韓国の11月の輸出▲14.3%減 2桁減6ヶ月続く 来年5月まで不振続くか
韓国の産業通商資源部が12月1日に発表した11月の輸出額(通関ベース)は、441億ドル(約4兆8300億円)で、前年同月比14.3%減少した。主力の半導体や石油化学分野の不振が続いた上、操業日数減少などの要因が複合的に作用したことが響いた。
輸出は、昨年12月以降、12ヶ月連続のマイナスで、今年6月から6ヶ月連続して2桁の減少率が続いている。
これで今年の輸出は2016年の▲5.9%減以来となる前年比マイナスになる見通しで、「2年連続6,000億ドル達成」の目標も事実上、遠のいた。
減少を品目別にみると、
半導体は▲30.8%減、
ディスプレーは▲23.4%減、
2次電池は▲17.7%減、
(主力はIT向け/順次EV向けが増加するが、欧米中に工場を有しており、韓国から輸出する分は限られる。)
繊維は▲12.3%減、
石油化学は▲19.0%減)
石油製品は▲11.9%減、
船舶は▲62.1%減(変動が大きい)
自動車は▲1.4%減少、(但しEVは87.8%の大幅増となったが数量は限られている。)
などが振るわなかった。
一方、増加したのは、
コンピューターが23.5%増
化粧品が9.9%増
バイオ・ヘルスが5.8%増
などは増加した。
輸出先別では
中国向けが▲12.2%減、
欧州連合(EU)向けが▲21.9%減、
中南米向けが▲15.9%減、
米国向けが▲8.3%減
日本向けが▲10.9%減
となったが、日本政府の輸出規制強化に伴う影響は限定的。
輸入は、
11月の輸入額は▲13.0%減の407億3000万ドル。5月以来、7ヶ月連続で減少が続いている。
輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、33億7000万ドルの黒字で、94ヶ月連続の黒字となっている。
輸出不振はいつまで続く、
今年6月~11月までの6ヶ月間の平均輸出額は450億18百万ドル、1月と2月は春節※との関係もあるが、最近の輸出額からして、来年5月までは不振が続くと見られる。但し、米中貿易戦争が急速に和解し、制裁解除された場合はその限りではない。
※春節休暇は、中国は、19年は2月4日~10日までだったが、20年は1月24日から1月30日まで。
韓国の春節=旧正月休暇は、19年は2月2日~6日までだったが、20年は1月24日~1月27日まで。
韓国の輸出入 前年比 /百万ドル
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輸出
|
輸入
|
|
|
輸出額
|
前年比
|
前年比
|
18/11月
|
51,700
|
4.1
|
11.5
|
12月
|
48,206
|
-1.3
|
1.2
|
19/1月
|
49,380
|
-5.9
|
-1.7
|
2月
|
40,130
|
-11.4
|
-12.6
|
3月
|
47,990
|
-8.2
|
-6.7
|
4月
|
48,300
|
-2.0
|
2.6
|
5月
|
48,030
|
-9.5
|
-1.8
|
6月
|
44,180
|
-13.7
|
-10.9
|
7月
|
46,136
|
-11.0
|
-2.6
|
8月
|
44,200
|
-13.8
|
-1.2
|
9月
|
44,710
|
-11.7
|
-5.6
|
10月
|
46,780
|
-14.7
|
-14.6
|
11月
|
44,100
|
-14.3
|
-13.0
|
韓国輸出月別推移/百万ドル
|
||||
|
2018年
|
前年比
|
2019年
|
前年比
|
1月
|
49,210
|
22.2%
|
46,175
|
-5.4
|
2月
|
44,880
|
4.0%
|
39,451
|
-1.2
|
3月
|
51,580
|
6.1%
|
47,046
|
-8.2
|
4月
|
50,060
|
-1.5%
|
48,829
|
-6.2
|
5月
|
50,980
|
13.5%
|
45,907
|
-9.4
|
6月
|
51,230
|
0.0%
|
44,180
|
-13.5
|
7月
|
51,880
|
6.2%
|
46,136
|
-11.3
|
8月
|
53,270
|
13.7%
|
44,200
|
-13.6
|
9月
|
50,580
|
-8.2%
|
44,710
|
-11.7
|
10月
|
54,970
|
22.7%
|
46,780
|
-14.7
|
11月
|
51,720
|
5.0%
|
44,100
|
-14.3
|
12月
|
48,206
|
-1.3%
|
↓11月まで
|
|
計
|
605,169
|
5.5%
|
497,514
|
-11.2%
|
・2018年の合計数値は産業省と韓銀発表値の違い
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[ 2019年12月 2日 ]