アイコン 米・オピオイド系製薬会社のインシス社に続きパーデュー社も破産申請

 

 

ケシから採取しアルカロイドなどを合成したオピオイド系の麻薬性鎮痛剤「オキシコンチン」メーカーの米パーデュー・ファーマが15日夜、米連邦破産法11条の適用をニューヨーク州の連邦裁判所に申請した。

同社はオピオイド乱用問題を巡り2600件を超える訴訟を起こされている。
パーデューの取締役会は15日夕方の会議で破産法適用申請を承認した。同社は一連の訴訟を巡る和解案の条件に基づいて再編を進めることを目指している。
パーデューはまた、24州と5つの米領のほか、2000超の市や郡などを代表する弁護士との間で、和解で暫定合意したと明らかにした。
しかし、20を超える州は、依然として和解案に反対しているか、決定を下しておらず、争いが続く可能性がある。
和解額は100億ドル(1兆円)を超えるという。

和解案では、パーデューの創業一族であるサックラー家は経営権を手放す。

同社の発表や関係筋の情報によると、サックラー家は現金30億ドルに加え、一族が保有する別会社のムンディファーマを最終的に売却することでさらに15億ドル以上を拠出することを提案している。
パーデューのスティーブ・ミラー会長は、ロイターのインタビューで、和解案に反対している州に対し、反対を続ければ訴訟が長期化し、裁判費用がかさんでオピオイド乱用の影響を受ける地域社会に振り向けるべき資金が減少すると訴えかける考えを示した。
その上で、一連の訴訟を解決するためには破産手続きが「最大の希望」だと述べた。

オピオイドは、過剰な摂取などで薬物中毒になる人が相次ぎ、一昨年には年間5万人が死亡するなど深刻な社会問題となっている。
これに伴い、製薬会社などを相手取り損害賠償を求める裁判が全米で起きていて、8月には医薬品大手の「ジョンソン・エンド・ジョンソン」に対し、600億円の賠償が命ぜられており、この問題をめぐり製薬業界の経営環境が一気に厳しくなるのではないかという見方も出ている。
以上、

これは製薬会社の責任は当然ながら、常習性のある麻薬と知りながら処方し続けた医師たちにも倫理上大きな問題がある。当薬は、麻薬であり、鎮痛作用のほか陶酔作用もあり患者も手放せなくなっていた。処方された患者たちはより強い効果を求め、大量に乱用したことから死者数が激増していた。

医薬品管理当局の米FDAにしても、737MAX機に見られた米連邦航空局(FAA)とまったく同じで、問題になっているにもかかわらず、メーカーに対して何も動かず、意志に対しても処方を中止させるなどせず、トランプ大統領がじきじきに問題にしなかった場合、まだ処方し続けられた可能性が非常に高く、当局のあり方そのものの問題が浮き彫りにされている。(米管理当局は企業との癒着が昔から問われている)

オピオイド系医薬品は、麻薬の登竜門とされ、より強いコカインなどへ手を染める患者が続出しているという。処方基準が厳しく制約されたことから、コカイン購入に動いているともされている。

オピオイド系の麻薬性鎮痛剤は麻薬であり、日本でも医薬品として扱われているが、がんの激痛緩和などに用いられるだけで、ほかの使用は禁じられている。

なお、同じくオピオイド系医薬品を製造販売していたインシス・セラピューティクス社も今年6月に破産申請。同社元代表は20年の禁固刑を受けている。

↓インシス社は、オピオイド系鎮痛剤「サブシス」を医師が処方すれば医師に利益が転がり込むシステムを作り上げ、当システムを医師たちに伝播拡大させ、潰れる寸前の会社を高収益企業にさせていた。

 

オピオイド系鎮痛剤メーカー「インシス・セラピューティクス」
連結/千$
16/12
15/12
14/12
13/12
12/12
売上高
242,275
330,797
222,125
99,289
15,476
営業利益
7,326
92,430
64,023
32,559
-23,440
税引前利益
8,424
92,968
64,176
31,577
-24,378
当期利益
7,590
58,476
37,977
40,377
-24,378
・オピオイド系鎮痛剤=医療用麻薬は2016年から社会問題表面化。
・オピオイド系鎮痛剤を拡販させたことにより急成長していた。
・2017.10.26日CEO逮捕⇒禁固20年の刑/上場企業

 

[ 2019年9月17日 ]

 

 

 


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