154,381
2.2%
2013年
780,518
-2.5%
151,040
3.7%
 
付けたし

 

米系の中国自動車販売台数推移
工場出荷台数
 
万台
前年比
2017
303.95
2.5%
2016
296.46
14.2%
2015
259.57
2.8%
2014
252.55
13.7%
2013
222.15
22.6%
・2017年で、うちフォードが130万台前後販売
 

<GMの決算はオペル売却などによる特損から▲39億ドルの赤字>
但し、GMの2月6日プレスリリースでは、2017年の中国市場での自動車販売台数が400万台を突破したという。
GM出資が過半数に満たない中国合弁会社の生産と販売台数および輸入車販売台数を含めているものと見られる。
(GMの出資が過半数に満たない中国の3社合弁会社の販売台数は、GMはカウントし世界一であったが、世界一を狙ったVWがクレームをつけ、GMはその分のカウントを世界販売台数の公式発表には入れなくなった。その後、しばらくトヨタが世界1位となり、2016年からVWが世界一になっている。GMの世界販売台数の公表値は890万台)。

GMは2017年の年間総利益は3億ドル、調整後EBIT(支払金利前+税引前の利益)は128億ドルと、2016年度に続き新記録を達成したと発表している。
ただ、連結ベース(非継続事業を含む)では、2017年度の純損失が▲39億ドル。主な要因は総額135億ドルに達した特別費用。これには、米国の税制改革による繰延税金資産見直しの際の73億ドルに及ぶ非現金支出と、ほぼ現金支出である独オペル/英ボクスホールの売却による62億ドルが含まれている。
中国は長年好調を維持し続け、米国でもボロ儲けのピックアップトラックが販売好調下、抜本的な経営再建に向けた動きの一環として、赤字垂れ流しの韓国GMの撤退も選択肢の一つにしているものと見られる。

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[ 2018年2月15日 ]

 

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