アイコン 双龍自動車倒産 韓国版会社更生法申請 印マヒンドラ放棄/海外倒産


双竜自動車は12月15日、外資系銀行から借入金の元利返済額約600億ウォン(約57億円)を返済できていないと公表していたが、21日には政府系の産業銀行へも900億ウォンの返済日が到来、ウリィ銀行からの借入金150億ウォンも元利金の返済ができておらず、同社は同日法定管理(会社更生法相当)を申請した。
法定管理申請は上海自動車傘下だった2009年来2度目。

同社は、1954年に河東煥自動車製作所としてスタートし、財務構造改善作業=銀行管理、法定管理を一度ずつ経験したが、今回再び法定管理を申請した。

1954年、河東煥自動車製作所は、米軍の使い古しのバスを修理・改造して自動車を作り始めたことを起源とし、1977年に河東煥自動車工業に商号変更、ディーゼルエンジンを搭載した4~6人乗りのジープ型車両を開発。1979年には現在の双龍自動車の本社がある京畿道平沢に工場を建設した。
その後、東亜自動車に社名変更、ジープ型の「KORANDO(コランド)」は韓国の公安当局の官用車としても使用された。

1986年に自動車産業に参入した双龍グループが東亜自動車を買収、翌年には同グループが英国の小規模自動車メーカーのパンサー・ウェストウインズを買収して、現在の双竜自動車となった。
双竜自は1990年代、AMGやドイツのメルセデス-ベンツと技術提携、エンジン供給を受け、ムッソー、ニューコランドを発売して全盛期を迎えたかにみえた。
しかし、1997年から8年にかけ韓国でアジア通貨危機が発生、直後に大宇グループに買収されたものの、大宇財閥自体が解体させられ、同社は2005年に中国・上海汽車集団に売却された。

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しかし、上海汽車の買収目的は技術取得、上海汽車は双龍への投資金を、双龍に融資した中国の金融機関は、双龍の財産から回収に走り、双龍の資金繰りは厳しい状態が続いた。
2009年1月には、リーマンショックにかこつけ、上海汽車は双龍に対して法定管理(会社更生法相当)を申請させた。

2011年3月、インドのマヒンドラが双龍を買収、しかし、その後も経営内容は改善せず、2019年までに累積赤字も6,271億ウォン(約560億円)にのぼり、マヒンドラは昨年双龍から撤退を表明、売却先を検討していた。
しかし、見つからず、マヒンドラ自身も新コロナで本国のインド市場で苦戦をしいられており、新たな繋ぎ資金の投入もままならず、今回の申請となった。双龍の月固定費は500億ウォンとされている。
以上、

双龍は、マヒンドラが買収する以前からリストラ(上海自動車傘下時代の法廷管理におけるリストラされた600人あまりの復職問題で係争)における労働組合問題も抱えており、その問題は文政権を支える過激な民主労総が対応、文政権になり韓国は労組天国、世界中の並みの企業は双龍を買収するとは思われず、文政権は失業問題も抱え、再び、政府系の産業銀行に出資させ「産銀双龍」にし、買主を見つけるまで10年でも20年でも抱える可能性が高い(但し共に民主党政権が続く間となる)。

ただ、工場設備も老朽化し、また新車投入でも製造ライン構築に巨額を要し、「産銀双龍」にしても新たな資金を産銀は投入し続けることになる。ユーザーも車両のアフター補償問題もあり、潰れた会社や潰れそうな会社の車両は買わなくなり、潰すしかないのであるが・・・。
失業問題から文政権は潰せない。今回も当然清算ではなく、法定管理となって再建されることになった。

双龍車の今年1~11月までの世界販売台数は前年同期間比▲20.8%減の9万6,825台、うち韓国内販売台数は前年同期間比▲18.3%減の7万9,439台、新コロナの影響を受けているがスポーツタイプ多目的車(SUV)「レクストン」は好調に推移している。

なお、今年9月、2019年の売上高が約200億ウォン(約18億円)というHAAHという米国の新興自動車販売会社(2014年設立)が3000億ウォン規模で買収意向を示していた。
しかし、HAAHの実態は資金調達もままならないような会社であり、ハイエナ級のハゲタカが買収資金をHAAHに融資しない限り、金持ちが道楽で融資しない限り実現不可能と見られる。EVを作りたいそうだ。拘束力ある本契約には至っていなかった。
ただ、今回法定管理に入りHAAHが再度色気を出す可能性もあるが、買収したとしても治外法権国の労組問題で打ちのめされることになる。
韓国GMやルノーサムスンも現代自動車を標本にした貴族労組になるためにストを打つ労組と同床異夢状態に陥って久しい。

韓国には、
現代自動車、
起亜自動車(現代自動車の子会社、エンジン等共有)
韓国GM
ルノーサムスン
双龍自動車
の5社の自動車メーカーがある。

[ 2020年12月22日 ]

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